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マチネの終わりに

小説について書きます

主人公はクラシックギタリストの蒔野38歳、ヒロインはジャーナリストの洋子、40歳。壮年の恋愛小説。

社会派の小説

この小説の良いところは、視点の動きがダイナミックであることだと思う。

蒔野や洋子を取り巻く人間関係

それぞれが所属する会社、レーベルなどのコミュニティ

戦争


このみっつがブレずに画角が動いていて想像しやすかった。感じたテーマは自己の超越だと思った。社会的に確立した自分の立場と本当はこうしたいという本能の葛藤が上質に描かれていた。音楽や詩の記述も多く、読み手の知識欲も満足できる1冊。

人に想いを告げることのシンプルさと大切さ。そこから生まれる難しさと、それでしか得られない乗り越えが気持ちよかった。


平野啓一郎「マチネの終わりに」(毎日新聞出版)を読んで


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