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20世紀少女

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連載小説「20世紀少女」です。 メンバーシップ限定です。 20世紀からタイムスリップしてきた少女と僕の物語。
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2024年4月の記事一覧

20世紀少女 24

24  ハルは週末には拓司と過ごすことが多くなった。

20世紀少女 25

25 「ゴーストバスターズが観たい」  とハルが言った。 「ああ、新作が公開中なんだよね。拓司と観に行けば」  と僕は答えた。 「あなたと観たい」  とハルが言う。 「どうして?」  僕はちょっと意外な気持ちでハルに訊ねた。 「だってゴーストバスターズって言えば、レイパーカー・ジュニアでしょう? 「ゴースト!・バスターズ!」って」  ハルは「ゴースト!・バスターズ!」と歌った。 「うん。そうだね」 「あの時を知っている人と一緒に、あの感じで一緒に観たいの」 「うん、あの

20世紀少女 26

26  ハルは女子大生だった。  テレビではオールナイトフジという番組が流行っていて、女子大生ブームのさなかだった。  キラキラしてキャピキャピした学生生活。  ハルはまだ学生気分でいたいのだ。大学に通う拓司のことをうらめしく思う気持ちと、結婚に対する不安もあるだろう。

20世紀少女 27

27  僕とハルは向ヶ丘遊園駅にある岡本太郎美術館に行った。  駅名になっている向ヶ丘遊園は今はない。  そこには岡本太郎美術館がある。