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20世紀少女

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連載小説「20世紀少女」です。 メンバーシップ限定です。 20世紀からタイムスリップしてきた少女と僕の物語。
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2024年5月の記事一覧

20世紀少女 32

32  海沿いのパーキングに車を止めた。  ハルが壊れかけたワーゲンのボンネットに腰掛ける。  僕はハルにスマホを向ける。

20世紀少女 31

31  僕の友達が車を貸してくれた。  彼は車好きで何台も車を持っている。  僕と同じ昭和世代だ。  僕が借りたのはフォルクス・ワーゲンのビートルだ。  黄色いビートル。  ハルはそれを見て、「ハートカクテル」みたいね。  と言った。

20世紀少女 28

28 「アルバイトしようかな」  とハルが言った。 「制服がかわいいからアンナミラーズで働きたい」  とハルが続けた。 「アンナミラーズはもうないよ。全店舗閉店した。今はネットショップがあるだけ」 「えー!」  ハルはびっくりして、がっかりした。

20世紀少女 29

29  ハルはあっという間に村上春樹を読破して、ついに最新作まで読み進んだ。  僕は最新作の「街とその不確かな壁」は電子書籍で購入した。  ハルはそれを電子書籍リーダーで読んでいる。

20世紀少女 30

30  僕とハルはファミリーレストランに行った。  ファミリーレストランは昭和の時代から随分と変わった。  注文はタブレットで行って、ドリンクはドリンクバーのセルフサービス、料理はロボットが運んでくる。