読書記録【声の在りか】
声の在りか 寺地はるな
角川書店
今年一番、
突き刺さった小説かもしれない。
本の帯に
「自分の言葉を取り戻すために奮闘する女性を描いた、
大人の成長小説!」
「わたしの“声”を取り戻したい」
とあって、
目を引き、図書館で借りてみた。
主人公は、民間学童でパートをしている。
私自身が今、学童に通う小学生たちと関わる仕事をしているので、
そこも惹かれたポイントだと思う。
そうなんよな~~~
わかる。
なんだか胸が張り裂けそうなくらい、わかるのだ。
これ、多分、
わたしの半生、ずっと抱えている問題だと思う。
感情的にものを言える人って、
敵を作ったり、誤解されたりすることもあるのかもしれないけど、
やっぱりうらやましい。
自分の悪いところを出したくない、
人から嫌われたくない、って気持ちが強い自分を、
心底、どうしようもねぇな、と感じさせる文章だった。
主人公の希和が、我が子に向けた思い。
これ、私も全く同じことを思ったことがある。
今現在でもそうだけど、
他人には感情的に話せないのに、
子どもには烈火のごとく怒りを爆発させてしまった時とかね。
こんなきつい暴言、他人には言わないよな。
我が子だからこんな風に怒りを爆発させてるけど、
実はこれ、わたしのただの八つ当たりなんじゃ?
支配欲のかたまりなのでは?
なんて考えて、気分が悪くなることがある。
子どもと接する仕事をしているとなおさらで、
自分が怖くなることもある。
娘たちが生まれてから、
親のわたしはどこまで手を出すのが正解なのか、
悩むことが多々あった。
現在進行形でね。
多分これからも、出る幕、出ない幕、
悩むことはあるんだろうけど。
見守ることしかできないなら、
しっかり目を開いていよう。
そんな風に思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?