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ヌーランド退任でウクライナ情勢は変わるのか

 「ネオコンの女王」とも呼ばれているアメリカ国務省のヌーランド次官が退任する事になり、憶測を呼んでいる。

 この人は、ブッシュ政権下でイラク戦争をでっち上げた主犯の一人とか、オバマ民主党下でウクライナで反ロシア工作をし、ウクライナ戦争を誘発したなどと言われているが事実は知らない。民主党政権と共和党政権の両方で悪さしているからきっとDSなんだろうね(DSの定義がガバガバだけど)。

 一番おかしいのは退任のタイミング。バイデン大統領の任期は1年切っており、今の段階で入れかえる意味は無い。次の任期のタイミングでも十分。トランプが勝つのだし。当然ながら、このタイミングの退任は社会情勢が要求していると言う憶測を生む。

ブリンケン氏は声明でヌーランド氏の実績を称賛。中東やアフリカ、中米ハイチで起きた複雑な危機への対応や、欧州、インド太平洋地域での米国と同盟国との関係強化を主導したと評価した。

その上で、ウクライナ情勢ではロシアのプーチン大統領による全面侵攻に対峙(たいじ)。世界的な連合を組織して同氏の戦略的な失敗を引き出すなど、ウクライナ支援で不可欠な役割を果たしたと述べた。

 CNNですらロシア絡みと言いたいらしい。

 そもそもヌーランド女史は、オバマ民主党下でウクライナで反ロシア工作をしていたことがバラされているため、ロシア絡みの更迭もしくはウクライナ復興利権に絡むための辞任ではないかと思われて当然の立場にある。

 第2は盗聴され、2月6日(木)にユーチューブに掲載された(これは2014年3月17日現在視聴可能である)ヴィクトリア・ヌーランド米国国務省欧州及びユーラシア担当局長とジェフリー・ピアット駐ウクライナ米国大使の1月28日の電話連絡である。我が国マスコミでは、局長がEUの煮え切れない態度に憤慨して、「Fuck the EU」という表現を使ったことが報道された。しかしもっと重要なことは、二人の会話の内容である。この中で、局長は反対勢力の中のリーダーシップに触れて、元ボクシング世界ヘビー級チャンピオンのクリチコ氏やスボボダ(「自由」を意味する名前の極右政党)の党首チャフヌーボック氏は問題があるので、(ティモシェンコに近い)ヤチェヌーク氏にスポットが当たるようにした方がいい、クリチコ氏は政府部内に入らない方がいいといった意見を大使に対して述べている。

 対ロシア強行派の退任は、当然バイデン政権は、任期が終わる前に終戦を模索しているという憶測を呼ぶ。どのみち来年政権がトランプに変わるから終戦するだろうけど。現状の世論調査だと6:4ぐらいでトランプが勝ちそうな状況で現政権下での終戦に拘らなければ、このタイミングで人事を入れかえる必然性はない。現状維持で十分。

 空席だった国務省のNo.2として2024年2月6日にヌーランドではなくカート・キャンベルを選んだことに不満があったと言う話も聞こえてくる。議会で承認されそうにない死の商人ヌーランドと言う選択師は初めからないけど。

 カート・キャンベルは東アジア・太平洋地域の専門家なので、対中国に軸足を移すメッセージにもなっている。

 しかし、オバマ民主党が、東アジア・太平洋地域の外交にド素人を割り当て中国を増長させていた時代からみると隔絶感がある。


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