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おうちにいる時だから~オンラインでデッサン講座

こんにちは、濃厚接触を避けおうちでお仕事しています、そろそろ家のトイレットペーパーが切れる頃で戦々恐々しています、小林ヒロです。コロナウイルスの影響がいろんなところに出ていますね。先日も朝近所を歩いていると、開店前のドラッグストアに長蛇の列…。開店と同時にトイレットペーパー・バトルロワイヤル!いやいや、トイレットペーパーは在庫あるから!と言いそうになって素通りしました。。。でもそろそろ我が家のトイレットペーパーは無くなる…。助けて…。

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1.家にいるからこそできること

そんな状況で、自宅待機や在宅リモートワークなどで、過ごされている方も多いと思います。それはそれで新しい発見もあるかも?なんて思っていたら、はい、ミテモ・澤田さんからの直々の提案キターーー!!
「せっかくこれだけじっくりと時間が取れる機会なので、娘にデッサン教室を開講できない?」おお、デッサン教室か!しかもオンライン!たしかにできないことはない。コロナウイルスの影響で小学3年生の娘さん(以下、娘ちゃん)学校が休校になり自宅でお勉強しているそうです。ただ、いわゆる5教科目はいつでも勉強できるし、なにか違うものを勉強できればということでした。

実は私小林ヒロ、こう見えても美術予備校講師の経験がけっこうあり、幼児から小中学生、高校生、そして美大受験を志す浪人生たちにデッサン、油絵、水彩、デザインスケッチ、粘土など教えていたのです。なので、教えること自体は初めてではない。しかし、今回はオンラインでデッサンを教えるのは初めてだ!どんな感じになるだろう、実際にその場にいないから、道具の使い方や、描いている絵とかちゃんと確認できるかしら?と思いながらも、ひとまず実験的にやってみるべし!!ということで、まずは娘ちゃんとマンツーマンでレッスンをすることになりました。

娘ちゃんはプレイフル・ストリートにいつも来てくれて、お絵かきをたくさんする子です。きっと絵を描くの好きなんだろうなあ。最初、私が思っていたのはいわゆる子供が描くようなお姫様とか、動物とか、キャラクターとかを想像していたのですが、澤田さんによるとそういうのはもう通過済みで、いわゆるデッサンを習いたいとのこと…。早熟…!自分が小学生3年のときは、、、アニメのキャラしか描いてなかったな…。あと四コマ漫画…。デッサンという言葉さえ知らなかったかも…。

2.オンライン・デッサン講座で教えたいこと

さて、では実際どのようなことを、どのように教えたらいいだろう。デッサン教室といっても、小学生だし、いわゆる美大受験を目指す生徒と同じようなことを教えるのは良くないなと思いました。ある側面では美大受験の描く絵というのは、とても上手に見えるし、まさに美術っていう感じに見えるのですが、美大受験で描かれる絵も、世界中にある絵のうちのひとつにしか過ぎないんですね。その辺を深掘りしていくと、1冊の本が書けてしまうくらい色んなコンテクストがあるので、(あと専門家に怒られそう笑)ここではざっくり省きます!絵を予備校で習うということもある意味特殊で、それは教育としていいのかどうなのか、いまだに私もわかりまへん!でも確かに私の絵の世界は広がったなあ、予備校で。。。なので、娘ちゃんにはそういう美術的なレッスンではなくて、まずは絵の世界の幅を広げてあげて、いろんな絵が描ける可能性を感じてもらったりしながら、絵を描くことを好きになってもらいたいな。そういうレッスンをしよう!キリ!

レッスン当日は、ZOOMを使って、パソコンのカメラで顔を映し合い、スマフォのカメラで実際に描いている絵を移す2カメラ仕様で実施しました。けっこう普通にいけちゃうなこれ。

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まず、私が娘ちゃんに教えたいこと。それは、絵を描く道具っていろんなものがあって、道具をしっかり準備することの大切さです。せっかくレッスンとして絵を習うのであれば、お絵かきとかいたずらがきの範囲で終わらないところまでは教えたいな。デッサンする道具って学校ではなかなか習わないし!今回使う道具で用意してもらったもの。

・鉛筆6B~6Hくらい(三菱かステッドラーがおすすめ)
・練りゴム
・スケッチブック( B3サイズくらい)
・カッター
・ガーゼ

です。本当は木炭とかもあれば、木炭デッサンができて、より触覚的に絵を描くことができるんだけど、木炭を使うと部屋じゅう木炭だらけ&娘ちゃんの鼻の穴も木炭だらけになるので、今回はパス。まずは、絵を描くための鉛筆づくりからやっていきます。ほとんどの人が鉛筆は鉛筆削りで削って書くくらいだと思います。でもデッサンをするときはカッターで鉛筆を削ってあげると、鉛筆なのにいろんな色の調子や質感が出せるようになります。絵の世界が広がるためにもこういった道具をしっかり作れるようになるといいと思います。小学3年生がカッターを使うのは少し危ないから、父・澤田さんの見守りのもと、鉛筆を削ることからスタートです。

