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適性作文を早期に対策する重要性

お盆が過ぎました。もうすぐ夏休みが終わりますね。

みなさんは今年の夏をどう過ごされましたか。

新型感染症で昨年までは家族旅行などに行けなかった人が多かったので、今年はリベンジ帰省やリベンジ旅行をされた人も多かったのではないかと思います。

その分、勉強時間が例年より少なくなってしまった受検生がいたかもしれません。

学校の宿題は、もらったら早々に片づける派と、締切が近づいてから一気に片づける派に分かれそうですが、早々と片づける派の方が、思う存分に夏休みを楽しめたのではないでしょうか。

夏休みの宿題で、最も後回しになりそうなのが、受検生以外は読書感想文、受検生は適性作文の対策かと思います。

読書感想文は一本書ければ終わりになりますが、適性作文は1本では終わりになりません。合格レベルに達するまで何度も書き直すことになりますから、おなじテーマで5回とか7回とか書き直しになる受検生も多いです。

出題が予想されるテーマのすべてをカバーしようとすれば、テーマは50~60題にはなりますから、一つのテーマごとに平均5回ほど書くと仮定すると250本~300本の適性作文を書くことになります。当然に1回の夏休みだけでは攻略は不可能です。

小6ではこれに受検校の過去問演習が必要になってきます。早い人は小6の春から、遅い人でも小6の夏には取り組み始めるかと思います。過去問題集にはおおむね10年分の過去問が収録されていますから、これも1年分あたり5回書くとなれば1校あたり50本の作文を書くことになります。毎週1本では約1年かかる計算になります。

しかも過去問は適性作文問題集よりも難易度が高いことがほとんどです。特に都立中高一貫校の適性作文は難易度が高いです。具体的には都立中高一貫校の過去問は課題文2件が標準ですが、適性作文問題集は1件か2件というのが一般的だからです。しかも過去問の方が課題文それぞれの文字数が多いことがほとんどです。

標準的な公立中高一貫校の1校分の適性作文対策としては、合計すると300本から350本の作文を書く計算になります。土日も休まず毎日1本書いてちょうど1年かかります。土日を休まず隔日で1本書いて丸々2年かかります。平日だけなら毎日書いて約1年数ヶ月、平日に隔日なら2年半ほどかかります。

最初から合格しそうな相当に高い総合学力の持ち主なら、この半分程度でも合格できるようになれるかもしれません。しかしほとんどの受検生は合格するか合格できないかは、しっかりと対策をしてみないと分かりませんから、適性作文の完成までに2年程度かかると考えておいた方が安全でしょう。

適性作文よりも適性算数や適性理科や適性社会を優先すべきだという考え方もあるかとは思いますが、適性作文で大幅に失点すると適性算数や適性理科や適性社会を闘う前に不合格がほぼ確定してしまいます。

逆に適性作文で高得点をたたき出せば、続く適性算数や適性理科や適性社会で余裕をもって挑戦ができます。それどころか適性算数や適性理科や適性社会での惜しいミスまでカバーしてくれさえします。

適性作文を後回しにすることの危険性が高いことはお分かりいただけたかと思います。取り組む努力量を示すと一般的には次のようになるでしょうか。

適性作文 > 適性算数 >> 適性理科 > 適性社会

適性社会であっても相当な対策時間が必要ですから、適性作文の取り組みがどれだけ合否に影響するかをしっかり認識しておきたいところです。

実は合否の判定にはこれらに報告書点が加わります。小石川を例に取れば配点比は次のようになります。

報告書点200
適性作文200
適2算数60
適2社会80
適2理科60
適3算数100
適3理科100

合計800点

整理すると、

報告書点200
適性作文200
適性算数160
適性理科160
適性社会 80

合計800点

比率で示すと、

報告書点25%
適性作文25%
適性算数20%
適性理科20%
適性社会10%

つまり、報告書点と適性作文で合否判定の50%を占めるということになります。適性作文だけで合否の25%を占めます。これは適性算数や適性理科や適性社会よりも配点が大きいためです。

適性作文は大きな点数差がつかないと思い込んでいるようでしたら認識が甘いです。規定文字数を埋めても0点や5点をつけられることはざらにあります。かなり上出来かなと思っても50点にはなかなか届きません。合格ボーダー得点率がおおむね60~65%だとすると、適性作文の点数が振るわなければ、残りの適性算数や適性理科や適性社会ではなかなか挽回ができません。もし報告書点にハンディがある受検生であれば適性算数や適性理科や適性社会で挽回するのはほぼ不可能になります。

適性作文対策の重要性をお分かりいただけたでしょうか。

夏に十分な適性作文対策ができなかった受検生も、まだ諦めるには早いです。秋からの本番までの数ヶ月で、すでに適性作文演習300本に取り組み済の受検生に負けないくらい、適性作文対策にしっかり取り組んで挽回を目指しましょう。

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