山上容疑者と山上主義者と統一教会バッシング(2023年1月20日)
昨年7月8日に起きた安倍元総理の事件からほどなくして、全ての話題が統一教会一色に染まったことは記憶に新しいと思います。
そして、それは以下のような極めて問題のあるロジックで、統一教会バッシングへと進展していきました。
1,安倍元総理の事件が起きた。
2,犯人(山上容疑者)が、統一教会への怨恨から、統一教会と関係がある(ビデオメッセージを送った)安倍元総理を狙った。
3,山上容疑者の家庭が貧しくなったのは、統一教会のせい。
4,だから安倍元総理と統一教会は批判されなければならない。
そもそもの話として私は、一連の統一教会への批判は、たんなるバッシングであると確信しています。
その理由の一つとして、上記のような極めて強引な理屈によってバッシングが成り立っているというものがあります。
1,【統一教会バッシング】と【山上被告への同情、擁護】
=================
さて、鈴木エイトさんというジャーナリストがいます。
この方は、昨年より統一教会を批判する急先鋒として注目され、いまでも統一教会バッシングの先頭に立っている人物と言えるでしょう。
そのような立場にある方ですが、今年に入るとやや意外な発言をしています。
山上容疑者への減刑を求める動きが起きると、鈴木エイトさんは暗に山上容疑者の減刑活動への批判を展開したのです。
なるほど、鈴木エイトさんのおっしゃることは一見すると【統一教会バッシング】と【山上被告への同情、擁護】は、切り離すべきと主張しており、良識的な発言に見えるかもしれません。
ですが私には、そもそも【山上被告への同情、擁護】を利用する形で【統一教会バッシング】が展開されてきた、という一連の事実から目を背けているようにしか見えないのです。
これは何度でも繰り返したいのですが、【統一教会バッシング】と【山上被告への同情、擁護】はまさに一心同体とも言える形で進展してきたと断言できます。
たとえば、現在でも大手報道ではこのような認識が一般化されているのではないでしょうか。
ここで注目いただきたいのは、成田悠輔さん(イェール大学)の発言です。一見すると山上容疑者の正当化、英雄視を問題視している…かのように見えますが、よくよく見ると……
・問題を批判してあぶり出した
・それができなかった社会も(山上容疑者と)同じくらい問題
というようなことを発言しているのです。
つまり、ここで成田さんが事実上、【統一教会批判】を通じて山上容疑者の影響力を正当化していることは明らかです。
また、成田さんが肯定的に評価している「投稿した男性」の発言は、もはや隠すことも無く「山上容疑者が英雄」と言っている山上主義者です。
つまり、今現在の潮流からも、7月以降の統一教会へのバッシングそれ自体が、山上容疑者の正当化(山上主義)とリンクしていることが明らかなわけです。
2、これまで沈黙していた(問題視されなかった)「二世」の訴えを正当化する「山上容疑者」の存在
=============
昨年10月、国葬をめぐる議論や、統一教会批判の急先鋒であったひろゆきさんと有田芳生さんの決裂などを通じて、統一教会へのバッシングはやや沈静化しつつありました。
同時に、高額献金や霊感商法など【過去】の事例に頼ったバッシングには、明らかに限界が見えていました。
その空気を一変させたのが、10月14日に記者会見を開いた小川さゆりさん(仮名)に象徴される元「二世」の存在です。
彼女の記者会見が、岸田首相による「質問権」発動のきっかけになったことは、時系列的にも明らかだと思います。
筆者は、これまでYouTube上で彼女を名指しで批判してきましたが、これは何度でも繰り返しますが、彼女の統一教会批判には以下の2点の問題があります。
①訴えている内容は個別の家庭の問題であり、従来の法の枠組みで対処すべきこと。
②極めてパフォーマンス的である。
(1)相互に正当化し合う統一教会バッシングと山上主義者~小川さゆりさん(仮名)の記者会見
さて、筆者が小川さゆりさん(仮名)を特に批判する理由は、彼女が、山上容疑者を正当化している点にあります。
たとえば、彼女の仮名を一躍有名にした10月7日の記者会見https://youtu.be/Bq3a9VolVRs?t=395
ここで彼女は「安倍元首相の暗殺事件の後、自分と同じように苦しんでいる多くの被害者の存在を知り、宗教による被害をなくしたいと思いました」 と明言しています。
ここで注目していただきたいのは、ここでわざわざ「安倍元総理の事件」の影響を評価しているのです。
もし統一教会を批判したいだけであれば、この文面は必要だったのでしょうか?
