マガジンのカバー画像

イギリス田園都市さんぽ

3
ロンドン郊外に開発された田園都市(Garden Cities)を歩いた散歩noteです
運営しているクリエイター

記事一覧

英国散歩 第21週|世界で最初の田園都市・レッチワースの今【農村編】

都市のように活気があり、農村のように自然豊かな生活ができる、都市と農村が融合した理想的な状態=「都市と農村の結婚」を目指した田園都市(Garden City)。 そのハワードの構想が世界で初めて具現化を見たのが、ロンドン郊外のレッチワースでした。 前回の【都市編】では、駅付近の商業エリアを中心に雇用も娯楽も揃った、単なるベッドタウンではない自立都市(を目指した)、レッチワースの風景をお伝えしました。 今回の【農村編】では、住宅エリア、公園、自然エリアの風景から、心穏やかな

英国散歩 第20週|世界で最初の田園都市・レッチワースの今【都市編】

前回の【導入編】の内容を軽くおさらいした後、実際にレッチワースを歩いて撮影した写真を紹介していきます。 都市と農村の結婚18世紀半ばから19世紀にかけて世界に先駆けて産業革命を経験し、急速な工業化、都市化が進んだロンドン。 農村部から人々が流入し過密状態となった大都市ロンドンは、さまざまな都市問題(劣悪な衛生状態、高い家賃、長時間通勤・労働、社会的孤立、自然からの隔絶など)を抱えており、他方の農村もまた、都市的な魅力(雇用機会や娯楽・社会的活動の場など)の欠如により労働人口

英国散歩 第19週|世界で最初の田園都市・レッチワースの今【導入編】

イギリスのレッチワース(Letchworth)というまちを散歩してきました。 このレッチワースは、世界初の田園都市(Garden City)として名高く、また最近の日本では、岸田内閣が掲げる成長戦略の柱の1つ(デジタル田園都市国家構想)にも田園都市というワードが含まれていることで改めて注目されているかもしれません。 都市計画的には、いわゆる教科書に載るレベルのエポックメイキングな都市で、勉強のために一度は訪れてみたかったところでもあります。 場所は、ちょうどケンブリッジと