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【構築記事】機焔万丈!マーズバレット式ララミツロイヤル【シャドバエボルヴ】

こんにちは、MITOみとです。
第6弾ブースターパック「絶対なる覇者」の発売から1ヶ月が経過しました。皆さんはどのようなデッキで遊んでいますか?
今季は様々なデッキが頭角を現し、それぞれが思い思いの最強デッキを使っているのではないでしょうか。筆者は大阪GPで≪妖精エルフ≫が優勝したのが記憶に新しいですね…

さて、今回は先日行われたリモート非公式大会「りもえぼCL シーズン7」本戦において筆者が使用し優勝した、≪マーズバレット式ララミツロイヤル≫(以下、マーズバレットと略称)について構築解説とプレイング解説をしたいと思います。

ありがたいことに、筆者が戦った本戦5試合中の4試合は配信卓として動画に残していただけたため、今回はプレイング指針も含めた詳細な解説ができそうです。これでもう専用構築とは言わせない

各項目がそれなりに長くなるため、

  • 構築の経緯をバックストーリーから読みたい方→構築動機から

  • 検討したデッキリストをさっさと確認したい方→デッキリストから

  • 採用理由をじっくり吟味したい方→採用カード解説から

  • りもえぼ本戦のプレイング指針・裏話→プレイング解説から

お好みの読み方をしていただければと思います。それでは本編をどうぞ

機焔万丈
本来は「気炎万丈」という四字熟語で、「意気盛んなさま」を示します。
今回のデッキは≪静かなる炎将・マーズ≫と≪音速の機構・ララミア≫をコンセプトとしたデッキであるため、あえて「機」を充ててみました。完全に自己満のネーミングです(笑)
(ついでにカゲミツの無骨っぽい印象もあって好きです)

気炎万丈(きえんばんじょう)とは? 意味・使い方 - 四字熟語一覧

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構築動機

各クラスの変化

まずは、「絶対なる覇者」の実装によって各クラスにどのようなデッキが生まれたかおさらいしてみましょう。

エルフは環境序盤に≪不殺の絶傑・エズディア≫や≪キングエレファント≫などの大型火力を駆使する≪狩人エルフ≫が本領を発揮しました。前環境の≪狩人エルフ≫が如何にパーツ不足であったかを証明する結果と言えるでしょう。
また、≪フェアリーブレーダー・アマツ≫や≪ブレスフェアリーダンサー≫などで強化した≪フェアリー≫を主軸として戦う、≪妖精エルフ≫が大阪GPを制したのは皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。

ウィッチは≪陰陽の開祖・クオン≫を新たなフィニッシャーとした≪超越ウィッチ≫が環境に舞い戻ってきました。盤面除去とデッキ回転を両立する陰陽師パッケージはジャンプターンまでの生存率を高めるだけでなく、自分から攻める超越という新たな可能性を示しています。また、関東圏のCSで結果を残した≪闇魔法の教師・ハインライン≫を採用した速度特化型も注目のデッキです。

ドラゴンは≪覇道の竜人・ガリュウ≫を軸としたデッキこそ奮いませんでしたが、10人中10人がパワーカードと答える≪銀氷のドラゴニュート・フィルレイン≫と≪銀氷の吐息≫の収録によって≪侮蔑ドラゴン≫の人気が再び急上昇しました。もともとクラス自体が人気であるため、実績以上に環境に存在しているように思います。

ナイトメアの≪大妖狐・ギンセツ≫は単体完結パワーカードの権化で、このカードだけでゲームの行方を決定づける一枚です。前環境から存在していたナイトメアデッキの多くがリーサルウェポンを≪大妖狐・ギンセツ≫に差し替えているように思えます。
また、大阪GPの結果を踏まえて≪真紅ナイトメア≫の需要も上がっています。≪ウールヴヘジン・アラガヴィ≫をはじめとした、【真紅】条件付きカードのパワーで一気に畳みかけるアグレッシブなデッキです。

ビショップの新たなカードである≪アーツマスター・カルラ≫を中心としたPP余剰パッケージは、≪陽光イージスビショップ≫や≪マーウィン(安息)ビショップ≫のデッキ柔軟性を広げたように思えます。
しかしながら、ビショップは既存デッキタイプの≪童話ビショップ≫がいまだにトップシェアであることは間違いないでしょう。現環境はゲームの高速化が進み、コントロール系デッキにとって向かい風であることも≪童話ビショップ≫の人気に拍車をかけているように思えます。


一方そのころロイヤルは…

さて、本題のロイヤルですが…なんというかお粗末です
前環境初期でトップシェアの一角を担った≪簒奪ロイヤル≫のパッケージはサポート系カードの追加にとどまり、前環境終期に武装蜂起した≪マグナレガシーロイヤル≫は≪超越ウィッチ≫の復権による環境の高速化でスクラップと化しました。やっぱりおもちゃだったじゃないか
他のクラスを見てもわかるように、シャドバエボルヴで環境に影響を与えるカードはGR・LGに収録されることが多いのですが、今回ロイヤルに追加されたGR・LGは以下のとおりです。

なんかこう…パッとしないよね…

≪無敗の剣聖・カゲミツ≫は進化回数に応じた強化を受け、マナレシオ(※)を無視した性能を手に入れる強カードと言えます。≪音速の機構・ララミア≫は条件付きではありますが進化コストを軽減でき、最小2/4/3【疾走】というこちらも2コストとは思えない強力なダメージ源となるように思えます。
両LGとも非常に強力なテキストなのですが、ひとつ大きな欠陥を抱えています。それはどちらも低コストのカードであるということです。

※マナレシオ
TCG用語のひとつで、マナ(PP)に対するクリーチャー(フォロワー)の数値基準のようなものです。様々な定義がありますが、攻撃力と体力の平均値を必要マナ数で割って数値化するなどの手段があります。
シャドバエボルヴでは、ゴブリンやヴァンガード・レイサムなどの能力を持たないカードを基準としてマナレシオを検討することが多いように思えます。

シャドバエボルヴというTCGはかなり硬派なカードゲームで、「コストの小さいカードよりもコストの大きいカードの方が強力」という一般論を(≪ウマ娘≫などの例外を除き)忠実に守っています。筆者の経験則も含まれますが、多くのクラスにおいて「切り札」と言えるようなカードは進化コストを含め6PP以上に集約されているように思えます。

例えば、「ドラゴンの代表的な切り札は?」という質問に≪ダークドラグーン・フォルテ≫や≪ジェネシスドラゴン≫、≪オグリキャップ≫と答える人はいても、≪海剣竜≫と答える人は竜ケ崎ヒイロ君くらいでしょう。

話をロイヤルに戻すと、≪無敗の剣聖・カゲミツ≫はどこまで強くなっても単体で相手の体力を瞬間的に削ることはできず、逆に≪音速の機構・ララミア≫は瞬間的に4点の打点を生み出すことができても、それはゲームを一撃で終わらせる決定打にはなりません。結局のところ、それぞれ1コスト・2コスト相当のはたらきしかできないのです。

では、6PP以上のカードに注目してみれば、それはゲームを決定づける切り札になりうるのではないでしょうか。おあつらえ向きにGRのカードは6PP以上のカードになっているので見てみましょう。

ペインレスサムライも一応6PP以上運用できるので…

≪古の英雄≫は驚異的なスタッツと【オーラ】という強キーワード、そして≪ヘヴンリーイージス≫を彷彿とさせる破壊耐性を持っており、フィニッシャーとして申し分ない性能を見せています。しかし、≪超越ウィッチ≫の最速着地が7ターン目である現環境では残念ながら日の目を見ることはなさそうです。
≪貴族の舞踏≫は6PPで最大7PP分のフォロワーを踏み倒して展開することができ、3コスト以下の【疾走】を多く擁するロイヤルと非常に相性の良い切り札と言えるでしょう。現状のカードプールにおけるこのカード単体の最大打点は、条件を満たした≪簒奪の信者≫×2+≪クイックブレーダー≫の11点といったところでしょうか。まあ、そんな出目が出たらの話ですが…
デッキトップ5枚にどれだけ【疾走】フォロワーが埋まっているかは構築に依存しますが、基本的に【疾走】を持つフォロワーは基準マナレシオよりも低いスタッツを持っているため、入れれば入れるほどデッキ全体の強度を下げることにつながります。筆者個人の感覚ですが、あまりにも【疾走】フォロワーを多く採用すると、≪童話ビショップ≫よりもよっぽど安定性を欠いた構築になると思えます。

前置きが長くなりましたが、「絶対なる覇者」におけるロイヤルのカード評価はこの一言にまとめられます。

こんなのでどうやって勝てというんですかね…!?