そして、これは以前、別の動画で指摘しましたが、この動画を収録ライブ配信したTBSの動画タイトルに注目いただきたいと思います。
さて、 TBSといえば、なにを連想するでしょうか。
私は、直近で以下の2つの事案が印象に残っています。
・赤軍の重信被告の講演を報道(つまり事実上の容認)
・党としてはいまだに暴力革命を否定しない共産党の要求に折れて評論家の弁護士を謝罪させた(八代弁護士謝罪騒動)
つまり、TBSは赤軍や「暴力革命」の理念にすくなくとも否定的ではないことがうかがえるわけです。
ですから、先のタイトルを見るに「小川さゆりさん(仮名)」の境遇を利用して山上容疑者への同情論(暴力革命・テロの正当化)を煽っている、と見なさざるを得ません。
そして、結果として小川さゆりさん(仮名)もまた、これまで社会問題化してこなかった宗教「二世」について、今、問題化する正当性に山上容疑者を利用しているのです。
つまり【統一教会批判―宗教二世問題】と【「山上容疑者」を利用する山上主義者】が相互に利用し合っている構造になっているのです。
(2)小川さゆりさん(仮名)のパフォーマンス的記者会見
さて、小川さゆりさん(仮名)の問題について補足しておきたいことがあります。
10月14日に行われた彼女の記者会見は、極めてパフォーマンス的であると言わざるを得ません。
とくに最後の両親のFAXの公開について、以下の理由から小川さん・特派員協会側は極めて不誠実であると言わざるを得ないということは指摘しておきたいと思います。
・FAXは記者会見前に送っていた
・すくなくとも、特派員協会は、会見途中にこれを出してきた。
・小川さん(仮名)の「症状」を、ご両親は紙面(FAX)で記したにもかかわらず、わざわざ会場でそれを声に出して読み上げたのは小川さん(仮名)側
(3)そもそも印象論だけでバッシングを受ける統一教会の信者さんたち
さて、さきほど少し触れたように小川さん(仮名)はじめ、もと「二世」や「被害者」の主張は、個別の家庭の問題であり、従来の法の枠組みで対処すべきことばかりです。
また、統一教会による「マインドコントロール・洗脳」が話題に上っていましたが、そもそも小川さん(仮名)自身が脱会しているわけで、もう彼女の存在自体が、統一教会による「洗脳」の話を否定していると言えます。
さらに、統一教会と友好関係にあった安倍元総理のもとで、霊感商法による被害は大幅に減少しました(自民党政権によって制定された消費者保護法、また安倍政権下でさらに霊感商法のクーリングオフが可能となった)。
そして、統一教会自体も信者さんたちの努力により、強引な手法もすでに影を潜め、2009年以降、すくなくとも統一教会関係者による刑事事件は起きていません。
さらに事件以降のバッシングが起きて以降、教会側は何度も改革案を提示しているのです。
まとめ
さて、私は現在の統一教会にはなんら問題はないと考えています。
むしろ今回一連の流れにおいては、もと「二世」・「被害者」こそが個別の家庭・個人の問題をテロに便乗して社会問題化していると認識しています(敢えて言いますが、利用されていると私は認識しています)。
すくなくとも、結果として【統一教会へのバッシング】と「山上容疑者」が相互に正当化し合う関係になっていることは間違いありません。
もちろんそれでも、過去の統一教会の問題を清算すべきだという意見もあるのでしょう(ただ、過去の話となると、それこそ統一教会以上に他の団体もまとめて問題になってきますが)。
ただ、もしそれでも小川さゆりさん(仮名)をはじめ「二世」や「被害者」が統一教会を批判したいのであれば、少なくとも以下の手続きは最低限必要だと思います。
・小川さゆりさん(仮名)側が「安倍元総理の事件」をきっかけとして活動を始めたとする発言を取り消すこと。
・TBSに対して、「山上容疑者」と「二世」を同列視する会見のタイトルを訂正するよう正式に抗議すること。
以上
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?