2019三鷹市長選挙 徹底比較・清原慶子vs河村孝

4月21日に迫った三鷹市長選挙は、現職で5期目を目指す清原慶子氏と、新人で元三鷹市副市長の河村孝氏による一騎打ちです。河村氏は清原氏が市長に就任した2003年から12年間にわたって清原氏の下で副市長を務めてきました。そんな二人が市長選で激突するというのは異例の展開で、マスメディアもこの三鷹市長選には大きく注目しているようです。

この記事では、二人の経歴や政策、さらにはネット戦略まで、徹底的に比較していきます!投票する際の参考になれば幸いです。

①経歴
清原慶子候補
https://www.kiyohara-keiko.org/profile
1951年生まれ。慶応義塾大学の博士課程を退学した後、いくつかの私立大学に教員として勤務。2003年に三鷹市長に当選し、以後4選。様々な公職経験を持つ。

河村孝候補
https://kawamuratakashi.jp/profile.html
1954年生まれ。早稲田大学卒業後、三鷹市に入庁。「三鷹の森ジブリ美術館」の誘致など、三鷹市のまちづくりに責任者として関与。先進自治体として知られた三鷹市を市役所職員・副市長として支えた。

②二人の関係
清原氏と河村氏は、12年間にわたって市長と副市長として、三鷹市の運営の中心を担ってきました。2015年には、清原氏が一度は引退を宣言して河村氏を後継に指名したものの、河村氏が病に倒れたことから、清原氏が立候補して当選しました。しかし、今回の選挙では両者が共に立候補し、全面対決となっています。
参照:https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201902/CK2019021502000130.html

③実績
清原氏は三鷹市長を16年間務めてきました。三鷹市は清原市長の就任以来、「サステナブル(持続可能な)都市ランキング全国1位」「インテリジェント・コミュニティ・オブ・ザ・イヤー(情報都市づくり世界第一位)」「毎日・地方自治大賞」「e-都市ランキング2009年全国第3位」などなど、国内外の数多くの賞を受賞してきました。しかし、注目すべきなのは、これらの受賞が1期目から3期目、つまり、河村氏が副市長だった期間に集中しており、河村氏が去った後の4期目では目立った実績を残していないのです。
これをどう解釈すればいいのでしょうか…。三鷹市がすでに十分発展したからなのか、それとも後で述べるように、多選の弊害が表れているのか。この点は有権者が自らの目で判断する必要があるでしょう。
一方の河村氏は、現職ではないため市長としての実績はありませんが、市役所職員としては様々な実績をあげてきました。ジブリ美術館の誘致、「太宰治賞」復活の交渉責任者、街づくりに関する懸賞論文で最優秀賞を獲得、などなど、一市役所職員としては驚くほどの実績が並んでいます。

④多選の弊害?
北朝鮮を例に挙げるまでもなく、一般的に、人は長い間高いポストに居続けると、専制化・独裁化する傾向にあります。地方自治体の首長は、行政の人事権や毎年の予算を決める決定権、土地利用の許認可権等を一手に握る、非常に強い権限を持つポストです。首長が多選の結果独裁化することで、人事の停滞や側近政治により職員の士気が低下し、癒着による腐敗も起きやすくなるとされています。
では、三鷹市にはこの弊害が見られないのでしょうか。上記の表彰に関してもそうですが、三鷹市がここ数年で国の各種補助金や特区制度などを利用した先進事業に積極的に取り組む姿勢を見せていません。このような、最近の清原市長に見られる、新しいことを積極的に行わない態度には、多選ゆえのおごり・緩みが出ていると言えるかもしれません。
河村氏は、清原氏が進める市庁舎の建て替え事業は必要なく、税金の無駄遣いだと指摘しています。河村氏の指摘が正しいとすれば、このような意思決定がなされる背景にも多選があるのかもしれません。

⑤ネット戦略
両者ともにホームページとツイッターを利用して発信を行っている点では、60代の候補者の割にはネットに親和的で好感が持てます。ただし、河村氏のアカウントはフォロワー156人、清原氏のアカウントに至ってはフォロワー28人と、十分な情報発信ができているとは言い難い状況です(4月13日現在)。ホームページの使い方にも差があり、清原氏のホームページ(https://www.kiyohara-keiko.org/)は文章中心で内容量が多いのに対し、河村氏のホームページ(https://kawamuratakashi.jp/)はイラスト中心で見やすくまとめられている印象です。

⑥最後に
ここまで、三鷹市長候補の二人について徹底的に比較してきました。まとめるならば、「継続・安定・現状維持の清原か、改革・成長の河村か」という印象を受けました。
三鷹市民の皆さん!4月21日は投票に行き、これからの三鷹を委ねる相手をしっかり自分の手で選びましょう!