ここまで中途半端になっている背景に、「絶対なる覇者」のベースとなったアプリ版第15弾カードパック「アルティメットコロシアム」の収録内容があります。「アルティメットコロシアム」は「プリンセスコネクト!ReDive」のコラボパックを兼ねており、進化回数に依存した特別なキーワード能力【ユニオンバーストUB】が実装されたパックでもありました。
このUBも含め、当時のアプリ版は進化回数に依存するカードや自動進化を多数採用した≪進化ロイヤル≫がトップTierを誇っていたのですが、エボルヴへ実装されるにあたり、多くの採用カードが自動進化をはく奪されました(ペインレスサムライ、カゲミツ、デュアルブレイダー、貴族の舞踏など)。システム上エボルヴフォロワーを採用できないため仕方ないのですが、当時のデッキが好きだった筆者としては少し残念に思います。


新たなデッキタイプ≪マーズバレット≫

既存のデッキタイプでロイヤルが生きる道はヒーロー基盤の≪アグロロイヤル≫に≪貴族の舞踏≫を追加したものが最も可能性がありそうです。
しかしながら、ヒーロー基盤のロイヤルは序盤の打点をカットされるとリーサルが非常に取りづらいという構築的欠陥を抱えています。また、今季はどうしても≪真紅ナイトメア≫の下位互換になっている印象が否めなかったため、筆者は新しいデッキタイプの開拓に挑みました。
その結果生まれたのが、≪静かなる炎将・マーズ≫をゲームプランの主軸に組み込んだ≪マーズバレット≫です。

0コスト進化、任意コスト消費という特異性のあるフォロワー

ロイヤルフォロワーの大半は兵士か指揮官に分類されるのですが、今まで兵士タイプを参照するこのカードはあまり注目されていませんでした。理由として有力な兵士が少なかったことがあります。≪静かなる炎将・マーズ≫と相性の良い兵士フォロワーは「非進化かつ低コスト」というそれなりに難しい縛りがあり、条件に当てはまる兵士は≪クイックブレーダー≫や≪ノーヴィストルーパー≫といった【疾走】フォロワーに限定されていたため、実用性のある構築に組み込めずにいました。
しかし、今回収録されたGR・LGフォロワー(に限らず、今弾のめぼしいフォロワーすべて)は兵士タイプのフォロワーです。特に、≪無敗の剣聖・カゲミツ≫は【突進】を持っているため、展開後即座に盤面干渉できるという点で非常に強力なシナジーがあります。≪静かなる炎将・マーズ≫のカードバリューを一段階上げてくれた立役者と言えるでしょう。
このシナジーに可能性を感じた筆者は、≪無敗の剣聖・カゲミツ≫をはじめとしたさまざまな兵士フォロワーを状況に応じて使い分ける「銀弾戦術シルバーバレット」をメインコンセプトに据え構築の検討を繰り返し、結果としてりもえぼ本戦を勝ち抜くことができました。

銀弾戦術(シルバーバレット)
シルバーバレット(Silver Bullet)は、米英語で効果的な方法や解決策を意味する比喩表現。伝承や信仰で、銀の銃弾が狼男悪魔に有効であると言われたことから使われるようになった言葉である。

マジックにおいては、特定の状況で強力なカード(ある色への対策カード等)、あるいはそれを組み込んだデッキ構築や戦法を指し、俗にシルバーバレット戦略とも呼ばれる。この戦略がメインデッキで用いられる場合、強力ではあるが想定された状況以外では引きたくないカードをデッキ内に抱えてしまうため、採用する枚数を1~2枚に抑えた上でサーチカード等と組み合わせて使われることが多い。こうしたデッキは状況に応じて必要な道具を取り出すことから、ツールボックス/Toolbox(道具箱)とも呼ばれる。

エボルヴにおいては、≪マーリン≫のスペルサーチや≪星導の天球儀≫によるアミュレットサーチを用いた運用が代表的。

引用:シルバーバレット - MTG Wiki



デッキリスト

デッキの変遷を簡潔にリストのみでご紹介します。構築の基本思想は環境初日からありましたが、本筋が固まったのは6月下旬くらいだと思います。
デッキをチューンナップする方々の助けになればと思います。(多くはないと思いますが)

環境初日ver.0

初期構想
横展開を重視して≪逆境への対処≫を入れていました

6/18千葉CS

縦除去が少なく感じたため、≪剣豪≫と≪アレキサンダー≫を投入
重めの指揮官が多かったため、≪熱狂の機兵士≫を潤滑油として利用

りもえぼレーティング期間中のメインデッキ

盤面トレードに重点を置いた構築
りもえぼで使っていましたが、自身の扱う超越に勝てないためお蔵入り

7/8嵐山CS

≪星の鎧ペインレス≫に主軸を置いたデッキ
超越対面に圧倒的勝率を誇りますが、盤面デッキに勝たなくなりました

大阪GP

嵐山CSを踏まえて、不要なバレットプランを排除
≪マーズバレット≫の中で最も一般化されたリスト

りもえぼ本戦(公開制仕様)

公開制であることを最大限に利用したバレットチューン
相手に見えない精神負荷をかけることを意識

本記事ではりもえぼ本戦で用いた公開制仕様のデッキリストを中心に解説します。



採用カード解説

1コスト

クイックブレーダー<1-0>

手引きしたくないバレットパーツ第2位

兵士バレットパーツの一枚。【疾走】による瞬間打点が強みですが、その代償としてとても貧弱なスタッツです。1/1/1はどのような状態でも相手の有利交換を許してしまうため、基本的に単体で出すことはありません。
≪静かなる炎将・マーズ≫の呼び出しによる即時疾走が基本運用となります。手札に来てしまった場合は≪疾風怒濤≫や≪音速の機構・ララミア≫と組み合わせて使うと比較的アドバンテージを得やすいです。

引き込みたくないバレットパーツなので1枚採用。

剣豪<2>

ロイヤルの盤面処理を支えてきたいぶし銀

兵士バレットパーツの一枚。スタンド状態のフォロワーへの対応が苦手なロイヤルを支えてきたカードです。直近の環境では1点除去が流行していたため採用率が下がっていましたが、≪静かなる炎将・マーズ≫のサーチ先として非常に優秀であるため採用しました。
≪静かなる炎将・マーズ≫に呼び出されながらバフを受け、3/1というそれなりに無視のできないスタッツで場に残ることが強みです。

手札に引いても比較的腐りにくいカードで、デッキから呼び出したいときにいないと困ることがそれなりに多いため2枚採用。≪アドバンスブレーダー≫を除去運用するときにも重宝します。

