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白雪姫と七人のドワーフ

 白雪姫に出てくる小人はドワーフの事である。白雪姫って白雪姫がドワーフの巨◎にメロメロにされる話だったかな。しかしdwarf(ドワーフ)は英語である。白雪姫はドイツ語である。そこで原文を探すことにした。

 Wikisourceにグリム版の初版から第七版まで全部あるよ。

 Das Häuschen gehörte sieben Zwergen

 ドワーフではなくZwergen(単数形Zwerg ツヴェルグ)だよ。

 そこでZwergenの語源を調べるとdwergだった。ドヴェルグ。一気に北欧神話ぽくなったが、オランダ語(低地ドイツ語)の綴りだった。ちなみにオランダ語の発音はドウェルフと聞こえた。北欧神話ではdverg。

 オランダ語のdwergと英語のdwarfは方言ぐらいの差異しかない。つまりグリム神話で採用した高地ドイツ語だけが謎の綴りになっている。

 仕方無いので「グリムの法則」を応用することにする。このグリムはグリム兄弟の兄の方。グリム童話の編者グリム兄弟と同一人物。

グリムの法則とは,紀元前1000~400年頃にゲルマン語派に生じたとされる一連の子音変化に付された名前です.これに先立つ時代に,印欧祖語はいくつかの語派へと分岐していましたが,そのなかでゲルマン語派へ連なる経路において,上記のタイミングでこの変化が生じたとされます.別の言い方をすれば,ゲルマン語派が発達していく過程で固有に生じた変化であり,印欧語族の他の語派,例えばイタリック語派やケルト語派やスラヴ語派には無縁の変化です.

https://www.kenkyusha.co.jp/uploads/history_of_english/series/s08.html

 ――と言う訳で、本来、ラテン語とゲルマン語あたりを比較する時に使うものなのだが(ラテン語のp音→ゲルマン語のf音など)、ゲルマン諸語内の比較でも応用できるよ。ちなみにグリムの法則は第一次子音推移と言い、こっちは第二次子音推移と言うらしい。第二次子音推移によって、低地ドイツ語(オランダ語、英語)と高地ドイツ語の発音が違うと。

Second Germanic Consonant Shift (以下略して SGCS ) は High Germanic を Low Germanic と区別する体系的な子音変化で,6世紀から8世紀のあいだに生じたとされる.その効果は,例えば現代の標準ドイツ語である高地ドイツ語 ( High German ) に現れているが,英語には現れていないことになる.

https://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2010-06-06-1.html

(頼むから日本語で説明して……。)

 高地ドイツ語で、ドワーフがZwergになるまえはTで表記していたらしいので、Dwergのd音が第二次子音推移でt音のTwergに、t音の調音が移動してtsに移動してZwergになった。

 つまりZwergはdwarfである。

 それっぽく説明出来た(スッキリ)

#雑語り


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