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エコノメソッドとの出会いとDVDと。

当時、3000円ぐらいの単価のDVDでも2000~3000本売れればヒットと言われている時代で、1万本売れたサッカーの指導者向けDVDがある。そんなに売れるわけないでしょー。と思ったあなた、さらに、そのDVDの価格が1本2万円と聞いたら、嘘はやめてくれと言い出すに違いない。

 そらそうだ。制作に関わった僕でさえ、最初は法外だと思ったし、そんなに売れるわけないと思っていたから。でも、完成したDVDを見たら、僕は2万円でもいいと思った。2万円の価値があると間違いなく思った。


そのDVDの名前は、「知のサッカー」


名前を聞いたって、たぶん、みんなサッカーのDVDということ以外わからないと思う。でも、そんなよくわからないDVDが発売から今年で10周年を迎えた。そして、1万本売れたという。

そんなDVDがどうやってできたんだろう?とみなさん思われるに違いない。今まで聞かれたときだけ答えてきたことだけど、せっかく10周年だから、noteで書いてみたいと思う。


エコノメソッドとの出会い

遡ること11年。2010年に僕が代表を務めるAmazing Sports Lab Japanがバルセロナでオフィスを展開しようと現地採用した社員がいた。高司君(のちにFC今治GMとなった)という当時20代後半で、日本でいうS級ライセンスをスペインの指導者学校で取得するために現地に留学していた青年だ。

その彼から、自分が受けている講座の先生が、今まで聞いたことないような方法でサッカーを理解されていて、すごすぎるから一度ぜひ会ってほしいとの相談を受け、バルセロナのレストランで食事をすることになった。

その時食事をしたのが、サッカーサービス社のジョアン・ビラ、カルラス・ロマゴサ、ダビッド・エルナンデスの3人。この3人がどれぐらいすごいのかを書くと本がかけてしまうので割愛するとして、この3人から日本で我々のサッカーに対する考え方を広げたいから協力してほしいと言われたのです。

というのも彼らはバルサカンテラのを辞したのち、1996年ぐらいから、10年かけて、何歳の選手にどういったトレーニング方法を行うのが効果的かという研究をしていた人たちであり、ビジネス的な視点は皆無だったためです。

 とはいっても、メソッドに名前もなければ、誰も、本当に誰もそのメソッドを知らない状態の日本でどうやって広めればいいんだろうと。まず最初にやったことが、とにかく体験してもらうしかないと、過去にバルサキャンプに来てくれた選手たちで欧州トップレベルの育成に興味がある子を対象にサッカークリニックを開催すること。このときのクリニックに来てくれたのが、バルサに入団する前の久保建英。とはいえ、知名度がなさ過ぎて最初は20人しか集まりませんでした。


 ただ、そこで目の当たりにしたエコノメソッド(当時はメソッドの名前はついていなかった)は目から鱗で、その時初めて、認知・判断・実行という今の日本サッカー界では誰もが知っているサッカーの原理原則のベースとなっている言葉を聞いた。(現在の日本サッカーで誰もが使う言葉になってきていますね)

 この時の経験はまさに自分にとってはパラダイムシフトで、サッカーというスポーツが全く別のスポーツとして目の前で展開されるという不思議な経験だった。なんというか、今まで東京だと信じて生きていた東京の地下に全く別の東京があるというか。

 その2か月後、茨城県で撮影した「知のサッカー」。20以上あるメニューを翻訳し、全員が理解できる形に落とし込んで、実際に現場で丸一日通訳する。僕は翻訳とディレクションをやっただけで、実際の通訳はスタッフが行ったのですが、朝早くから日が暮れるまでほんとに丸一日かかった。

そうやってなんとか世に送り出すことができたDVDが10周年記念キャンペーンを開催中。僕が尊敬してやまないエコノメソッドのフランコーチのWEBINARへの無料参加もできる特典があるようですし、フランコーチの記事、いま日本サッカーに必要なのは「ポジション別の個人戦術」と「戦う選手の育成」/スペイン人コーチが10年で感じた日本の育成課題も読んでみてください。

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