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2021新体制発表会・経営の話

みなさん、こんばんは。
昨日、アンケートで希望が一番多かったエコノメソッド&トップチームの件についての記事を書きました。今日は、経営状況の話です。去年1年に2回しかアップしてないのに、まさか、2日連続 noteをアップするなんて。笑 

 今回の記事では、2番目に希望が多かった経営状況について、新体制発表会で説明した部分についての補完的な文章を書きたいと思います。

1.サッカークラブの経営とは


まず、サッカークラブは多くの場合、特にJクラブの場合はほぼ全クラブが、株式会社として運営しています。株式会社では、利益を追求する事業を行い、利益の一部を配当として株主に分配します。そのため、一般的には、会社は株主のものだといえます。

ただ、サッカークラブは株式会社でありながら、あくまでも地域社会のために存在しており、配当を出すことはありませんし、株主であることのメリットは『自分が描く地域貢献が、サッカークラブを通して可能になるかもしれないし、そこに関われる』ということにつきます。私自身は、奈良クラブの株式は県をはじめとする自治体に広く持ってもらうのが、ベターだと考えていますし、それこそ奈良クラブに共感していただけた市民一人一人に薄く、広く持ってもらうのがよいと考えています。だから、私は、あくまでも、現時点では奈良クラブを預かっているだけであり、将来、自分がいなくなった時に、引き継ぐ人が厳しい状況に置かれるという仕組みにしてしまってはいけないということを考えながら経営しています。

2.何を念頭に1年間奈良クラブを経営してきたか

以下、奈良クラブの経営状況です。私がクラブを引き継ぐ話をいただいたときに設定されていた予算は、売上2.3億、支出2.3億程度で組まれていました。そしてクラブを引き継ぐタイミングで、合計で1.1億ほどの額のスポンサーが離れられることが決定しました。つまり、引き継ぐタイミングで、売上1.2億、支出2.3億という状況で、債務超過というか、倒産しかないという状況でした。そして、ちょうど引き継ぐタイミングで前社長から4000万円の私財を寄付していただけるという話があり、売上1.5-1.6億、そして削れるものを削ると支出2.1-2.2億の5000万ぐらいの赤字になるかなあという状況でした。

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この時点でやらなければならなかったことは、以下の③つでした。

①債務超過だとライセンスがとれない → 増資で解消
②倒産の回避 → 融資で解消
③PLを少しでも改善する → 経費削減をできる限り

詳細は昨年のnoteに記載しています。

2021年1月期の決算は、結果的に2500万程度の赤字で着地となりましたが、1年クラブ経営をやってみて感じたことは、身の丈にあった予算を組むことに尽きるということです。前期は経費を削減できるところを徹底的に削減しましたが、何から何まで削減すればいいというわけではなく、質を保ててるかという部分をしっかりと観察しながらになるため、経費削減といっても、売上が半分になったからといって、削減できる経費は10%~20%が限界だといえます。そのような経費削減目標数値をイメージしながら少しずつダウンサイズしてきましたが、年間予算1億7000万という数字が奈良クラブというクラブがJ3を目指せる強化費を保持しながら、PRやイベントなどの質をできる限り落とさずやりきれる数字かなと考えるに至りました。つまり、この1年で奈良クラブがJ3に昇格するための適切な形を探っていたといえるかと思います。

3.経営視点での、奈良クラブが進むべき方向性

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経営視点でというところがミソですが、1.7億という数字が現時点での適正値(大きなスポンサーが決まれば別ですが)だとしても、ここでやらなければならないのは、数字を上振れさせるためにどうするかという部分です。もちろんスポンサーセールスに最大限コミットしてスポンサーを集めることも大切ではありますが、現時点で売上の85%ほどを占めるスポンサー料の比率を下げる施策をとる必要があると考えています。スポンサー料の比率を下げるといっても、スポンサー料での売上は当然上振れを目指します。つまり、新たな事業モデルを構築する、そしてそのためにしっかりと投資はしていきましょうということです。

新体制発表会でも拠点作りの話をしましたが、上図の4つすべてが拠点を作ることによって、輝くことになります。現在奈良クラブはトップチームが奈良フットボールセンターで練習し、育成部門は奈良フットボールセンター、柏木公園、ソリアフィールドなど、すべてが間借りの状況であり、さらに常に利用料を支払っています。年間で約1000万ものグラウンド利用料がかかっています。そして、フロントのオフィスは奈良市内にあり、トップチーム、育成、フロントが接する機会は非常に限定的であり、また、ステークホルダーのみなさまもふらっと奈良クラブを訪問するということが非常にしづらいと思います。

拠点ができれば、何ができるようになるのでしょう。例えば、食堂、寮が同じ場所にあれば、トップチームの選手が午前のトレーニングを終えたときに、昼ご飯を食べにくるユースの選手と食堂で顔を合わせるなんてことが起こります。他には、カフェが併設されていると、ケガでアウェイに帯同しなかった選手がお茶しているところに、ジュニアの試合を見に来たお母さんがコーヒーを買いにくる。「ケガの状態はどう?」とか、「この前のシュートよかったよ」とか、会話が始まれば、奈良クラブに関係する人の距離が少しずつ近づき、より一体感ができることで、スポンサーのみなさまももっと関わりたい!と思ってくれるのではないかと思います。

他方、クラブにとってはスポーツセンターという収益事業としての位置づけですので、投資を回収できるような回収モデルを組む必要があります。この部分については企業秘密なので何を考えているかは書きませんが、最終的には、スポーツセンター事業で1億の売上を目指すつもりです。つまり、1.7億+1億で2.7億となりますが、3億あればJ3で戦えるぐらいの予算感にはなりますので、2~3年で、3-3.5億を狙っていく感じです。

ということで、ぜひ奈良クラブを応援したいと思ってくれた方は、↓ ファンコミュニティー特設サイトから、ぜひゴールドアンバサダーになってください。笑


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