何よりも、望むこと
「自分たちに、支援はいらない。
望むのは、悪夢のようなこの狂気を
一刻も早く終わらせてほしい。
ただ、それだけ」
怒り、憎しみ、恐れ、悲しみ。
家も家族も一瞬の爆撃で失った男性の目には
そんな感情が色濃く浮かんでいた。
数日前。
瓦礫の山を背に立ち尽くし、
カメラに向かって訴えかける異国の人の映像を
ただ テレビの前で見ていた。
あらゆる国と場所に繋がっている
同じ空の下
今もどこかで爆音が上がり、
建物が破壊され、
失われなくてもいい命が失われ、
胸をつぶされるような思いをしてる人がいる。
今も、どこかで。
雲ひとつない快晴の朝。
ゴミ出しを終えた後の足を止めて、
少しだけ空を見つめた。
鳥のさえずりしか聞こえない、静かな朝に。
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