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友達の祐介が僕のアパートに遊びに来た。 祐介はバドワイザーの缶ビールをごっそりとかかえていた。 「いつもはハイネケンだけど今日はバドワイザーだ」 祐介は嬉しそうにそう言った。 「うん、バドワイザーも悪くない」 僕は同意した。 「それから今日は妹も連れてきた」 祐介の後ろから、ひょっこりと女の子が顔を出した。 はい、ひょっこりはん、と僕は心の中でつぶやく。
僕がアパートに帰ると、ベッドの中に僕の彼女と知らない男が寝ていた。
「考える人って、何を考えていると思う?」 と僕は彼女に尋ねた。 「何も考えていないと思う」 と彼女は答える。 「え?」
「おっぱいに視線がいってしまうことは仕方がないよね。だって目の前にばばんとあるんだから。そりゃあどうしたって目がいってしまうよ。 DJソダみたいにあんな風にぷるんぷるんされちゃったらもう我慢できないよね。
「ねえ、結婚したらさあ、東京に住みたい」 と彼女は言った。 「え? 結婚したらって何? 僕たち付き合ってないけど」 「え? だって私達、許嫁 でしょう?」
「ねえ、私、きれい?」 と彼女は僕に訊ねた。
「最近シェアライドしているんだけど君もする?」 と明夫は僕に言った。 僕らは渋谷のセンター街を歩いていた。
僕は大学3年生で、彼女は大学1年生だった。 僕は工学部で、彼女は文学部だった。 僕は古い映画が好きで、ロバート・レッドフォード主演の「華麗なるギャツビー」という映画が好きで、彼女は日本文学が好きで、村上春樹の「風の歌を聴け」が好きだった。 僕はビートルズが好きで、「ノーウェジアン・ウッド」を聴いていて、彼女は村上春樹の「ノルウェーの森」を読んでいた。
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「「太陽がいっぱい」っていう映画、知ってる?」 と彼女は僕に言った。 「フランス映画でね、アラン・ドロンがすごくハンサムでかっこいいのよ。それでね、私はその映画の中にいる夢を見たの」 という彼女は、その映画の映像を頭の中に思い浮かべているかのようだった。
「ねえ、私ね、バーテンダーになろうと思うの」 と彼女は唐突に言った。 「何で?」 と僕は訊ねた。 「ただのバーテンダーじゃあ無いのよ。踊るバーテンダー」 「え? 踊るさんま御殿?」 「違うわよ。何が「踊る大捜査線」よ?」 い、言ってない。 「だからね、踊りながらカクテルを作るの」 「もしかして、映画観た?」 「うん」 「カクテル !」 2人が同時に叫んだ。