見出し画像

MTG初心者の心の声

 まず、これは数多くいるであろうMTG(マジックザギャザリング)初心者のうちの一人としての心の声である。長年に渡り愛されているカードゲームだからこそ、古豪の方達にも「ほう、新入りの立場だとそういう視点もあるのか」くらいのノリで伝わると嬉しい。
 また、この先私がMTGを楽しんでいくにつれて、初心者時代でしか味わえない今のこの気持ちを忘れないようにするための備忘録としての意味もある。

ただ、【決して初心者代表を気取っている訳ではないこと】【個人特定を避けるためにある程度誇張した表現をしていること】を念頭に置いて読んでいただきたい。個人的に誰かを批判したい気持ちは一切ないのである。

 本題に入る前に、まず私の自己紹介を軽くしよう。
今年で社会人2年目となり、雀の涙程度の寸志を頂いた初年度とは違い、今年の夏の賞与はある程度は懐が暖かくなった。マッチから蝋燭くらいには火力が上がったのだ。そういった背景もあり、半年程前に何気なくインストールしたMTGアリーナの紙の世界にも自然と興味が湧いてきたのである。ただ、TCG(トレーディングカードゲーム)の経験は全く無く、カードショップに足を踏み入れたことすら無かった。また、近年のTCGブームでよく目にするカドショ空き巣事件や転売などのニュースから「TCGってなんか高そう…」という先入観を持っていた。なので、手始めにX(旧Twitter)で情報を集めるところから始めてみたのだ。
 すると如何だろうか。初心者にとっては課題となる壁がいくつも立ちはだかり、行き場のないこの気持ちをnoteに綴ることにしたのである。


1.そもそもデッキが組めない

 そもそもデッキの組み方が分からない。何を言っているのか分からない人もいるかと思うが、本当にデッキをどう組んでいけばいいのか分からないのだ。
 
 まず、カードプールが広すぎる。歴史あるカードゲームだからこそ莫大な量のカードがあり、勇気を振り絞って足を踏み入れれば最後、その太平洋のごとく広いデッキプールに溺れ目的地も分からないまま遭難してしまうのである。どのカードが強いのか、何と組み合わせれば良いのかが分からず、またデッキタイプも多く存在している為何を組みたいのかも分からなくなってくる。可能性が無限大にあると言われれば聞こえはいいが、あくまでも一人の初心者からすると果てしなく広い宇宙に放り出されているような感覚だ。どの惑星を目指したいか聞かれても、そこがどんな星で自分に合っているかどうかも分からないまま、果たして本当に目指したいのか自問自答を繰り返す日々が始まるのである。
 
 また、数多あるカードの中から好みの絵柄や効果を持つカードを発掘できたとしよう。次に立ちはだかるのはフォーマットの壁である。現在、紙のMTGには《スタンダード》《パイオニア》《モダン》《レガシー》《ヴィンテージ》《パウパー》《統率者》《ブロール》《双頭巨人》の9種類がある。
 前述した通り、私はMTGアリーナを遊んでいるが、アリーナにあるフォーマット《アルケミー》《ヒストリック》《エクスプローラー》は一体何処へ行ったんだ??同じカードゲームのはずだが、紙になった途端に今まで遊んでいたフォーマットは《スタンダード》以外見当たらない。それどころか、見たことも聞いたことも無いフォーマットばかりが目の前に並んでいるのだ。ウキウキで修学旅行の集合場所に行ったら担任の先生以外は知らない生徒ばかりで不安と絶望に駆られる時の心情だ。泣きそうだった。

 そうは言ってもスタンダードは一緒じゃないか。顔馴染みがいて心強いぞ。気を取り直してMTGアリーナで回していたスタンダードデッキを組んでみるかと思い、某MTG専門店のオンラインショップでデッキ一括購入を押すと新たなる壁が出現してきたのだ。

2.値段が高い

 構築デッキを組もうとすると、基本的にカードの値段が高い。例えば、スタンダードでよく目にする「黙示録、シェオルドレッド」は1枚6000円ほど、エクスプローラーで目にする「血管切り裂き魔」は4000円ほどする。もちろん、デッキを組むことが目的ならば安く組むこと自体は可能だろう。だが、私の場合は、やるからには勝ちたい気持ちが根源にあるのだ。高い=強いとは限らないし、強いデッキを作れたところで実力が伴わなければ勝てないことは理解しているつもりだ。だが、MTGアリーナで気に入った青黒ビートタウンデッキを紙でも作りたいと意気込んでいた私にとって、値段が高くて諦めざるを得ないという現実に直面し、早々に心が折れかけたのである。

 流石に蝋燭の温もりを完全に消すほどの勇気は無く、泣く泣くスタンダードのデッキ構築は諦めて、福沢諭吉を1体生贄に捧げ、パウパーデッキを作ることで何とか生き抜くことができた。

 さぁ、デッキが出来たのだからあとは対戦をするだけだ。これでようやくMTGプレイヤーデビューができるぞ!!!!

