コタローのこと
愛媛の実家に彼が来たのは、
私がまだ学生の頃。
近所にいた捨て猫を、
母が拾ってきた。
まん丸の目に、
短いかぎしっぽ。
ツヤツヤの短い毛。
ビビりだけど、
強気で、
子供は大嫌い。
びっくりすると、
いつも丸い目が
更にまん丸になって、
ヒゲが下向きになる。
魚のフナみたいに。
顔はイケメンなのに、
ぽっちゃりしていて、
走るとお腹がタポタポ。
カーペットにコテッと寝転び、
「さあ、腰をポンポンしろ」
と要求。
少しでも違う箇所をポンポンしてしまうと、
「シャーーッ」と憤慨。
寝る時は必ずヘソ天で、
幸せそうに眠って、
たまにムニャムニャ寝言を言う。
母と私が
「コタローがまた悪いことして…」と
悪いウワサをしていたら、
ぎろっと睨んでくる。
人間のしていることをよく観察していて、
こちらのする話もよく理解してる。
うちに数匹いる猫の中で、
ひときわ猫っぽくない猫。
多分、自分のこと人間だと思ってるんじゃないか、
と家族でいつも話していた。
母のことが大好きで、
毎日抱っこを要求。
スキスキタイムが大好き。
子供が嫌いな割に、
大きなお腹も
小さな命も
大切にしてくれた。
2人の娘の子守をありがとう。
猫っぽくないコタローが、
2/22猫の日を最期の日にするなんて、
最後までやることがおもしろいんよ。
突然のことで、
まだ、
全く実感が湧かんのよ。
実家に帰ったら、
「にゃぁ〜ん」って
またふてぶてしく
出てきてほしいのにな。
14年、家族を見守ってくれて
ありがとう。
大好きだよ、コタロー。
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