雑記~The Giving Tree

写真のような切り株を見ると、Shel Silversteinという作家が書いた(描いた)The Giving Treeという絵本を思い出します。好きな本、好きな作家です。

Once there was a tree...and she loved a little boy.

この本では冒頭でsheという代名詞を使うことで、この木が女性であることが明らかになります。一方で、翻訳をするにあたってsheを「彼女」としてしまうと、「彼女」が木を指すことがわかりにくくなってしまうんですよね。この本の翻訳はほんだきんいちろう訳と村上春樹訳の2種類が出版されていますが、いずれもsheは「木」と翻訳されています。日本語としては自然ですが、木が女性であることはわからないままに話が進んでいきます(ちなみに両翻訳ともに別な方法で木が女性であることがわかるように工夫されています)。これはこの物語を解釈する上で重要なポイントになり得ると思います。では、「木」以外にどのような翻訳が考えられるでしょうか。私には「木」以外に何も思い付かないんですよね。難しいですね。

2年前ほど前に気が付いたのですが、私は大きな樹木に畏敬の念を感じる傾向があるようです。私がこの本が好きなのは、そのせいなのかも知れませんね。

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