第一回GNOTHI鍼灸勉強会振り返り
先日、GNOTHI Acupuncture Body Care(グノーティ鍼灸ボディケア)主催の1回目の鍼灸勉強会を行いました。
募集人数の上限8名での開催で、3時間の予定が盛り上がったのもあり、最終的に5時間ほどお話をしていました。私自身も学びが多く、開催して良かったなと思っています。
どんな感じだったのか振り返りをして行こうと思います。
勉強会の形式
私を中心に参加者が治療を見せながら考え方を共有し、それを実践するのを見るという形でやっています。一方向に教えるのではなく、お互いに意見を出し合い、鍼灸治療をより良いものとすることを目的としています。
普段の自分の治療を言語化することで、新たな気づきを得ることもあり、学ぶ側だけでなく、教える側にもメリットがある形です。事前に資料やトーク内容を作り込むのではなく、その場で即興でやっていくライブトーク形式でやっていきました。
今回の勉強会のテーマ
私が今回やりたかったことは、コミュニティ鍼灸の治療スタイルの確立でした。コミュニティ鍼灸はアメリカでやられている治療スタイルで、リクライニングチェアを複数並べて複数人同時に鍼灸治療をするスタイルです。
メリットとしては、1対1の鍼灸治療よりも気軽に受けることができ、施術者側も複数同時に治療することで時間単価が上がるため、1人あたりの治療費を抑えることができます。アメリカでは1回の鍼灸治療費が80ドルから100ドル(※エリアによって変わる)のところが多いですが、コミュニティ鍼灸形式だと1回40ドルくらいのところも多いです。
デメリットとしては、鍼や灸をできる部位が限られていることと、腹診がしにくく、背中側は触れないという点です。ですので、すべての疾患に対応できるわけではありません。
私が見たホームページでコミュニティ鍼灸をやっているところは、不眠などの睡眠障害をターゲットとして治療していました。特定の症状にしぼる、もしくはリラクゼーションとしてコミュニティ鍼灸を提供していくのが良いだろうと考えています。
では、実際にコミュニティ鍼灸をやるのであれば、どのような流れでどう治療をしたら良いのか?という点を試してみるというのが今回の私のテーマでした。
コミュニティ鍼灸の可能性
勉強会が始まって最初に行ったのは、コミュニティ鍼灸の説明と、治療時に私が何を考えてどこに鍼を打っていくのかの説明でした。
リラックスを目的とした治療をすることを念頭におき、簡単な問診をした後、首の固さを触診で見て、脈診をしてツボの選穴をしました。
リラックスしてもらうことを最優先とするため、玄米の入ったアイピローを用意し、刺鍼の直前に目の上にアイピローを乗せて治療開始としました。
私は、額と両前腕、両足の5か所に鍼を打ち、15分~20分の置鍼としました。最初の問診から抜鍼をするまでの時間は約25分です。治療を受けた方からは、首肩が楽になった、呼吸がしやすくなったとの感想を頂きました。
私のデモが終わった後は、皆で実践タイム。4つのリクライニングチェアでペアに分かれてそれぞれのやり方で鍼治療を実施。30分くらいで区切りとし、その後、何を診てどう考えて治療をしたのか施術者に聞き、実際どうだったか受けた人に感想を聞くという形で、それぞれのペアに発表をしてもらいました。
参加者の皆さんは、てい鍼を使ったり、陰陽太極鍼のやり方を使ったりと、4人とも違ったやり方で鍼治療をしており、鍼灸師によって治療法が変わるなということを改めて感じました。
今回は1対1で治療をする形としたので、皆さん刺鍼までに10分から15分ほど時間をかけていた印象でした。これを実際に1人で4人から8人ほどリクライニングチェアに座らせて治療するとなると、1人あたりにかけられる問診含めて鍼を刺し終わるまで時間はおそらく5分ほどかと思います。
5分で刺して、30-40分寝かせる。最初の人が始まってから最後の人が終わるまで60分で組み立てるのが実践に即したスタイルになるのではないかなと思います。その場合、事前に問診表を書いてもらっておくのは必須で、触診は確認がてら選穴の指標として事前に決めたところを触るとし、ある程度決まった形式でやるのが良いのかなと考えています。