ペルセウス<3>

ロイヤルゴブリン族の一角。横展開が多いこのデッキと相性がいい

1コストの初動カード。1/2/2の標準スタッツが安定した火力を生み出します。
比較対象として≪ニンジャエッグ≫、≪鉄壁のガードナー≫が挙げられますが、このデッキにおいては≪ペルセウス≫を優先採用するべきです。場のフォロワー数によるバフを有効に活用できることに加え、≪熱狂の機兵士≫サーチのコスト兼対象である指揮官タイプが他候補よりも有効に扱えるためです。詳しくはサーチバレットの項目で解説します。

初動カードなので3枚採用。

無敗の剣聖・カゲミツ<3>

令和のスーパー1コスト。X3以上から本領発揮

≪マーズバレット≫がデッキとして成立できるようにしてくれた立役者。進化回数に応じてバフと追加効果が付与されます。
進化1回で標準スタッツに【突進】とまずまずの性能になりますが、3回以上で付与される【指定攻撃】が非常に強力です。ロイヤルが苦手とするスタンドフォロワーに対して堂々と攻撃できるようになるため、生きた≪ブレイジングブレス≫のような挙動になります。生き物の≪ブレイジングブレス≫がどれだけ強力か、ドラゴン使いのプレイヤーだけでなくそれに苦しめられたプレイヤーにもわかりやすいのではないでしょうか。

サーチに非常に引っ掛かりやすく、≪爆砕の傭兵・フィーナ≫による5ルック、≪宝杖の司令官≫によるクラスサーチ、≪静かなる炎将・マーズ≫と≪アドバンスブレーダー≫の兵士サーチ&呼び出しに対応しています。本当にどこからでも出てくる様子はまるでG

当然ながら3枚採用。

メイドリーダー<3-1>

ロイヤルの安定性を支えるサーチパッケージ。カゲミツとの相性が良い

ロイヤルの安定性を担保する初動カードの一枚。環境の高速化によって不採用構築が増えていましたが、≪無敗の剣聖・カゲミツ≫の登場によって復権しました。最序盤から使えるエボルヴEフォロワーは非常に貴重で、このカードを序盤に使えるかどうかでデッキの出力が3割くらい変わる気がします。

Eフォロワーとしてはマイナーな3-1枚採用。筆者は前環境では2-1採用を好んで使用していましたが、今環境では≪音速の機構・ララミア≫の存在によって3-1枚採用が正当化されていると考えています。詳しくはララミアの項目にて。

疾風怒濤<2>

痒い所に手が届くつよ(わ)いカード

実はスタンダードデッキ限定収録の除去スペル。最近PRパックに収録されたので、欲しい人はそこから調達するといいかもしれません。
エボルヴEデッキの構造上採用しなければならなかった一枚です。脇道に逸れますが、Eデッキの内訳について話しながら解説していきます。

このデッキのEフォロワーは大きく以下の2種に分類できます。

  1. 盤面の複数除去ができる代わりに打点に直結しない

  2. 複数除去できないが、打点に直結したりリソースを回復できる

2の役割を持つカードをプレイした場合、Eフォロワー以外の部分で盤面処理を行わなければなりません。このEフォロワー以外の部分にあたるのが≪無敗の剣聖・カゲミツ≫ですが、残念ながら3枚しか採用できません。そのため、「進化せずに盤面除去を遂行してくれるカード」の追加採用が必要でした。

話を≪疾風怒濤≫に戻しましょう。
≪疾風怒濤≫は≪無敗の剣聖・カゲミツ≫で行うべき複数除去を代行してくれるカードの中で、デッキ全体とシナジーがあるカードと筆者は評価しました。後述する≪音速の機構・ララミア≫を強く使うための横展開に非常に強力なシナジーがあります。2の役割を持つ≪フローラルフェンサー≫との相性も抜群です。

あくまでサポートカードなので2枚採用。差し替え候補は≪エンジェルスナイプ≫がギリギリ許容点ですが、ロイヤルのクラス特性上スペルそのものにあまりシナジーがないため、ノイズになる可能性が高いです。


2コスト

ヴァンガード・レイサム<3>

良くも悪くも素直な性能

2/3/3の標準スタッツカード。テキスト効果はなく、標準スタッツそのものがこのカードの特殊効果と言ってもいいかもしれません。
今環境は2点除去がどのクラスでも豊富で、≪超越ウィッチ≫の≪エンジェルスナイプ≫や≪童話ビショップ≫の≪鋼刃の暗器使い≫が代表的です。それらの2点除去をうまくかわしながら盤面を形成できるこのカードは序盤にこそ輝きます。

序盤の初動カードであるため3枚採用。後半に来た場合は≪熱狂の機兵士≫のサーチコストとして運用することを検討します。

音速の機構・ララミア<3-2>

マーズバレットのメインリーサルウェポン
実は2/4/3の使い方はあまりやらない

このデッキにおける最大火力であり、≪マーズバレット≫におけるメインリーサルウェポンです。

一般的には≪音速の機構・ララミア≫は、2/4/3【疾走】という破格のアグロ性能とダメージパフォーマンスが魅力とされています。
しかし、試行を繰り返すうちに、このカードの真価はアグロ性能ではなく5/7/6【疾走】のミッドレンジ性能であると筆者は考えを改めました。

この5/7/6という数値は、

  • ≪音速の機構・ララミア≫本体+進化時追加コスト=5コスト

  • 進化コストを3軽減している=フォロワーが3体いるため+3/3

という内訳です。
フォロワーを場に3体並べるという状況は簡単に作れるものではありませんが、ちょっとした工夫で実行できるようになります。
そのために必要なことは次の2つです。

  1. 盤面の展開と保持を心掛ける

  2. 不利交換を行わない。できる限り有利交換をする

1は基本的なマナカーブに則って盤面を展開するといえばイメージしやすいでしょうか。また、≪フローラルフェンサー≫や≪静かなる炎将・マーズ≫をプレイすることで1枚のカードから複数のフォロワーを展開することが重要です。

2の条件にはこのデッキの難しさが集約されています。ロイヤルのクラス特性として、「盤面展開は得意だが、それらは小型であるため倒されやすい」という特性があります。せっかく展開した≪ナイト≫や≪スティールナイト≫も相手のEフォロワーに簡単に上踏みされてしまうと目も当てられません。目先の打点に囚われず、攻撃していいのかどうかをその場で判断することが重要です。攻撃タイミングについては、ありがたいことに動画が残っているため、詳しくは後述のプレイング解説で動画とともに解説します。

上述の戦い方を身に着ければ、盤面のフォロワーが1,2体残るシーンはそれなりに起こるようになっていきます。そうして残った盤面に加えて、≪音速の機構・ララミア≫と1コストフォロワーを併用することで起動条件を達成することができるようになります。デッキの構造上手札に1コストを抱えることは難しくないため、6~7ターン目の起動を目指しましょう。
最後に、ターンごとにどれだけのフォロワーが残っていれば強化を起動できるかを以下にまとめました。参考にしてみてください。
算数ができれば当たり前だったりします

  • 5ターン目・・・3面残りで起動

  • 6ターン目・・・2面残り+1コストフォロワーでフル起動

  • 7ターン目・・・1面残り+1コストフォロワー2体でフル起動

  • 8ターン目・・・盤面に関係なく起動。フル起動には1コストフォロワー3体が必要

ゲーム中に2回進化を使用することが多いため、3-2枚の最大採用。できる限り2回連打の分割リーサルを目指します。

逆に言うと、上記の盤面残りをしていなければ≪音速の機構・ララミア≫はただの2/4/3【疾走】としてしか使われません。
≪ミッドレンジロイヤル≫対面の盤面処理は、5ターン目には2面残しまで、6ターン目には1面まで、7ターン目からは残さない…、といった処理をするとよいでしょう。

