フォローしませんか?
シェア
「あの、羽が出てますよ」 と僕は前を歩く女性に声をかけた。 彼女は背中の大きく空いたドレスを着ていて、その露出した背中から、小さな羽が出ていた。 洋服の値札タグがついていたり、クリーニングのタグがついていたり、裏表が逆だったりするのであればあり得るのだが、背中から羽が生えているのは、あり得ないことだと思った。 だけども実際に僕の目の前には羽があった。 彼女は僕の言葉に気がついて、少しばかり慌てた様子で振り向いた。背中の羽はすっと姿を消した。 「あ、すいません。ち