「忖度」から多選批判を考える

しばしば「多選」という単語はネガティブな意味で使われます。この記事では、多選が地方自治体の政治に引き起こす問題や弊害について紹介し、5選目を目指す清原現三鷹市長の問題点を指摘します。
国が研究会を設置して多選の合理性について判断を示したこともあるように、多選は地方自治体における重要な課題です。神奈川県や東京都杉並区など、多選制限条例等を制定している自治体もあります。
それでは、多選はなぜ問題なのでしょうか。
北朝鮮を例に挙げるまでもなく、一般的に、人は長い間高いポストに居続けると、専制化・独裁化する傾向にあります。地方自治体の首長は、行政の人事権や毎年の予算を決める決定権、土地利用の許認可権等を一手に握る、非常に強い権限を持つポストです。首長が多選の結果独裁化することで、人事の停滞や側近政治により職員の士気が低下し、癒着による腐敗も起きやすくなるとされています。安倍政権で問題とされている「忖度」も、同様の土壌から生まれたと言えるのではないでしょうか。

実際に、多選の弊害は目に見える形で表れています。
清原慶子オフィシャルサイトにあるこれまでの実績に記載されている「みたか市政に対する国内外からの表彰」を見ると、1期目、2期目にはそれぞれ10項目以上の表彰実績があげられていますが、3期目にはこの項目がなくなっています。おそらく、1、2期と比べて項目が少なくなりすぎて、除外したのではないかと推測されます。
  また、国の各種補助金や特区制度等を利用した先進事業に積極的に取り組む姿勢も、このサイトからは読み取れません。
 これらのことから、職員に積極的に先駆的な新事業に取り組もうとする姿勢は感じられません。また、「清原市長はだれも止められない」という幹部職員たちの声も数年前からよく聞かれ、幹部のイエスマン化が深刻化していると推察されます。上記の多選の弊害が、今まさに三鷹市で起きているのです。

参考「みたか市政に対する国内外からの表彰」
※ 清原慶子公式サイトhttps://www.kiyohara-keiko.org/
1期目(2003年から2007年)
2004年 03月 第三回日本の環境首都コンテスト 地球温暖化防止部門人口別第四群一位(環境首都コンテスト全国ネットワーク)
2004年 09月 社会情報システム貢献賞(日本社会情報学会)
2004年 10月 体力つくり優秀組織表彰内閣総理大臣賞(内閣総理大臣)
2004年 10月 第四回行政革新度調査全国一位(日本経済新聞社・日経産業消費研究所)
2005年 06月 インテリジェント・コミュニティ・オブ・ザ・イヤー(情報都市づくり
世界第一位)(世界テレポート連合WTA)
2005年 10月 「情報通信月間」経済産業大臣賞(経済産業省)
2006年 03月 毎日・地方自治大賞(毎日新聞社)
2006年 03月 情報セキュリティ文化賞(情報セキュリティ文化賞審査委員会)
2006年 06月 「情報通信月間」総理大臣表彰(総務省)
2006年 10月 第五回行政革新度調査全国一位(日本経済新聞社・日経産業消費研究所)
2006年 11月 公立美術館の実力評価小規模館第一位(美術ギャラリー)(日本経済新聞社)
2007年 01月 東京都教育委員会職員表彰団体表彰(にしみたか学園)(東京都教育委員
会)
2期目(2007年・平成19年から2011年・平成23年)
2007年12月 サステナブル(持続可能な)都市ランキング全国1位(日本経済新聞社等)
2008年05月 首都交通対策協議会会長賞(東京都知事)
2008年12月 第6回行政革新度調査及び行政サービス度調査ともに全国の市で1位(日本経済新聞社等)
2009年01月 下水道法制定50周年記念表彰(国土交通大臣)
2009年08月 e-都市ランキング2009年全国第3位(日経BPガバメントテクノロジー)
2010年03月 自治体サイトランキング全国第2位(ホームページ)(ゴメス・コンサルティング株式会社)
2010年05月 第13回交通工学研究会技術賞(大沢の水車保存)(社団法人交通工学研究
会)
2011年02月 ファシリティマネジメント大賞・最優秀賞(社団法人日本ファシリティマネジメント推進協会)
3期目(2011年・平成23年から2015年・平成27年)
4期目(2015年・平成27年から2019年・平成31年)