爆砕の傭兵・フィーナ<2>

アグロデッキのスーパーニュートラル
モード選択が染みる

アグロデッキの定番となったニュートラルカード。
1コストフォロワーを破壊しながら2/3/2を着地させる行為は非常に強力で、このカードだけで1:2交換を成立させてくれます。また、破壊対象がいない場合でも山上5枚の中から1コストフォロワーをサーチする効果を選択でき、デッキの多くが1コストで構成されているアグロデッキにとっては実質的なキャントリップとして作用します。
このカードの存在がアグロデッキの解答であると同時に、アグロデッキの再現性を高めているのは興味深いように思えます。

このデッキでも序盤の1コスト除去としてはもちろん、中盤以降の1コストサーチとしても活躍できます。特に、≪無敗の剣聖・カゲミツ≫を拾うことができるのは非常に強力と言えるでしょう。

非の打ちどころが無いように見えるこのカードですが、今回は採用枚数を2枚に抑えています。
このデッキにおける2コストは非常に競合が多く、最も優先される行動は先攻1ターン目に置いた≪メイドリーダー≫の進化あるいは後攻2ターン目のEP進化です。次点で先攻なら≪ヴァンガード・レイサム≫になるでしょう。つまり、≪爆砕の傭兵・フィーナ≫はあくまで「第三の初動カード」であるため、2コストのマナカーブを整えるときに優先して削ることになりました。
また、2ターン目に使えなかった2コストフォロワー群をプレイするタイミングは思った以上にありません。先攻における各ターンの動きを見てみましょう。

  1.  1コストcフォロワー

  2.  2cフォロワー(メイドリーダー進化)

  3.  3cフォロワー(メイドリーダー進化)

  4.  3c進化サイクル

  5.  アドバンスブレーダーor3c進化サイクル+1c

  6.  3c進化サイクル+2cフォロワーor星の鎧

このデッキは≪無敗の剣聖・カゲミツ≫を強く使うために進化を多用します。したがって各ターンの最適行動は自然とEフォロワーが中心となり、ほとんどコストがあまらないのです。

以上のことから、このデッキの2コストは初動の安定性を確保できる必要最低限の枚数にするべきだと筆者は判断しました。その枚数がりもえぼで使用した2c10枚なのかは難しいですが、経験則的にこれくらいがちょうどいいと判断しています。

≪ヴァンガード・レイサム≫を優先している理由は2点です
・環境に2点除去内包フォロワーが多い(タマモクロス族)
・≪ヴァンガード・レイサム≫は使用タイミングを逃しても指揮官サーチのコストに変換できる

星の鎧<2>

つよ(わ)いカードその2
直近まで使い方を間違えていて嫌いなカードでした

任意フォロワーに【オーラ】を付与して強化するバフカード。収録当時は≪円卓の騎士・ガウェイン≫と併用する戦法が話題を集めたように思います。

現環境において【オーラ】というキーワードは非常に強力で、≪ダークドラグーン・フォルテ≫をスタンド状態で構える「縦フォルテ」が各方面で話題を呼んだのは記憶に新しいでしょう。
似たような状況を疑似的に再現できるのがこのカードになります。体力バフが多めなこともあって、フォロワーの生存能力を飛躍的に上昇させます。

しかしながらこのカード、よく見ると非常に貧弱です。最速で使う場合は2ターン目に1コストフォロワーに付与するのですが、そもそも1コストフォロワーが生き残ってターンが返ってこないこともそれなりに多い環境で、これが成立することも多くないでしょう。その場合、2ターン目の行動を丸ごと損失してしまいます。
運よく付与できたとしても、そのスタッツは3/4【オーラ】。ほとんどのデッキに搭載されている3コスト進化サイクルに上踏みされてしまうスタッツで、有効に攻撃できる場面は付与直後の2ターン目くらいしかありません。盤面展開が重要な≪マーズバレット≫において2ターン目のフォロワー展開を放棄してまでやりたいことか、というと渋い顔をせざるを得ないでしょう。

では、このカードはいつ使うのが有効なのか。
それは6ターン目の3コスト進化サイクルとの併用です。このデッキの3コスト進化サイクルは≪フローラルフェンサー≫を除いて、すべて盤面処理性能を持っています。この盤面処理性能でフォロワーをアクトせずに対応し、【オーラ】持ちフォロワーをスタンド置きします。
ここで思い出してほしいのは、≪音速の機構・ララミア≫の起動条件です。7ターン目に1面でもフォロワーが残っていれば、1コスト2体+≪音速の機構・ララミア≫で7/6【疾走】を作り出すことができるのです。
【オーラ】スタンドによって5点を確保しつつ、7ターン目に≪音速の機構・ララミア≫を起動して12点を一気に削るのがこのデッキの代表的なリーサルパターンになります。

一試合に1度使えればいいため、2枚採用としました。≪疾風怒濤≫と同様にスペルそのものがクラスシナジーから外れているため、枚数を抑えています。

ごくごく稀に≪ヴァンガード・レイサム≫が鎧に袖を通して黄金聖闘士ゴールドセイントとなって相手をタコ殴りします。
唯一配信卓にならなかった試合で起こりましたが、本当に動画に残らなくて良かったです…w


3コスト

静かなる炎将・マーズ<3-2>

代替カードが存在しないこのデッキのコンセプトカード
柔軟性の権化

≪マーズバレット≫のコンセプトカードです。このカードの採用背景については構築動機に書いたため省略します。

使用方法は4コストと6コストに分かれます。順に見ていきましょう。

4コスト運用

  • 剣豪
    序盤の最有力候補。
    ≪静かなる炎将・マーズ≫を処理札として運用するときに呼び出します。やっていることは≪烈火の魔弾≫と変わらないように見えますが、進化回数を稼いでいることが重要です。この進化を経由した除去によって後半の≪無敗の剣聖・カゲミツ≫のパワーが上昇していきます。

  • 無敗の剣聖・カゲミツ
    中盤以降の除去モード。
    複数除去を行いたいときに呼び出します。X=3以上の≪無敗の剣聖・カゲミツ≫は【指定攻撃】を持つため、大抵のフォロワーを処理することができます。このモードの存在によって≪無敗の剣聖・カゲミツ≫が実質6枚編成できているといえます。

  • クイックブレーダー
    有利状況でとるモード。
    こちらの盤面が有利で特にやることがない場合に追撃するモードです。呼び出される≪クイックブレーダー≫は2/1なので火力は高いですが、簡単に上踏みされてしまうので使い捨てと割り切りましょう。
    ごくまれに≪レオニダス≫条件下のバレットリーサルプランに組み込まれます。

6コスト運用

  • ノーヴィストルーパー
    主要なモード。≪静かなる炎将・マーズ≫を盤面処理に利用しながら、4点を刻んで分割リーサルを目指します。有利状況で行うことが多いです。
    ≪クイックブレーダー≫と異なり、4/3が上踏みされにくいです。
    ごくまれに≪レオニダス≫条件下のバレットリーサルプランに組み込まれます。

  • 熱狂の機兵士
    公開制を活かしたバレットモード。このカードの存在によって指揮官バレットのサーチルートが一種類増えます。
    ≪静かなる炎将・マーズ≫のサーチ種を指揮官に変換する役割を持ちます。サーチ先はもっぱら≪レオニダス≫ですが、状況に応じて≪旋風陣≫や≪ペルセウス≫をサーチします。≪旋風陣≫は相手の横展開をけん制したいとき、≪ペルセウス≫は7ターン目以降の≪音速の機構・ララミア≫と併用する1コスト要因が足りないときにサーチするとよいでしょう。
    呼び出された後のスタッツが非進化4/4で地味に取られにくいです。