 ………あれ、どうやって対戦が始まるんだ???オレンジ色の【プレイ】ボタンも無ければ、ここは目と目が合えばバトルが始まる世界でもない。私の生きる世界では対戦をしたければ対戦相手のいる場所に行かなければならない。

 では一体全体誰にどこでどうやって渾身のデッキをお披露目すればいいのか??

 Xで質問すると、心優しい古豪達からは「カードショップに行ってフリープレイをしたらどうか」「カドショで開催している大会に参加しよう」などの有り難いご意見を頂いた。

3.カドショに行くことへの抵抗

 これはあくまでも人生で一度もカドショに行ったことのない初心者の一人としての気持ちだが、カードショップというものは中々に入りづらいのだ。

 毎週カドショに通っている常連からすれば、顔馴染みの店員や対戦したことのあるプレイヤーもおり、特に躊躇いもなく入店するだろう。だが、私からすれば初めてのシーシャバーに一人で入る時のような、なんとも勇気のいる行動なのだ。しかも、バーと違って店内に入っても案内してくれる人は居らず、比較対象も分からないままカードの値段を意味もなく見て店内をウロウロする未来が目に見えている。
 
 それでも入店しないことには始まらないため、最後の勇気を振り絞り、まず店内に1歩、足を踏み入れたとしよう。するとどうだろうか。
 
店内に響き渡るパチパチという何かが弾けたようなけたたましい音、そして何やら「ジャッジ!!!」と叫ぶ声に殺伐とした雰囲気。 

 家で寝転がりながら土地を置くゲームと同様だとは思えない世界が目の前に広がっているのだ。もちろん常にその雰囲気でないことは理解している。しかし、初めて車の運転をした時に、ノロノロ走る自分を颯爽と追い越していく軽トラがまるでF1ドライバーに見えるように、カドショにいる人達は自分以外全員がプロプレイヤーのような錯覚に陥るのである。そんな心境の中で、こちらから「フリプしませんか」などと声をかける勇気までは持ち合わせていないのだ。だからといって、大会に参加するとなれば、「本当にこのデッキで参加してもいいのか(フォーマットが合っているか、禁止カードが入ってないか)」「ちゃんとルールや効果を覚えきれているだろうか…」「相手に迷惑をかけたらどうしよう」と不安に駆られることになる。

4.じゃあどうしてほしいのか?

 じゃあお前は一体どうしてほしいんだ??と当然疑問に思うだろう。結論から言うと、実際にカドショに行ってデッキを借りれるような友人が欲しいのである。なんならカード購入する時も見守られたいしデッキも一緒に組めたら最高に心強い。

 
だがしかし、いきなりそんな素晴らしい友人に出逢うことは滅多に起こらないだろう。そんな奇跡が起きたら私は泣いて喜ぶ自信しかない。そのため、まずはXやMTGアリーナのdiscord鯖で気の合う友人を作ったり、少しずつカードの知識を増やしていき、好きなカードやデッキを見つけていくといった事前準備が必要だと感じた。それらの手順を踏んだ上でようやく【リモートやカドショでフリプをしてもらう】、【新段のプレリリースや体験会に参加をする】ことが可能になってくるのだ。「なんて面倒くさい奴なんだ…」と思うかもしれないが、あくまでも私個人としてはその流れが1番自分に合っていると感じたので、一つのやり方として共有しておきたい。 

 有り難いことに、片手に収まる程度ではあるが私にも果てしない宇宙を共に旅してくれる友人が出来た。
あえて欲を言うのであれば、新段も来ることだし、こんな面倒くさい初心者でも過ごしやすいdiscord鯖からのお誘いがあれば嬉しく思う。今では、あれほど緊張していたカドショにも難なく入店できており、先日はブルームバロウのプレリリースも楽しむことができた。構築デッキの大会もタイミングが合えば参加してみたいと前向きな気持ちにもなっている。もしこのnoteを読んでいる人がMTGに興味を持っているならば、少しでもその背中を押すことができれば幸いだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?