Breaking the backWS第3回目 2023/9/25

今回はアルベール・カミュ作『カリギュラ』と川村毅作『AOI』にトライしてみました。

言語化って結構色んな可能性や感覚や表現を切り捨てることによって成り立つんだなって話をしていました。
昔はこのシーンはこういうシーンでこの役の動機はこうでとまずは演じる前に芝居を言語化させることが正しいと思っていました。
なんだったら解釈・理解(言語化)せずして芝居をするのは不誠実だとすら思っていました。まさに精神論。

でもBreaking the back(台本の背骨を折る)テクニックを実践していくことで必ずしも頭で理解し言語化することが全てではないなと気づき始めてきた。
演じた後のフィードバックで解釈して言語化していくのは大事だけど実際アクティング中に起きていることは言葉にならない様な感情の積み重ねによって"交流"し繋がっていたりしていることが多々ある。
言語化というのは単純化でもあると思うけど人間の身体というのは繊細で複雑なもので言葉だけで言い表すのは難しいと思う。
言語化によってそうした繊細なやり取りを切り捨てるのは惜しい様な気がするし何より芝居を観て解釈するのは観客の仕事なのだとも思う。
俳優が自分自身を単純化させていくのは可能性を狭めることでもあると思う。

観客にどう見えるかよりも観客がどう感じるかという風に委ねた方が色んな意見が生まれて有意義な様な気がする。それの方がアートらしい気がする。

演技を安易に言語化することで分かりやすい方向に行かない。そんなことを話しながら感じました。

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