無条件0コスト進化を持つ非常に珍しいカードで、ルール上の宣言は「0コストで進化」→「コストの支払いを宣言」→「デッキサーチ」となります。
コストの宣言をした時点で巻き戻しはできなくなるため注意しましょう。りもえぼの配信卓では分かりづらいですが、デッキを触る前に間が開いているのは宣言が入っているからです。
そして、コストの支払いは任意であるため、0コスト進化のみを選択することも可能です。滅多にやりませんが、先攻3ターン目に進化回数を稼いだり、序盤の安易なアクトフォロワーを上踏みするときに有効です。

デッキの中核をなすカードなので当然3-2枚の最大採用です。

他にもバレットの採用候補はあるのですが、今回は有効性が高い5つに絞りました。シルバーバレットの欠点として、「バレットパーツを入れるほどデッキ全体の強度が下がる」というものがあるためです。このバランスにはいまだに悩まされていますが、≪マーズバレット≫というデッキの奥深さであり可能性であると筆者は考えています。

熱狂の機兵士<1>

手引きしたくないバレットパーツ第3位

兵士バレットパーツの一枚。使用方法は≪静かなる炎将・マーズ≫の項で解説したとおりです。

先攻3ターン目に≪宝杖の司令官≫の代わりとして使うことがそこそこあります。≪宝杖の司令官≫と異なり、手札を増やすことができないため、サーチ先はもっぱら≪アドバンスブレーダー≫になるでしょう。後攻では使う余裕はありません。

引きたくないバレットパーツなので1枚採用。≪宝杖の司令官≫を1枚置換して採用枠を確保しています。

ノーヴィストルーパー<1>

手引きしたくないバレットパーツ堂々の第1位

兵士バレットパーツの一枚。≪静かなる炎将・マーズ≫から呼び出すために渋々採用しています。

手元に来たときの扱いに最も困るカードです。というのも、このデッキの3コストは非常に重く、Eフォロワーとの併用がほぼ不可能だからです。
唯一救いとなるのは≪レオニダス≫を採用していることでしょうか。このカードが手元に来たときは≪レオニダス≫プランを優先する傾向があります。

圧倒的引きたくないカードなので、当然ながら1枚採用。

大阪GPまでは≪マッハナイト≫を採用することで6コスト疾走パーツを兼用していました。今回はその進化枠を≪秘伝の抜刀者≫にしてしまったため入れざるを得なかったカードです。

秘伝の抜刀者<2-1>

つよ(わ)いカードその3
強すぎるために効果の代償が重すぎる

「絶対なる覇者」で新たに加わった3コスト進化サイクル。ロイヤルが苦手としていたスタンドフォロワーへの有効札です。

進化時の5点ダメージは3コスト進化サイクルの中では圧倒的除去性能です。強力な効果の一方で、手札を1枚捨てるという相応に重いコストがあります。手札の補充が苦手なロイヤルにおいて、このコストはテキスト以上に重くのしかかります。このカードを使う場合、後続の≪アドバンスブレーダー≫でリソースを回復していきたいです。

捨てる手札についてですが、基本的に2コストのカードを優先します。先述のとおり、2コストのカードは適切に使えるタイミングが少ないからです。
手札状況的に1コストのカードを捨てたくなることも多いのですが、≪音速の機構・ララミア≫の起動条件を満たせる関係で1コストは手元に保持しておく方が後半に有効な場面が多いです。

コストを2回払う進化行動がリソース不足の負けに直結するため、2-1枚採用。後攻時の捲りカードとしての運用が望ましく、先攻ではあまり使いたくないカードです。

フローラルフェンサー<3-2>

ロイヤルの基本3c進化サイクル
現カードプールでマナレシオを破壊するカードの代表格

サービス開始当初からロイヤルの盤面を支えてきた3コスト進化サイクルの一枚です。展開フォロワーの総合値は4/7/7と他の追随を許さないマナレシオを誇ります。

強力な盤面展開ができる一方で、他クラスの3コスト進化サイクルが持つような除去性能を持ちません。非常に攻撃的なカードと言えるでしょう。
主な運用は後攻3ターン目のEP進化です。小型フォロワーの複数展開は序盤にこそ輝きます。
中盤以降は単体で強く使うことは難しいです。≪疾風怒濤≫で複数除去を狙ったり、≪星の鎧≫で≪スティールナイト≫を保護して自身は処理に使ったり、各種サポートカードとの併用を目指しましょう。

このカード以上の盤面展開カードは存在しないため、最大枚数の3-2枚採用。≪音速の機構・ララミア≫を採用する以上外れることはないと思います。

宝杖の司令官<2>

ロイヤルの安定性を担保する万能サーチ
3コストが重いため最近は使わない

ロイヤルの安定性を担保するワイルドカード。そのサーチ範囲はロイヤルフォロワー全般と非常に広く、状況に応じたゲームプランの補強が魅力です。

一方、スタッツが3コストの中では貧弱で、2点除去が横行している現環境ではほぼ盤面に残りません。使い捨てのサーチカードとしての運用がメインとなるでしょう。
盤面干渉能力もないため、思った以上に使うタイミングのないカードでもあります。先攻3ターン目以外はリーサルターンに追加の打点を持ってくるような使い方になりがちです。

本来3枚採用するカードですが、今回は≪熱狂の機兵士≫に置換したため2枚採用。あらゆるカードの4枚目として考えているため、ピン刺しでもいいかもしれません。

旋風陣<1>

指揮官バレットパーツ
≪大妖狐・ギンセツ≫など特定のカードを破壊する

公開制ならではの指揮官バレットパーツ。特定の対面に使います。

≪妖精エルフ≫および≪大妖狐・ギンセツ≫と対面することを想定して入れていましたが、使うことはありませんでした。≪ペルセウス≫や≪ヴァンガード・レイサム≫といった序盤の指揮官で有利トレードを演出することが多いように思います。
他にも後攻6ターン目の≪大妖狐・ギンセツ≫に対して≪静かなる炎将・マーズ≫と≪旋風陣≫で取り巻きを一掃し、進化時効果で呼び出した≪無敗の剣聖・カゲミツ≫の【指定攻撃】で≪大妖狐・ギンセツ≫を攻撃するプランを用意していました。

都合のいいバレットパーツなので1枚採用。
実は≪熱狂の機兵士≫でサーチができます。


4コスト

アドバンスブレーダー<2-1>

≪マーズバレット≫のリソースカード
ロイヤルで唯一手札を増やせるカードだったりする

このデッキの貴重なリソースカード。ロイヤル全体としても非常に貴重で、純粋に手札を増やせるカードはこのカードしかありません。

前環境では≪簒奪ロイヤル≫の台頭で兵士パッケージにフォーカスが当たらず、出番がありませんでした。簒奪パッケージに兵士タイプが付与されていたら採用されていたでしょう。
このデッキでは、≪静かなる炎将・マーズ≫とバレットパーツを共有できるという点でデッキ全体とのシナジーが高いです。

サーチの選択肢はその場のアドリブで決めています。主なパターンは以下のとおりです。

  • ≪無敗の剣聖・カゲミツ≫+≪音速の機構・ララミア≫
    「ララミツ」の組み合わせは最も使用するサーチルートです。
    ≪音速の機構・ララミア≫を大型疾走として使いながら≪無敗の剣聖・カゲミツ≫で盤面有利を演出できる組み合わせは非常に強力です。

