駅の図書室 📖
駅のコンビニが閉店してずっとシャッターが降りていた場所に、なんと図書室が出来ていました。
前にその前を通った時は、中に人が何人か座ってるのが見えたものの、本があることには気づきませんでした。
昨日通った時に入口近くに「駅の図書室」と書かれたプレートを見つけて、中に入ってみました。
蔵書はわずかですが、近隣の街の作家さんのコーナーがあったり、大人も読んだ方がいい絵本というコーナーがあったりして興味をそそられました。
棚を巡っていると、私は「あっ!」と小さな声をあげました。
昔、何冊も詩画集を買い、遠くの美術館を二度訪れた星野富弘さんの、まだ読んでいなかった花の詩画集が2冊、目に入ったのでした。
そこには、いろんなかたちの椅子が置かれていて、みなさん思い思いに好みの椅子を選んで座っているようでした。
私はその中の柔らかなソファーに身を沈めて、それをむさぼり読みました。
星野さんのお元気そうな写真もありました。
その中に桃の花の絵に添えられた詩がありました。
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「春の縁側」モモ
桃の花が笑って
花びらが
いくつか落ちた
おばさんも笑って
入れ歯が落ちた
うららかな
春の縁側
星野富弘詩画集
「花よりも小さく」 偕成社 より
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ようやく訪れた春の、明るくあたたかな光を感じて笑みがこぼれました。
この後行くところがあってゆっくり読めませんでしたが、次はじっくり読むために来ようと思いました。
帰ろうとするとここを管理しているらしき青年がにこやかに会釈をしてくれ、少しお話をすることができました。
「なんか、ここ好き…」
高校3年間、図書委員をしていてお昼休みと放課後にカウンターで本の貸し出し、返却の受付や本棚の整理、製本(傷んだ本を整え、表紙を付け替え、背表紙に電熱ペンで書名を入れる)などをしていたので、本のある空間か好きなのです。
この図書室を、どんなところが運営しているのかもわかりませんが、なにか新しい居場所ができたような楽しい気持ちになりました。
今度行く時はおすすめの絵本を2冊持っていこうと思います。ただ家に置いておくより沢山の人に手に取ってほしいと思うのです。
♡星野富弘さんについては、こちらをご覧ください
https://tomihiro.net/profile/
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