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外路系の体育・活元運動を始める前に➖自家用薬と代用薬➖

私は、人間は自分の裡にある力によって自然に体を整え、丈夫を保つ事ができるのだから、どなたも自覚して活元運動をやりだすだろうと考えておりました。
ところが、いざ大勢の人教えようとすると、思いがけない抵抗にあいました。病気を治すのに薬なんか飲まないで治るなんて、そういう非現実的な治療法はあり得ない、と言うのです。

けれども、本当は薬を飲んで病気を治すことのほうが非現実的で、不思議なことなのです。人間にしても、他の生きものにしても、生まれる以前から、自分自身が丈夫に生きてゆくために必要な薬は、すべて自分の体の裡に備えて生まれてきています。アドレナリンでも、インシュリンでも、胃液でも、膵液でも、必要なものはすべて自分の体の裡に自然に備わっております。それを私は“自家用薬”と称しておりますが、われわれは生まれながらにして自家用薬を常備しているのです。

ですから、びっくりすれば無意識にアドレナリンが作用するとか、余分に食べ過ぎると胃袋に酸が多く出るとかして、自然に体調を整えている。そのように、生きるものはすべて生命を全うする働きを自然に行っているのです。薬を飲まなくては病気が治らないなどと考えることのほうが不思議で、一般に言っている薬というのは、人間が知識で造った“代用薬”なのであります。
人間同士の血液だって、合う合わないがあって、合わない血液同士だと固まってしまいます。そのように人間の体の構造は微妙精妙をきわめたものです。それに引き替え、いかに人間の知識がすぐれ、科学万能の時代であるとはいっても、まだ本物そっくりの血液を造るまでには至っておりません。P86



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