  • ≪クイックブレーダー≫+≪音速の機構・ララミア≫
    上の盤面処理部分を打点に変換したサーチルートです。
    ≪音速の機構・ララミア≫の進化コストを軽減しながら打点を追加できるため、相手のリーサル逃れを追撃して詰めることができます。
    ≪超越ウィッチ≫の≪クラシカルソーサラー≫や≪侮蔑ドラゴン≫の≪バイヴカハ≫といった細かい回復が存在するデッキに有効です。

  • ≪剣豪≫+α
    ≪アドバンスブレーダー≫を盤面処理に利用するときのサーチルート。
    ≪静かなる炎将・マーズ≫と似たような挙動となりますが、コストが重いためあまりできない行動でもあります。

  • ≪クイックブレーダー≫+≪ノーヴィストルーパー≫
    1年前の定番サーチルート。
    バレットパーツをデッキから抜くことは≪静かなる炎将・マーズ≫の選択肢を狭めることにつながるためほとんどやりません。
    …が、りもえぼ予選1戦目でやりました。理由はプレイング解説にて後述します。


6コスト

レオニダス<1-1>

指揮官バレットパーツ
公開制であるからこそとても強い(使わない)

公開制を活かした指揮官バレットパーツ。
すなわち使いません

見えないレオニダスに怯えてもらうことで、相手の【守護】の選択肢を狭め、≪音速の機構・ララミア≫の【疾走】を通す目的で採用しました。

一応通った場合、様々な疾走カードが強化されるため、大抵の場合勝てる気がします。今環境で通る気がしませんが

あまり使いませんが、通すとしたらこのくらいの打点が出ます。イメージとしては≪レオニダス≫ターン中に発生したであろう打点を後続に預けるイメージでしょうか。

  • ≪静かなる炎将・マーズ≫+≪ノーヴィストルーパー≫+≪クイックブレーダー≫
    →12点(7PP)

  • ≪音速の機構・ララミア≫+≪ノーヴィストルーパー≫+≪クイックブレーダー≫
    →17点(7PP)
    (予選1回戦目で使おうとしたリーサルルートです)

  • ≪音速の機構・ララミア≫の追加コスト起動
    →10~11点(5PP↑)

魅せカードなので1-1枚採用。彼の肉体美を鑑賞しましょう。




コラム~サーチバレットについて~

今回採用したバレットカードは、できるだけどの対面でも使えるものを選択しました。採用理由は以下に注目して選定しました。

  • ≪静かなる炎将・マーズ≫の攻撃力バフと直接的シナジーがある
    →≪クイックブレーダー≫、≪ノーヴィストルーパー≫

  • ≪静かなる炎将・マーズ≫の盤面処理を補助する
    →≪無敗の剣聖・カゲミツ≫、≪剣豪≫

  • コスト帯ごとの選択肢を増やせる
    →≪熱狂の機兵士≫、≪旋風陣≫、≪レオニダス≫

また、バレットパーツの中でもゲーム中に複数使う可能性のある≪無敗の剣聖・カゲミツ≫と≪剣豪≫は複数枚の採用でデッキから呼び出せないということが無いようにしています。盤面のコンバットを重視するなら≪剣豪≫の枚数を増やすことも視野に入れていいかもしれません。

他に検討したバレットパーツを列記していきます。

ペインレスサムライ

交戦ダメージを無効化する場残りの良いフォロワー。
≪静かなる炎将・マーズ≫から呼び出すと2/1の交戦耐性フォロワーとして多くの上踏みに対応してくれるようになります。
それなりに強いシーンは多かったのですが、各クラスのパワーが拮抗している今環境において、このカードを強化状態で置かせてくれるシーンは多くなかったため、採用枚数が減っていきました。

マッハナイト

エンジェルスナイプを内包した3コスト進化サイクル。≪秘伝の抜刀者≫の部分に採用していましたが、不利盤面の逆転には2点除去は少しパワー不足でした。
こちらを採用すると≪ノーヴィストルーパー≫の役割を兼任してくれるため、デッキの採用スロットに余裕ができるというメリットがあります。できればこちらを採用したかったです。

古の英雄

なんとびっくり兵士フォロワーです。≪静かなる炎将・マーズ≫から呼び出すことは現実的ではありませんが、≪アドバンスブレーダー≫でサーチすることは可能です。自前で【オーラ】を持っている上、破壊・消滅耐性も持っているため、ほぼ確実に盤面に残ってくれます。このカードと≪音速の機構・ララミア≫で一気に12~13点持っていけると気持ちいいと思います。
コストが重くてほぼ使う前にゲームが終わってしまいますが…



プレイング解説

本項では、りもえぼCLシーズン7の試合を題材にゲームプランやプレイングなどを解説していきます。対戦結果の関係上、全5試合中4試合が配信されたため様々なシチュエーションを紹介できそうです。

↓動画全編はこちらから↓


予選1回戦:ペンチャンター型超越ウィッチ

ゲームプラン:序盤の横展開によるミッション遅延とリソースレース
リーサルプラン:カゲミツ+ララミアによる守護突破疾走プラン

↓タイムスタンプはこちら↓

相手は≪ペンギンウィザード≫と≪カースエンチャンター≫が特徴的なタイプの≪超越ウィッチ≫。盤面処理とスペルチェインSCの進行速度を両立したデッキで、≪超越ウィッチ≫の中でもバランスの良いタイプです。

このデッキに限らず、≪超越ウィッチ≫に対するゲームプランは一貫していて、相手に除去スペルを使わせてSCの進行を遅らせることが重要です。そのため、序盤からフォロワーを展開し、相手にSC加速系のスペルやフォロワーを使わせないことを意識しました。




動画の関係上、3ターン目からの進行になっていますが、2ターン目の≪メイドリーダー≫でサーチしたカードは≪レオニダス≫です。
このサーチ選択は、手札の質が非常に良かったたからです。

3ターン目以降の動きが非常に円滑(後日撮影)

他の選択肢として≪秘伝の抜刀者≫や≪音速の機構・ララミア≫がありましたが、前者は≪ペルセウス≫で攻撃してしまった以上、3ターン目の≪ペンギンウィザード≫に進化攻撃されたときに除去効果が最大バリューで使えないため却下しました。
後者の≪音速の機構・ララミア≫はリーサルプラン上非常に重要なカードですが、道中で≪アドバンスブレーダー≫を用いてサーチできることに加え、早まった2/4/3の運用では相手に盤面有利を受け渡してしまうことから見送りました。

公開制特有の情報ですが、対面の≪超越ウィッチ≫は≪レオニダス≫に対する明確な解答を採用していませんでした。≪レオニダス≫をサーチすることで、相手に与えるのは「≪レオニダス≫の返しである7ターン目の決着」という制約です。この制約により、相手は盤面を捌きながら現環境では上振れに分類される7ターン目の超越ジャンプを要求されることになったのです。




3ターン目の相手の行動は≪ペンギンウィザード≫の進化攻撃でした。≪ペンギンウィザード≫を処理に使わせることで、SCの進行を阻害できています。
本来は、≪ペルセウス≫を無視してSCを進行することが最適行動ではあるのですが、≪メイドリーダー≫で3コスト進化サイクルをあえてサーチしないことで≪秘伝の抜刀者≫の存在を匂わせ、攻撃させることを誘導できたように思います。≪マーズバレット≫を知っている筆者としてはSCを進められた方がつらかったです。




