デマはいかんよ!愛知リコール運動チラシを添削してみた 2020/10/1版

リコールの署名集めのためポスティングや街頭での配布などされているようですが、チラシの新種が登場しました!

相変わらずデマ要素満載ですので、黙って見ていられない私は、チラシに反訴しようと思い記事にしました。チラシを受け取ったけど、何これ本当?って思っている方に読んでいただきたいです。

あいちトリエンナーレにおいては知事は、あくまで行政の立場で、法の基準を守る言動を貫いています。

署名活動は正しい情報をもとに正々堂々と行っていただきたいものですね。大村知事もリコールについて「事実に基づいた対応を」と言っていますよ。

10月1日に新作を発表

画像アップ

画像1

(リコールの会 チラシを引用)

高須先生が、画像を指して喜んでいるように見えるとの指摘もチラホラ........(*´ω`*)

添削してみました

①日本の象徴である昭和天皇の肖像をバーナーで燃やし、最後は足で踏みつける動画展示

全20分程度の展示動画の中に、「天皇の雑誌の切り抜きをコラージュした版画作品」が燃えている場面が含まれています。

過去に富山県近代美術館においてこの版画作品は右翼団体に燃やせと抗議され、実際図録が燃やされました。展示動画ではこの事件を元に作品を実際燃やしており、また、従軍看護師が登場するなど、作品を燃やす行為を戦争の記憶の昇華としてストーリーとしています。

作品を燃やすのが主目的ではなく、作者に反天皇・日本侮辱の意図はありません。

作品詳細は>>コチラ

②日本軍人を愚弄し侮辱する「間抜けな日本人の墓」と称する展示物

日本人は死んだらアメリカに行くという、対米従属を続ける日本を皮肉った作品であり、日本兵は関係ありません。作品の正式名は「時代の肖像-絶滅危惧種 idiot JAPANICA 円墳」です。

作品詳細は>>コチラ

③公共の福祉を無視

「公共の福祉」とは日本国憲法に出てくる概念で、人権と人権が衝突した場合に調整をはかる考えです。否が応でも見なければいけない場所に展示があったならまだしも、展示会という限られたスペースに置いてあるものに対して、「公共の福祉」を持ち出し他者の人権を侵害したとするのは無理があります。

④反社会的展示

反社会的と言われるほど違法な展示ならば展示は実現しません。

⑤公金10億円を使って開催を強行

問題とされた「表現の不自由展」にかかった経費は約3,000万円であり、100を超す企画のあったあいちトリエンナーレ2019全体で10億円の支出です。

【3,000万円の内訳】
-「表現の不自由展」展示費用  約  420万円(県・津田氏証言通り)
-追加警備・国際フォーラム追加 約1,800万円(県議会委員会答弁)
-検証委員会費用        約  700万円(県に確認)

また「開催を強行した」とありますが、知事は法的には行政として展示の場を提供する立場であり、立場上作品に判断を加えていません。作品を審査して展示許可をしたわけでもなく、作品を審査して公金支出をしたわけでもありません
したがって、「知事が作品を認めて展示を許可した」「知事が芸術と称して展示した」「知事が作品を芸術と認めた」「知事が天皇写真を燃やした」「知事が天皇写真を燃やさせた」といった類の情報は、すべてデマとなります。

⑥県や名古屋市には企画内容が隠されたまま申請

これは1)展示申請と2)公金支出申請に分けられると思います。

1)展示申請:平成30年秋に「あいちトリエンナーレ2019」として会場を確保し許可を得ています。このころ作品はほとんど決まっていませんので、作品を審査し許可を得たわけではありません。

2)公金支出申請:申請時に作品内容を審査し承認を得るようにはなっていません。企画概要程度で審査するので、企画内容(展示内容)を隠しようがありません。

なおあいちトリエンナーレ2019では、多数決により芸術監督を選任し、芸術監督やスタッフが作品を選ぶようになっていました。その選んだものに対し「公権力による表現(作品)への介入をしない」という憲法の原則を守ったのが知事です。

(10月20日追記)河村市長は、「(自分に対して)展示内容を隠された」と主張しています。7月の準備段階で県から市に渡された展示一覧のリストに、天皇作品が明確に書かれていないことで、作品を隠したと主張しているようです。もともと市長が展示リストをチェックする決まりなどなく、トリエンナーレの他の作品はチェックしていないのですが、なぜかこのリストをもって天皇作品を隠したことになっています。同じリストには「平和の少女像」もあったのに、その時点ではそれには意見しなかったことになりますね。なのになぜ展示が始まってから異議を述べたのか、不可解ですね。

⑦公金詐取

企画内容(展示内容)を隠していないので、公金詐取しようがありません。また、河村市長が言っている「隠した」という点については、県から市に展示の準備段階で渡されたリストに作品の記載がなかったことを指しているようです。このリストは、公金支出が決まってずっと後の7月に作成されており、公金支出とは関係ありません。
また公金詐取が本当なら今頃刑事事件として立件されていないとおかしいです。公務員には告発義務があり、犯罪があるなら告発をしなければなりませんが、1年経とうとするいまだにこの件の告発はありません。

添削してみて

短文の中によくもこれだけ詰め込めたなぁというくらい「これはひどい!」チラシです。リコールに賛同する方へのインパクトを狙ったものだと思いますが、、署名する前に一度立ち止まって考えていただきたいものです。

法を守る立場をとった知事がリコールされるなんて、おかしいです。まともなことをやる人が守られる社会であってほしいと願います。