気軽に友達や家族と一緒に受けれるスタイルであることを考えると、このスタイルの鍼灸治療はプロモーションの仕方次第ではありますが、流行る可能性もあると思います。まずはイベントなどで出店する時にやってみるのが良いんじゃないかなと個人的には考えています。今年のどこかで一度イベントに出店してやってみたいなと思っています。
てい鍼と邪気と体の反応と。
コミュニティ鍼灸をやった後は、私が興味を持っていたてい鍼の使い方や考え方をシェアしてもらいました。
てい鍼は、以前からずっと興味をもっていたのですが、なかなか学ぶ機会を作れずにいて、今回はとても勉強になりました。
身体の触り方として、仰臥位で腹部を触った時に、軽く触って指が止まる感覚のあるところに邪気がたまっていると捉え、それをてい鍼で払う方法を教えてもらいました。
てい鍼で1回ポンと叩いて陽の邪気を浮かせ、2回ポンと叩いて陰の邪気を浮かせ、最後にてい鍼で皮膚表面を経絡を切るように左右に振って邪気を払う。陰陽てい鍼(陰のてい鍼と陽のてい鍼2本1組のてい鍼)をお腹に置くと、身体に合っている方だと、股関節の開きの左右差が揃う。こうしてまずてい鍼で身体を整えてから鍼灸治療に入ると。
私は普段はてい鍼ではなく、豪鍼の刺鍼でこういった反応を取っていたのですが、鍼をささなくてもてい鍼で触れるだけで身体が整うということを目の前で見れて良い学びとなりました。
ゆくゆくは、私もてい鍼を治療に取り入れられるようにしたいなと。今後の目標の1つです。
勉強後の交流会
今回の勉強会は、名古屋市中村区にあるレストランの「シェフ・アムール」の1室をお借りしました。勉強会は3時間で、その後食事会兼交流会を行いました。
お店の美味しいご飯を食べながら、参加者同士で交流を深めました。今回の参加者は、学生さん3人、鍼灸師さん5人でした。豪華客船鍼灸師が私含めて2
人いたので、交流会時はクルーズ客船での話をすることも多かったです。
話が盛り上がり、1時間の予定だったのが2時間も話をする形となりました。勉強会の後にこうした時間が取れるといいなぁと改めて思いました。交流会の中での詳しい話は参加者だけの秘密ということで。
アンケート結果
交流会参加者の方にアンケートに答えてもらいました。
内容について、
とても満足71.4%、満足28.6%
参加者のお声
次回以降の勉強会に期待する内容やテーマ
今後の予定
初回の開催となりましたが、良い形で終われたのではないかなと思います。個人的にはもっと深めて行きたい鍼灸治療があり、話の引き出しも多い方ではあるので、参加者の皆さんにどんどん引き出してもらい、私自身も参加者の皆さんの持っているものを引き出して、お互い磨いていけたらなと思っています。
このような形で毎回勉強会の振り返りをしていこうと思います。
次回開催日は、6月8日の予定ですが、こちらはすでに満席となっています。次回のテーマは、「人体の見方。鍼灸治療を始める前に確認したいこと。」西洋医学的観点と東洋医学的観点の双方から私がどう人の身体を診ているのかお話し、参加者の皆さんがどう診ているのかを深掘りしていこうと思っています。
鍼灸師さんも鍼灸学生さんも医師の皆さんも大歓迎です。
初心者だからこその感性があると思っているので、学生さんには気軽に参加してもらって率直な意見を聞きたいなと考えています。
今後のテーマについてはアンケート結果を参考にして、参加者の方が聞きたいと思っている内容を取り入れて行こうと思っています。
この勉強会は1年間を目途に、月1で勉強会を開催していくことを考えています。日曜日と土曜日で交互に開催していく予定です。おそらく第3、もしくは第4週に開催となるんじゃないかなと。
上限8人という人数設定はしばらくそのままにする予定ですので、
参加者募集後すぐに満席になってしまうかもしれません。
Xを中心にSNSでまた参加者募集をしていきますので、興味がある方は続報をお待ちください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?