こちらは≪フローラルフェンサー≫をEP進化で展開。相手のEフォロワーの採用情報から、先攻4ターン目に盤面をきれいに除去できる≪鬼呼びの導師≫を怖がる必要がなかったため、積極的に攻めていきます。

相手が≪鬼呼びの導師≫を採用していたら攻撃しなかったかも




4ターン目は相手の盤面がない状態でターンが回ってきたため、積極的な展開をして畳みかけます。

≪静かなる炎将・マーズ≫によるサーチ先は≪クイックブレーダー≫と≪無敗の剣聖・カゲミツ≫がありましたが、≪無敗の剣聖・カゲミツ≫を選択しました。4/3が2体並ぶと≪見習い魔女と長い夜≫をクイックで撃たない限りどちらかしか処理できないためです。
また、このデッキには≪星の鎧≫が採用されており、それを知っている相手はクイックタイミングで除去スペル撃つことを嫌うだろうと予想しました。
≪見習い魔女と長い夜≫がないときに最大リターンが得られる動きを優先したという思考もあったように思います。

陰陽師カウントが7を達成していない時に3点除去を複数出すのは至難の業




5ターン目に≪カースエンチャンター≫で盤面が除去されましたが、≪ナイト≫をアクトさせていたことで相手のアクトを誘発できました。このシチュエーションでは、≪アドバンスブレーダー≫による上踏みが非常に強力です。

サーチルートは≪クイックブレーダー≫と≪ノーヴィストルーパー≫の変則サーチを選択。≪メイドリーダー≫でサーチした≪レオニダス≫を考慮すると、相手は10点のリーサルラインを迫られることになるため、相手は≪クラシカルソーサラー≫を要求されていきます。




再び相手の盤面が空になってきて帰ってきた6ターン目。相手には事前に見えていた≪レオニダス≫を強く使わせない意図があったように思います。

この対策を裏目にとって、ドローで引き込んでいた≪音速の機構・ララミア≫を使いながらライフを一気に詰めていきます。相手は陰陽師カウントの関係上、≪陰陽の開祖・クオン≫と≪クラシカルソーサラー≫を同時に出すことができないため、デッキに残り2枚しかない≪カースエンチャンター≫と≪クラシカルソーサラー≫で切る抜けるしかなかったはずです。
最終的に【守護】は出されることなく、≪宝杖の司令官≫から≪音速の機構・ララミア≫をサーチして勝利しました。

回復されてもララミアの疾走圏内




今回の注目ポイントは、スペルチェインを進行するという≪超越ウィッチ≫のミッションを可能な限り阻害したことでしょう。
序盤に盤面を処理させることで、手札の回転率を落とし、相手の引き込みをひたすら抑制していたことが勝利につながりました。
また、≪レオニダス≫の影が相手の盤面展開を常に抑制し、【疾走】フォロワーが走りやすい盤面を形成できていました。


予選3回戦:アイドル超越ウィッチ

ゲームプラン:盤面圧でララミア7/6を成立させる面押しプラン
リーサルプラン:アドリブ(相手の体力が青天井であるため)

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3コスト進化サイクルがマリガン前に集約し、引き直しに賭けたら≪メイドリーダー≫すら引けずに敗色濃厚となってしまいました。
相手の構築的に急ぐ必要がなかったため、キープしていてもよかったのかもしれません。

一応、相手の盤面をできるだけ処理する動きで耐えつつ、相手の≪堕天≫を無駄打ちさせる動きを意識しました。その後≪レオニダスの遺志≫を活用して体力7のフォロワーを立ててOTKするプランを即興で作りましたが、解答札をきれいに持たれていたため仕方ない部分もあったように思います。

この試合は典型的なシルバーバレットの弱さが出ています。熱狂の機兵士、ノーヴィストルーパー、レオニダスのバレットパーツを引いてしまいました。
素引きしたバレットパーツをどれだけ最大化するか、今後も練習が必要な気がします。


準決勝:侮蔑ドラゴン(おすすめ)

ゲームプラン:相手の覇極を躱せるような盤面づくり。できれば後攻
リーサルプラン:ララミアの連打による11点分割リーサル

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準決勝の相手は≪侮蔑ドラゴン≫で、相性的には比較的不利と言えます。
その理由は≪覇極≫というカードです。

アグロに対する圧倒的解答札

このカードは≪侮蔑ドラゴン≫の中でも屈指の殲滅力を持つ全体除去で、≪マーズバレット≫の強みである横展開を全否定してきます。したがって、生半可な横展開をせず、体力3以上のフォロワーを重点的に展開することが大事です。

今回のマリガンは≪ヴァンガード・レイサム≫が手札に来ていたため、1コストフォロワーがない状態でもキープしました。結果的に体力の高い盤面を構築できたのは非常にいい展開でした。



≪宝杖の司令官≫のサーチ先は≪アドバンスブレーダー≫一択でした。4ターン目の行動がもともと手札にあった≪秘伝の抜刀者≫で固定されていたためです。また、解説でもあったように、≪秘伝の抜刀者≫のバリューを最大限に活かすためにスタンドによる盤面保持を優先しました。
結果として、4ターン目の早い段階で試合の流れを掴む盤面が確保できたと言えるでしょう。

4ターン目には盤面の優位を獲得




この試合のターニングポイントは5ターン目です。
3ターン目の≪宝杖の司令官≫でサーチした≪アドバンスブレーダー≫という想定択があったのですが、実際の選択は≪静かなる炎将・マーズ≫の0コスト進化+≪星の鎧≫による変則5/5スタンドでした。

誰も予想していなかった択(筆者も含め)

この択は3つの強制をしています。

  • ≪覇極≫の要求

  • ≪バイヴカハ≫の進化およびアクト効果選択

  • ≪バイヴカハ≫の不利交換

こちらが≪アドバンスブレーダー≫の進化を選択していた場合、相手は≪ベルエンジェル≫に対して≪侮蔑の炎爪≫+≪覇極≫を当てることで≪ヴァンガード・レイサム≫以外のフォロワーを一掃し、≪バイヴカハ≫の進化で≪ヴァンガード・レイサム≫を上踏みするということが可能でした。
また、≪銀氷のドラゴニュート・フィルレイン≫や≪バイヴカハ≫の進化時アクトを絡めた≪銀氷の吐息≫など、5/5のフォロワーを破壊する手段は少なくなかったでしょう。

しかし、【オーラ】を持つフォロワーをスタンドさせたことで話が変わっていきます。
≪銀氷のドラゴニュート・フィルレイン≫と≪銀氷の吐息≫は選択肢から外れ、≪侮蔑の炎爪≫で倒せるフォロワーは≪ヴァンガード・レイサム≫に限定されるため、≪バイヴカハ≫は進化時効果で・・・・・アクトさせた【オーラ】持ちの≪静かなる炎将・マーズ≫に当たるほかありません。
結果的に、この選択はEP・進化権・手札の≪侮蔑≫パッケージにそれぞれ負荷をかける選択肢になりました。
さすがに≪ベルエンジェル≫まで立てられるのは少し予想外でしたが、十分な成果が得られたと筆者は感じています。

筆者も≪アドバンスブレーダー≫択を想定していましたが、手札を吟味した結果、最も≪星の鎧≫を強く使えるシーンであると判断した選択です。
余談ですが、≪静かなる炎将・マーズ≫が倒されなかった場合、手札の≪音速の機構・ララミア≫が5点【疾走】となりリーサルになっていた可能性がありました。




6ターン目の≪アドバンスブレーダー≫は、相手の最適択である≪侮蔑の絶傑・ガルミーユ≫を想定するとスタンドしているメリットが少ないため、≪ベルエンジェル≫を剥がすことに使いました。
サーチルートの選択はララミツセットアップを選択。既に手札に引いていた1枚目の≪音速の機構・ララミア≫と合わせて2回の【疾走】プランを見越したサーチです。

