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短編小説

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僕の短編小説集です。
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#ドンキ

レディファースト

 僕は3年間の海外生活を終えて日本に帰ってきた。  久しぶりに女友達に会い、街に出かけた。 「ドンドンドンキで買い物しようか?」  と僕は彼女に言った。 「何それ? 買い物ならドンキでしょ?」 「うん、じゃあドンキにしよう」 「KFCでフライドチキンを食べないか?」 「何それ? フライドチキンならケンタッキーでしょう?」 「うん、じゃあケンタッキーにしよう」 「バンスキンロビンスでアイスクリームを食べようか?」 「何それ? アイスクリームならサーティワンでしょう?」 「

ドンキで殴られた

「ドンキで殴られたんだけど」  と彼女は僕に言った。 「え? 鈍器で殴られた? 大丈夫? 警察に行った?」  僕は彼女を心配した。 「いや、そんな大袈裟なことじゃ無いんだけど」 「え? だって、鈍器で殴られたんだよね?」 「うん、ドンキで買い物していたら殴られた」 「何だ、そのドンキか」 「何だって何よ? ドンキって言ったらドンキでしょ。他にある? そりゃあ海外じゃあドンキホーテのことをドンドンドンキって言うけど、ドンキに他の呼び方あった? ああ、マクドナルドのことをマック

ドンキで買った

「ドンキで買ったんだけど」 「え? 何が勝ったの? 1番くじでB賞が当たったの?」 「エヴァの2号機が当たったのはあんたでしょう?」 「うん」 「また殴られた?」 「なんでそうなるの?」 「欽ちゃんか?」 「そうじゃなくて、今年はうさぎ年でしょう? だからこれ」  彼女はドンキのレジ袋からそれを取り出した。  それはバニーガールのコスプレ衣装だった。 「じゃあ着替えるからあっち向いてて」 「ジャンケンポン」 「あっち向いてホイじゃないから」 「だるまさんが、転んだ」 「