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価値を生む質問へのシフト

こんにちは。ヨシミツダです。

デジタルの世界でこれから何が進んでいくのか。なるべく源流をたどれるような考察をしたくなって、昔一度読んだ「<インターネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー著」を読み直してみることにしました。

ケヴィン・ケリーさんはスチューアート・ブラントさんと共に伝説の雑誌ホール・アース・カタログの発行編集を行った人で、雑誌WIREDを創刊し、1999年まで編集長を務めていた方です。ホール・アース・カタログは、あのスティーブ・ジョブズの伝説のスピーチの最後の台詞「Stay hungry, stay foolish」が載っていた雑誌として有名ですよね。この本は結構読みごたえたっぷりなんですが、未来を示唆する内容がたくさん記載されているので、興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。

労力の逆転現象

パブロ・ピカソの「コンピューターは役に立たない。ただ答えを返してくるだけだ。」という台詞は有名ですよね。Googleに代表されるように回答マシンは無限に答えを増やしていく一方で、われわれが質問するための時間はとても限られています。良い質問を生み出すことと、答えを理解することの労力の間には非対称性が発生しています。答えが安くなり、質問はもっと価値を持つようになってしまいました。

良い質問とは、正しい答えを求めるものではない。
良い質問とは、すぐには答えが見つからない。
良い質問とは、現在の答えに挑むものだ。
良い質問とは、ひとたび聞くとすぐに答えが知りたくなるが、その質問を聞くまではそれについて考えてもみなかったようなものだ。
良い質問とは、思考の新しい領域を創り出すものだ。
良い質問とは、その答えの枠組み自体を変えてしまうものだ。
良い質問とは、科学やテクノジーやアートや政治やビジネスにおけるイノベーションの種になるものだ。
良い質問とは、探針であり、「もし~だったら」というシナリオを調べるものだ。
良い質問とは、ばかげたものでも答えが明白なものでもなく、知られていることと知られていないことの狭間にあるものだ。
良い質問とは、予想もしない質問だ。
良い質問とは、教養のある人の証だ。
良い質問とは、さらに他の良い質問をたくさん生み出すものだ。
良い質問とは、マシンが最後までできないかもしれないものだ。
良い質問とは、人間だからこそできるものだ。

これからは、質問を生み出すテクノロジーが発展するはずです。

事実や秩序、答えはこれからも常に必要だし有用だ。それらが消え去ることはないし、実際には微生物やコンクリートのようにわれわれの文明の多くを支え続けるだろう。しかしわれわれの生活やテクノロジーにおいて最も大切な側面 最もダイナミックで最も価値があり、最も生産的な面は新たなフロンティアであり、そこでは不確かさやカオス、流動性や質問の数々が広がっているのだ。答えを生み出すテクノロジーはずっと必要不可欠なままであり、おかげで答えはどこにでもあり、すぐに得られ、信頼できて、ほぼ無料になる。しかし、質問を生み出すことを助けるテクノロジーは、もっと価値あるものになる。
質問していくことは単純に言って、答えることよりも力強いのだ。

質問を生み出すことを助けるテクノロジーが具体的に何かは示されていません。しかしながら、そのようなテクノロジーが現れる気はしませんか?
この週末、「良質な質問はどうやって生成されるのか?」「質問を生み出すことを助けるテクノロジーとは何か」という問いを考えてみようと思います。

それではまた。


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