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とあるプロセスエコノミーの議論を聞いて考えたこと

こんにちは。ヨシミツダです。
今日は、とあるプロセスエコノミーについての議論を聞いて、考えたことについて共有したいと思います。

プロセスエコノミーとは

私がこの言葉を、本格的に知ったのは尾原和啓さんの著者「プロセスエコノミー」という本を読んだ時でした。完成品の価値が拮抗してきた時代に、物語をもつ制作過程、エンゲージメントを育む行為が価値をもち、経済的価値を持つという話でした。また、世の中のものづくりは二極化し、圧倒的な魅力をもつ成果物を売り物にできるプレイヤーと、成果物自体が拮抗するため、その制作のプロセスで価値を提供しようとするプレイヤーにわかれるようになるというのです。

もともとけんすうさんが、そんなことを言ってたことは、知っていたのですが、この本を読んで改めてプロセスエコノミーとは何かということを認識しました。

とある議論

このプロセスエコノミーについて、Voicyの緒方さんと北野唯我さんが対談していました。この2人はよく知っていて、各種メディアでの発信をきいていても、確かになぁと思うするどい観点をお持ちの2人だと思います。

この2人の話の内容は、プロセスエコノミーではマスターピースは作れない。長期的にみると、プロセスエコノミーは経済や発展を後退させるのではないかという懸念でした。この話を聞いてちょっと意外だなと感じたのは、音声SNSこそプロセスエコノミーの代表的なサービスではないかと感じたからです。音声そのものが、マスターピースと呼べるものになるイメージはありませんが、人の内面的な考えや、パーソナリティの方の制作に関するメンタリティを知ることができるという意味で、プロセスエコノミーのトップにあるという印象があります。
その音声SNSを運営している緒方さんが、若干プロセスエコノミーに否定的だったのは意外でした。

また、北野さんの意見としても最高の物が作れないがために、エネルギーをプロセスを共有することに倒すと世界に通用する本当にいい製品はできにくくなるのではないかということでした。

わかりやすい例でいうとジャニーズとBTSなどのKpopアイドルの比較をしていて、プロセスエコノミーで国内のファンとのみエンゲージメントを高めるジャニーズに対して、語学の学習、ダンス、歌のマルチリンガル化、他国のエンターテイメント業界の理解と攻略などの面でKpopアイドルの方が圧倒的に優れているという話をされていました。

私の発展のイメージ

この2人の意見に対して、私が感じたのはマスターピースをだすことと、プロセスエコノミーは二項対立な物ではないのではないかということです。

例えば、先程のKpopの例でいうと、彼らは空間的な広がりにプロセスエコノミーを展開しており、各国での展開をみながら、ローカライズする調整をしています。そういったフィードバックにより再構築されるパフォーマンスによって質がどんどん上がっているのです。

このやり方は、サムソンやLGなど韓国企業のやり方を連想します。彼らは日本を手本とすることをやめて、世界各国に積極的に入り込み、フィードバックを得ながら独自に発展し、世界を席巻しました。
もはや立場的には日本のメーカーより遥かに上の存在です。

なので、最高の成果物は、最高のプロセスエコノミーにひもづくということも言えるのではないでしょうか。

また、マスターピースというのはある意味マスのスポットに対して提供されることが多いと感じています。なので、プロセスエコノミーに期待されている効果の一つとしては、多様性ではないでしょうか。
かつては経済合理性のもとで淘汰されるしかなかったような、魅力的だが生き延びる術がなかった物が、プロセスエコノミーで存在できるようになるという効果も期待できます。

さらに、マスターピースを超えるプロセスエコノミーというものもあると思います。
私は京都でよくそういった物をみかけます。

例えば、京都にあるたわしで有名な内藤商店は創業200年の歴史を持ちます。
そちらに置いてあるたわしは、たしかにマスターピースと呼べる素晴らしいたわしなのですが、この現代社会にたわしを必要とする市場がいったいどれだけ存在するのでしょうか。
マスターピースの市場規模は小さいが、このお店が紡いできたプロセスの方がむしろ大きな価値を持っている、そんなケースもあると思っています。

いろいろ書いてきましたが、プロセスエコノミーで作られる経済の多様性はプラスな話の方が多いのではないかなというのが私の今の所感です。
みなさんも身近なところでプロセスエコノミーを試してみましょう。

それではまた。


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