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24 ハルは週末には拓司と過ごすことが多くなった。
25 「ゴーストバスターズが観たい」 とハルが言った。 「ああ、新作が公開中なんだよね。拓司と観に行けば」 と僕は答えた。 「あなたと観たい」 とハルが言う。 「どうして?」 僕はちょっと意外な気持ちでハルに訊ねた。 「だってゴーストバスターズって言えば、レイパーカー・ジュニアでしょう? 「ゴースト!・バスターズ!」って」 ハルは「ゴースト!・バスターズ!」と歌った。 「うん。そうだね」 「あの時を知っている人と一緒に、あの感じで一緒に観たいの」 「うん、あの
26 ハルは女子大生だった。 テレビではオールナイトフジという番組が流行っていて、女子大生ブームのさなかだった。 キラキラしてキャピキャピした学生生活。 ハルはまだ学生気分でいたいのだ。大学に通う拓司のことをうらめしく思う気持ちと、結婚に対する不安もあるだろう。
27 僕とハルは向ヶ丘遊園駅にある岡本太郎美術館に行った。 駅名になっている向ヶ丘遊園は今はない。 そこには岡本太郎美術館がある。