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20世紀少女

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連載小説「20世紀少女」です。 メンバーシップ限定です。 20世紀からタイムスリップしてきた少女と僕の物語。
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#昭和

20世紀少女

 彼女は20世紀からタイムリープしてきた20世紀少女。  昭和の時代から来た20世紀少女。  彼女は聖子ちゃんカットだった。  ボートハウスのトレーナーを着ていて、テニスのラケットを持っていた。  彼女がこの時代の人ではないことは、僕にはすぐにわかった。  それは、マスクをしていなかったからだ。  彼女は散歩道のベンチに腰掛けていた。  ふわっと、もわっと、ぼんやりと座っていた。  それはまるで、現実に存在していないかのようだった。  彼女の座っている空間だけが、まるで異

20世紀少女 5

5  ハルと一緒にいると、僕はノスタルジックな気分になった。  昭和の時代は、古き良き時代だった。優しい時代だった。

20世紀少女 14

14  昭和の時代はゆるやかな時代だった。  芸人は芸の肥やしだと言って女遊びは容認されていた時代だった。  今のように情報化社会ではなかったから、そうした内容は噂レベルだったし、自分たちとは違う世界で起こっていることであって、特に気にもとめていなかった。

20世紀少女 16

16  僕は夢を見た。  夢の中で僕は昭和の時代にいた。

20世紀少女 19

19  ハルはときどき拓司とデートに出かけた。  ハルはどきどきしながらデートに出かけた。  交際は順調なようだ。