鉛筆を削る方法はひとそれぞれやりやすい方法でいいのですが、ポイントは鉛筆の芯を長く作ってあげること。そのためには、鉛筆の芯を支える木の部分を山をつくようにして削っていきます。これが大人でもけっこう最初は難しい。娘ちゃんがんばってる。

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鉛筆の芯を長く作ってあげることで、芯の先っぽでは細い線が描け、芯を寝かせてお腹の部分で描いてあげると、鉛筆の微妙なグレーが幅広くつくれるんです。はい!目から鱗!娘ちゃん初めてなのに、凄い上手にやっています。

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上出来上出来。私なんか初めてカッターで鉛筆削ったの高校3年生の夏!一応、参考までにこういう風に削ると鉛筆完成です。

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次に練りゴムをコネコネして柔らかくします。これは誰でもできるやつ!コネコネ。練っているうちにだんだんと、柔らかくなってきて伸び~~るようになってきます。これを自分の使いやすい大きさにして使っていきます。

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そして、この練りゴム、ただの消しゴムだと思っていませんか!?そんな大人はこのデッサン講座オススメしちゃいます。はい、目から鱗タイム!実はこの練りゴムは消しゴムのように間違いを消すこともできるのですが、「白で描く」道具でもあるのです!!.......白で描く?は?って思っているそこのあなた、見てください。

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このように、練りゴムを細く形作って、鉛筆でつくったグレーの上から白を描いていけるのです。

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また、練りゴムで画面を少し叩くようにして鉛筆のグレーを調整して、微妙な調子を出せたりもします。

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そう、練りゴムは白で描く道具なのです!どどーん。

そして、ガーゼです。ガーゼは鉛筆のグレーの調子を整えたり、しっとりさせたりするために使います。このように綺麗にガーゼを畳んで、折り目のお腹の部分を使って、優しく鉛筆のグレーを撫でていきます。

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すると、はい、目から鱗してください。鉛筆で描いただけではなかなか出ない、しっとりとしたグレーの調子ができるんです。その上からさらに練りゴムで白で描いていったりすると、複雑な色味ができてきます。はい、あなたいま感動していますね。このように、鉛筆をつかったデッサンでは「鉛筆の黒」と「練りゴムの白」で絵を描いていくのです。ほんとは、擦筆とか、鉛筆の粉とかほかにもいろんなアイテムがあるのですが、それはまだ秘密じゃ!

3.物を見て描いてみる

今回、描きたいものは特に指定しませんでした。描きたいものを自分で選んで好きなように描く。それが最初は大事なことだと思います。娘ちゃん、爽やかなブルーの模様のグラスを選びました。

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ガラスのコップはデッサンにはとても適しています。なぜなら、透明なので、透けて向こう側も見えたり、反射したものが見えたり、床に落とす影もガラスならではの綺麗なグレーを作るんです。ナイスチョイス。最初は、あまり描き方や決まりを作らないで、とにかく描いてみる。そして、絵を描く上でとくに最初の段階で大切なことは、「道具をたくさん使って慣れる」ということと、「なるべくよく物を観察して描く」です。これが意外と奥が深いのです。例えばグラスを描こうとしたとき、どうしてもそのグラス自体は描くのですが、床に落としている微妙なグレーの影や、光の様子などまで意識がいきません。そういうところは、少しだけアドバイスします。影のグレーを丁寧に追っていくことで、グラスの質感を表現できることもあるんです。目から鱗してください。

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娘ちゃんもしっかり、影を描いていっていますね。あとは、細かいことは最初は何も言いません。自分の見えたもの、気になったものは自然と絵のなかに現れて来ます。そういうのを見てると、ああこの子はこういうところを気にして、観察しているんだなあと、こちらも楽しくなって来ます。そういう観察というのは人それぞれ違うもので、とても多様性があると感じます。娘ちゃん、初めてのデッサンなのに、とても丁寧にグラスの色味や模様を追っていますね。

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もはや私の高校三年生を超えておる!お前に教えるものはもはや無い!

4.絵を描く静かな時間

今回のレッスンは1.5時間実施しました。そのうち半分くらいは、最初のイントロダクションと、道具の作り方を教えました。道具はとても大事なので、絵を描く前に必ずメンテナンス、準備することが重要です。私が美大の試験を受けに行った時なんかは、試験開始前には受験生の鉛筆を削る音が会場に響き渡るを覚えています。いまでも寝ている時、その音でうなされたりします。(嘘です)

あとから、娘ちゃんの様子や感想を聞くと、とても集中して取り組んでいたそう。よかったよかった。なかなか絵を長時間描くという機会ってあまり無いですよね。でもこの絵を描いている静かな時間というのは、集中力も養えますし、なにより普段生活している身の周りの世界の見え方が少しだけ変わっていきます。いままで、グラスの落とす綺麗なグレーの影なんて、ちゃんと見たことあったかしらとか。そういう身近な世界を観察するということが、日々の営みにもきっと良い影響を与えるのではないかな。今回は実験的に実施したデッサン講座ですが、澤田さんの音頭のより、週一開催の予定…..アツイ!もし興味のあるかたは、ぜひお問い合わせくださいね。

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