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こどものためのアート&パフォーマンスカタログ

「こどものためのアート&パフォーマンスカタログ」を作成しました!https://botamochidou.tumblr.com/post/739290190452015104/

小学校入学前の子どもたちが、オモロイひとたちに出会える機会が増えたらいいな〜、というものです。

このnoteは、長い長い趣旨説明をストックしておくために公開しています。詳しい経緯や坂部の考えを読みたい方は、この先にお進みください。

・・・以下、詳しく知りたい方向けの趣旨説明です・・・

このカタログは、仙台・宮城で活動するアーティストの有志が、児童館・保育所・幼稚園等の施設に芸術鑑賞体験の情報を届けるために作成しています。
震災後、仙台市・宮城県で実施されていた文化庁の「文化芸術による子供育成総合事業-芸術家の派遣事業-<東日本大震災復興支援対応>」は、学校、児童館、保育所、幼稚園等が対象でした。この事業を通して、たくさんの舞台芸術やアート体験が子どもたちに届けられました。坂部も大道芸人ぼたもち堂として、ジャグリングプログラムをお届けしてきました。

しかし、令和5年度に児童館、保育所、幼稚園がこの事業の対象から外れました。これらの施設にはプログラム実施がないだけでなく、情報をまとめたプログラム誌「芸術飛行船」も届けられないことがわかりました。
割と急な出来事(発表が令和5年6月)で、新年度が始まっていたので、動き出しがうまく取れなかった面もありました。これまで実施の機会をいただいたことに感謝しつつ、なにかできないかな〜、と思っておりました。

そこで、令和6年度に向けて、情報をまとめたカタログを作成・配布することにしました。小規模・自己資金からのスタートです。二年、間が空くと、年長さんが小学生になってしまうので、ひとまずスピード重視の取り組みです。参加してくださったアーティストの皆様に感謝しています。
このカタログは、子育て支援イベントや連絡協議会等を通じて、保育園・児童館などに配布していただく予定です。

新型コロナウイルスの感染対策が落ち着き、生身で触れ合う機会をつくりやすくなった今だからこそ、たくさんの子どもたちに双方向的なライブの体験を届けたいと考えています。

<参照>

昨年末にパブリックコメントが募集された「(仮称)仙台市文化芸術推進基本計画(中間案)」では、11項目ある基本施策のうちの1つとして「子どもの文化芸術に親しむ機会の充実」を挙げ、『子どもたちが文化芸術に出会う機会をつくるため、学校・幼稚園・保育所・児童館等へアーティスト(音楽・演劇・大衆芸能・伝統芸能・美術・ダンス・文学等)を派遣する取組みを進めます』としています。
今後、行政が取り組みを始め、より広いネットワークと信頼感の厚い事業主体による運営がなされることを期待しています。

・・・以下、より詳しく知りたい方のため、坂部が書いたパブリックコメントを公開します・・・

ぼたもち堂の名前で、仙台・宮城を中心に、子どものための施設でジャグリングパフォーマンスと体験会を行っています。
下記の取り組みについて意見を記載します。

○舞台芸術等の鑑賞・体験機会の創出
■学校・保育所等へアーティストを派遣する取組み
【拡充】 重点・子ども若者
子どもたちが文化芸術に出会う機会をつくるため、学校・幼稚園・保育所・児童館 等へアーティスト(音楽・演劇・大衆芸能・伝統芸能・美術・ダンス・文学等)を派遣する取組みを進めます。

上記、計画の中に入れ込んでいただきありがとうございます。
2023年度から、アウトリーチの仕組みであった文化庁派遣事業の対象から幼稚園、保育所、児童館が外されました。
これらの施設での実施が減ったのはもちろんのこと、情報の集約発信を担っていた「芸術飛行船」の発送がなくなり、職員の方が情報に触れる機会が少なくなりました。

