宝石チート(小説のおまけ)

 意外とみたことないのが宝石チート。読者も作者も宝石に興味が無いからかも。この項を書いている自分も興味無い。ブリリアントカットより人工ダイヤモンドの人工砥石の方がテンションがあがる。チートとしては意外にレベルが低く、チート強化版ファイアーウォールが使えれば簡単に製造できそう。だから作ろう工業用宝石。

ダイヤモンド

 ダイヤモンドを使うチートが簡単だと思うだろうが、実はダイヤモンドは恐らく加工が出来ない。ダイヤモンドのカットにダイヤモンドが使えるのが分かったのが14世紀でギリギリ中世らしい。逆に言うとそれ以前は原石に近い形で流通していて無駄に加工していると偽物だと勘ぐられる可能性がある。そもそも流通量が少なすぎてその存在を知るものが少なく価値も低い。そのためより高いルビーを作った方が良い。

 ダイヤモンドは炭素から作れるから一番チートしやすいのに(チッ)。

 人工ダイヤモンドは、宝石より研磨材として使いたい。

ルビーとサファイア

 そうするとルビーやサファイアの方が手を出しやすい。ルビーとサファイアは不純物の含有量が違うだけでどちらもコランダムの一種だ。産地の関係で中世ヨーロッパに於いてはルビーの方が流通量が少ない。どちらもアルミナの結晶体で混ざっている不純物の種類が違う。要するに砂から精製して作れそう。ただ現実のアルミナの精製法は、ボーキサイトを酸に溶かしてから、水酸化アルミニウムに戻して再度、酸化するので意外に面倒。さらにその辺の砂に混じっている酸化アルミニウムは多くて10%だと思う。

 材料はその辺に転がっているのに抽出が面倒。

 そして人工コランダムだが、これは量産されていて光学レーザーやガラスの代わりに使われている。電子レンジで作っている動画が流れているぐらいで簡単に作れる(電子レンジ自体がチートな代物だが)

※ そういえば電子レンジやるの忘れていた……。あれは分子を強制加速するから時空属性かな。

エメラルド

 四大宝石の最後、エメラルドだが、これはベリル(緑柱石)から加工する必要がある。ベリルと言うのはベリリウム・アルミニウム珪酸塩 $${Be_{3}Al_{2}Si_{6}O_{18}}$$の結晶。最大の問題はベリリウム。その辺の木や砂が使える上の2つに比べると格段に原料の量が少なく偏在している。火山が関係しているのでもしかすると火山の近くで見つかるかもしれない。ちなみに色により名前が変わるのは同じ。アクアマリンもエメラルドの仲間。

 ベリルから人工宝石を作るよりアルミナから作った方が安いだろう。人工エメラルドは天然ものと既に区別がつかないらしいが、そもそもその原料が手に入りにくい。緑柱石がザクザク生えているダンジョンを所有している場合はエメラルド製造をしてみるのもお薦めだろう。アルミナを精製するより楽かも。

蛇足

 アダマンタイトとダイヤモンドはどちらが硬いのだろう。ダイヤモンドは傷つきにくいが割れやすい性質があるので、アダマンタイトの方が硬いと思う。ダイヤモンドはアダマンタイトを傷付けられるが破壊できない。アダマンタイトはダイヤモンドを傷付けられないが粉砕できるが落とし所かな?

 いくら硬くても脆い金属は防具には使えない。


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