≪音速の機構・ララミア≫のフルバリューを想定すると≪ペルセウス≫を出さない方が有効択になりやすいのですが、今回は相手の≪侮蔑の絶傑・ガルミーユ≫と≪覇極≫とのコンボを誘発させるために囮としました。
≪アドバンスブレーダー≫のみの状態でターンを渡してしまうと、≪侮蔑の絶傑・ガルミーユ≫+≪侮蔑の炎爪≫のコンボでも盤面を処理できてしまい、≪侮蔑の絶傑・ガルミーユ≫の体力が5になってしまいます。体力5の状態では≪無敗の剣聖・カゲミツ≫で処理することができなかったのです。
今回のプレイは、サーチした≪無敗の剣聖・カゲミツ≫での対処を円滑にするために必要なリソースだったと筆者はとらえています。

このシーンで≪ペルセウス≫を無視して≪侮蔑の炎爪≫を使われるのが一番嫌でした
しかし、その場合は≪クイックブレーダー≫+≪無敗の剣聖・カゲミツ≫+≪音速の機構・ララミア≫のリーサル択を割り切ることになります




最後の詰めはほとんどトップ勝負ですが、この部分はラッキーが多かったです。
しかし、元々不利寄りの対面に余裕を持った戦い方はできないと考えていたため、押し切る択を通し続けました。

2枚目の≪ベルエンジェル≫が見えなくて本当に良かったです。

アドバンスブレーダーのサーチ時点で手札のララミア×2+マーズか宝杖の司令官を引いて疾走3点で勝ち…なんてことを考えていたのですが、あそこまでバイヴカハにずらされるとは思っていませんでした


決勝:真紅ナイトメア

ゲームプラン:先攻を取って星に願う
リーサルプラン:耐えて盤面打点+ララミア

↓タイムスタンプはこちら↓

今回の登録デッキの中で、最も苦手とするデッキタイプでした。体力回復の存在しない≪マーズバレット≫にとって天敵と言えるような気がします。
お互いに盤面展開を得意としており、どちらが先に強い盤面を構築できるかがゲームの明暗を分けると考えていました。




当然先攻が有利なのですが、残念ながら選択権を取られて後攻に。
≪メイドリーダー≫→≪秘伝の抜刀者≫という針の穴を通すプランしかないため、その2枚が見えない時点で引き直しを選択しました。≪メイドリーダー≫が応えてくれて本当に良かったです。

1ターン目の≪クイックブレーダー≫は、しっかりとした意思のもとスタンドしました。
今後出てくるであろう≪蠢く死霊≫や2/2/3という優秀なスタッツを持つ【守護】フォロワーの≪パンクデビル・デモニア≫を処理するときに必要な1点だからです。≪メイドリーダー≫進化の動きが見えている以上、盤面に残す方が価値がありました。
結果として≪爆砕の傭兵・フィーナ≫に破壊されてしまいましたが、相手のダメージ源となる1コストフォロワーのサーチをさせなかったことは、見えない価値があったと言えるでしょう。

結果論ですが、相手が1コストを余らせるシーンがそれなりに多かったのは≪クイックブレーダー≫のおかげかもしれません




≪メイドリーダー≫の交戦後、相手の≪爆砕の傭兵・フィーナ≫が即座に攻撃した時点で、4ターン目の動きがほとんど予想できるようになりました。
想定したのは≪オウルキャット≫か≪仮面人形≫による1点除去です。≪真紅ナイトメア≫と≪マーズバレット≫は非常によく似たデッキタイプですが、明確に差別化できる点があります。それはフォロワーへの対応です。
ここまで説明してきたとおり、≪マーズバレット≫はある程度スタンドフォロワーへの対処ができる構築である一方、≪真紅ナイトメア≫はスタンドフォロワーへの対処手段が相当限定されています。そのため、盤面のやり取りを最大化するためはフォロワーの交戦を利用して相手をアクトさせる必要があります。
今回の攻撃にはアクトを誘導するような意図があるように思えました。≪秘伝の抜刀者≫で盤面有利を取り返しても、もう一度取り返せるという狙いだったのでしょう。
あくまで結果論ですが、こちらの4ターン目には≪静かなる炎将・マーズ≫による等価交換が見えていたため、有効択にはなり得なかったように思います。

4ターン目の解答は用意できていました




5ターン目の相手の【真紅】ターンは非常に強力でしたが、手札の除去をフル投入して耐えました。手札が減ることで≪沈黙の使徒≫がアクティブになる裏目はありましたが、そんなことは言ってられなかったです。
また、残り手札の1枚が≪沈黙の使徒≫だった場合、逆に最も厳しいバーン火力である≪唯我の絶傑・マゼルベイン≫を持っていないことにつながっていたので、ある程度耐えていたように思います。

後攻の≪無敗の剣聖カゲミツ≫は最速5ターン目にアクティブになる
≪ブレイジングブレス≫が5ターン目に撃てるのはあまりにも強力




6ターン目の≪仮面人形≫に対する解答は≪宝杖の司令官≫からの≪無敗の剣聖・カゲミツ≫サーチを検討していましたが、トップドローで≪無敗の剣聖・カゲミツ≫を引くことができました。
結果的に≪宝杖の司令官≫を温存することができたことに加え、≪音速の機構・ララミア≫を強化状態で【疾走】させることができたため、最高のドローだったと言えるでしょう。

まさに起死回生の一枚でした。

このトップドローはかなり運に助けられた様子ですが、少しだけ運以外の要素も入っています。

この試合で筆者が使用したサーチは一見≪メイドリーダー≫だけに見えますが、≪静かなる炎将・マーズ≫による呼び出しによってわずかながらデッキ圧縮がかかっています。
ハンドリソースの補充が苦手なロイヤルは山札を圧縮することも苦手です。しかし、≪マーズバレット≫は他のロイヤルと比べて≪静かなる炎将・マーズ≫を運用することで、序盤から無理なく山札を圧縮できているという隠れた長所があります。




最後は≪宝杖の司令官≫からの≪音速の機構・ララミア≫サーチで決着。一進一退の激戦でした。




配信卓の対戦は以上になります。
文字に起こしてみると色々考えていたように見えますが、かなりの選択を経験則に基づく直感とアドリブに任せているように思えます。
実のところ、≪メイドリーダー≫による最序盤≪レオニダス≫サーチや≪アドバンスブレーダー≫による【疾走】バレットの引き抜き、≪静かなる炎将・マーズ≫0コスト進化+≪星の鎧≫あたりはこの構築では初めてやったような気がします。
そんなシチュエーションにそうそう出会うことないから


おわりに

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

このデッキを扱う上で最も大事なことは「デッキパーツの特性を知り、それを最大化する」ということだと思います。わかりやすい例だと、「≪星の鎧≫はスタンドフォロワーへ使うと良い」とかですかね…
最後に当たり前のことしか言えてませんが、それだけ自分好みにチューンできる可能性のあるデッキであるということでデッキ紹介を締めさせていただきます。

最後になりましたが、このようなデッキ開拓と実践の舞台を用意してくださった、りもえぼ運営のTyshi 様、ふぁがるど 様、詳細な解説をしてくださったpi 様、そして予選レーティング期間も含めりもえぼで対戦してくださったすべての皆様にお礼申し上げます。

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参考文献

GP後にりもえぼ本戦に向けて参考にした構築


修正・追記記録

修正や追記があった場合ここに記録します。

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