Breaking the back WS第2回目 2023/8/20

Breaking the back WS2回目開催しました。
テーマは岸田國士『恋愛恐怖病』、『紙風船』、別役実『消えなさいローラ』でした。
正直ひたすらリピテションを基本としたテキストの読み合わせをし続けて疲れました。

先日参加した『るつぼ』読み合わせでBreaking the backみたいな写実的な演技アプローチは役と自分の距離感が近ければ成立するけと遠ければ役との距離に混乱するというのを発見して出来るだけ距離が近そうな役柄をチョイスしてみました。

読み合わせを進めていくうちに男女が必ず喧嘩や不仲な方向へと進んでテキストに描かれた方向性と著しく離れていってしまうことがあった。

俳優二人でフィードバックしていく中でBreaking the backとタイプキャスティングとの相性という話になってやっぱり俳優というのは演じられる幅には限界があるのかなって思いました。少なくともこのアプローチではそうなのかも知れない。

あと考えられるのは俳優自身の演技の方向性の癖というのもあるかも知れないと感じた。
所謂「心理的な癖」というものでネガティブに物事を考えやすいといったのもこうした「心理的な癖」に当てはまると思う。

例えばジェームズ・ディーンという俳優は泣き虫の役柄のイメージがあるけど実際彼は泣いてばかりいた。
撮影中も撮影外も常に泣いてばかりいた。
「ジミーの泣き待ち」というのまであって現場は本当に大変で扱いづらいと感じてたらしい。
なのでエリア・カザンは何とかして彼が出来る(それしか出来ない)芝居を切り取って演出することでようやく『エデンの東』を撮り終えた。
とにかく芝居の的を得ないで泣いてばかりいるジェームズ・ディーンに対してエリア・カザンは彼の俳優としての才能に見切りを付けていたのが実際の話。

そのエピソードをアクティングした後になんとなく思い出した。
自分も感情的になる演技についつい陥りがちなんだけどまず自分の演技の方向性の癖を見直すのは大事だと思った。
どんな役やシーンを演じても同じような方向に向かってしまうのはそれはなんぞ俳優自身に問題があるからだと思う。
そうした癖を見直すにはやっぱりニュートラルに相手を見て聞くことに集中することだと思う。
それは『自分(役)はこういう人間です』という表現と同じでリアリティの追求を阻害してしまうものだから。
癖も結局はこう見せたいというエゴなので手放すに限るなと思いました。
でもそうした「心理的な癖」は人生で培った長期的な癖なので克服するのも骨が折れるけどBreaking the backやリピテションはそうした心理的な癖の改善に役立つんじゃないかなって思う。
そうした「心理的な癖」っていうのは相手がいることで直すキッカケが得られると思うから。

また一つ学びを得たな。

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