新しい農業チートを考える

 ノーフォーク農法は、ハーバー・ブッシュ法などによる化学肥料ゴリ押し作戦に負けるし、そもそも産業革命が起きてくれないとトラクターもコンバインも作れないので牛かゴーレムに頼るしかない。そのため、それ以外のチートを考えることにする。

 そもそもノーフォーク農法が西洋でチートになるのは東洋に比べて農業システムが1000年ほど遅れていたから。大体、西ヨーロッパは、近世まで三年二作の三圃制をやっていたので四圃制(四年四作)の18世紀農業のノーフォークがチートに見えるだけで、日本の場合、鎌倉時代には二年三作の一毛作と二毛作の混合農業を始めており、日本から見れば1000年近く遅れているのだ。

 またジャガイモチートも四圃制の導入とセットで入らなければ効力は皆無だ。ジャガイモの弱点として、暑さに弱い、病気に弱い、連作障害などがあり、痩せた土地を開墾したときは良いが、その後、収穫は先細りなる。それを補う作物をセットにしないとアイルランドのジャガイモ飢饉みたいな状況が起きる。つまり小麦、大麦、ライ麦、ソバ、カブなどと輪作にしないと結局のところ無意味だし、種芋を分けて植える方法だけではなく、ジャガイモの品種改良も同時に行わないと行けない。

 ――と言う訳で輪作ではなくコンパニオン・プランツの概念と混植を導入しよう。

 コンパニオン・プランツは、極端に言えば、肥料と農薬を同時に植えてしまう考え方だ。しかも従来の畑の隙間に植えられるので収穫量はむしろ増える。その代わり作業量は増える。

 マメ科との混植は窒素肥料を撒いたのと同じこと。キク科やセリ科は殺虫剤代わりになる。ネギ科は農薬代わりになる。ジャガイモはネギやキャベツと交互に植えると良いらしい(この循環だと窒素肥料がいる気もするけど)

 穀類で言えば、イネ科とマメ科の組み合わせは相性が良い(この混植、鎌倉時代にやっていた気がするのだけど。冬麦の収穫が、大豆の種まきより後に来るので麦の間に種まきしていたらしい)

 この方法は上手く回れば堆肥も入らなくなる。精々草をすき込む程度。

 ただ野菜がろくに育たないイギリスで成立するのか分からない。冬は昼が短すぎて二毛作が難しそう。結局、品種改良を頑張った方がよさそう。

 それより、最強雑草、葛だけで生活できないかな(栽培と言うより駆除になる気がする)

・葛の繊維から布が作れる
・根っこから、薬とデンプンが取れる
・葉は、牛や馬の餌になる

 葛粉の抽出が面倒でなければいけそうな気がするのだけどなぁ。単位収量の問題があるかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?