2023年度に直接ご依頼いただいた施設の職員の方からは、
「急になくなったのでビックリした」「初めてのアーティストを呼ぶのは賭けの部分もあり、無料で呼べるのはありがたかった」「予算の枠組みがあり、安いと分かっていてお声がけするのが心苦しい」といった声を聞きました。

ぼたもち堂では、パフォーマンスを楽しんでいただくだけでなく、ジャグリング&ダンス体験を通して、本物の道具に触れ、人と人が交流しながら自然とからだが動き出す時間をお届けできることを重要視しています。
新型コロナウイルス感染対策がゆるくなってきて、ようやく、直接ボールを投げ合い、からだとこころを弾ませる時間を作れるようになってきた時期。文化庁の予算がつく実施の機会が少なくなってしまったことは寂しく思っていました。
同時に、アーティストの側もよりたくさんの施設に届けられるように努力すべきだと考え、有志、自己資金で情報ペーパーを作成し、幼稚園、保育所、児童館に情報を届ける取り組みを進めています。

以上の状況を踏まえて、今後、計画に基づいた取り組みを進めていくにあたって以下のことを要望します。

・仙台市が予算を取って、アウトリーチ実施にかかる費用を全部または一部負担すること。

本気でアウトリーチに取り組もうとするほど、そこにかかる機材・道具・研修費・稽古場・交通費など必要経費は増えていきます。児童施設は商業イベント・一般公演と比して予算規模が小さく、また必要な機材・知識技術も違います。

・「子どもたちが文化芸術に出会う機会」をつくることができる人材を適切に評価し、支援・育成すること。

文化庁派遣事業でアーティスト以上にその中核を担ってきたのが、コーディネーターの存在です。施設と打ち合わせを進め、必要な情報をつないで、当日、アーティストと子どもたちができる限り最高の時間をつくれるように働きかけてくれています。また、たくさんの施設、地域やアーティストの実態を把握しています。
私自身、コーディネーターの方からアドバイスをいただき、よりよい時間を子どもたちに届けられたという実感があります。これまでの経験を持つコーディネーターの存在を今後の取り組みでも大事にしていただき、予算を確保していただけるとありがたいです。また、これらの経験を暗黙知に止まらせず、その知識・技術を共有できるよう、研修の機会などがあると良いと思います。
同時に、アーティストの中にも、実施以外の機会でも子どもや障害のある方と関わる機会を積極的に持ち、研修会などの機会を通して子どもの発達や子ども文化、対人援助の技術について学んでいるアーティストがいます。また、子どもからのメッセージをその場で受け取ることができる、双方向性を重要視しているアーティストがいます。こちらも、適切に評価していだけるとありがたいです。

・各施設に情報を届けるための具体的な取り組みをなるべく早く実施すること

2024年度は、小規模、自己資金による情報ペーパーを作成、配布します。文化庁派遣事業の改変後、文化芸術に触れられない子どもたちがなるべく少なくて済むように、迅速な取り組みをお願いいたします。個人でやってみて、特に仙台市に期待したいことは、情報の集約・編集作業と、各施設への郵送作業です。個別に郵送するのは資金・労力・信用力の面で課題があり、ぜひ公的に取り組んでいただきたい部分です。

・各施設が自己資金を確保してアーティストを呼ぶという機運を醸成すること

施設の方から、「予算の枠組みがあり、安いと分かっていてお声がけするのが心苦しい」という声がありました。私は個人的に、2023年度は「出会う機会」をなるべく減らさないよう、これまではお断りしていた予算でもお伺いしました。仙台市の予算だけで実施を賄うのは難しい面もあるかと思います。各施設が予算確保に取り組めるよう、シンポジウムや研修会などで、仙台市としてこれらの取り組みを推奨し、魅力をプレゼンするとともに、具体的な予算確保の方法やバリエーションについても情報共有できるような仕掛けを進めてください。

以上になります。どうぞよろしくお願いいたします。

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