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Azure OpenAI Service解説!ChatGPTとの違いや何ができるのか!?

みなさんこんにちは、ネッコスの井口です。最近はGoogleもMicroSoftもMETAも生成型AIを公開してきて、いろいろな活用方法が考える状況になりましたね。

本当は全部合わせて1つの生成AIを作ってくれたらすごいことになりそうですが、実際にはなかなか難しそうですね…。競争も必要なのかもしれませんし。

そんな色々台頭してきた生成AIサービスの中から、本日はMSとOpenAIが協業で開発しているAzureOpenAIServiceについて少しお話ができたらと思います。

Azure OpenAI Serviceとはどんなサービスか?

まずは実際にAzureOpenAIServiceがどんなサービスで、どう利用していくらぐらいで利用できるのかについて解説していきたいと思います。

Azureロゴマーク

Azure OpenAI Serviceの概要

AzureOpenAIServiceは、Microsoft Azureのクラウドプラットフォーム上で提供される、OpenAI社の人工知能(AI)サービスになります。

利用できるモデルがChatGPTやGPT-4、Codex、DALL-Eなど様々な中から選ぶことができ、Azureのプラットフォームを利用することでOpenAIよりもセキュアに利用ができます。

こういったAIへのアクセスをREST API、Python SDK、そしてWEB上のインターフェースからアクセスを行え、サービスへの組み込みやGPT4と同等のLLMを利用することができます。

Azure OpenAI Serviceの利用料金

AzureOpenAIのサービスの中にはChatGPTの有料プランでも利用できるGPT4も含まれており、それぞれのモデルで価格設定された従量課金の形態が取られています。

現在の価格設定は下記のようになります。

GPT-3.5-Turbo16K 
プロンプト (1,000 トークンあたり)$0.003
完了 (1,000 トークンあたり)$0.004

GPT-4 8K
プロンプト (1,000 トークンあたり)$0.03
完了 (1,000 トークンあたり)$0.06

GPT-4 32K
プロンプト (1,000 トークンあたり)$0.06
完了 (1,000 トークンあたり)$0.12

Dall-E(画像モデル)
(100画像当たり)$2

これらはリージョンや為替などによって異なる場合があります。
あくまでこの記事執筆段階での金額になります。
最新の情報はこちらから確認できます。

Azure OpenAI Serviceの利用方法

実際にサービスを利用する方法についても解説します。

まずはAzureのWebサイトにアクセスして、サブスクリプションを作成します。
そのためにはマイクロソフトのアカウントが必要になるので、無い場合は作成しましょう。
Azureのサイトにログインしたら新たなサブスクリプションを作成します。

その後、Azure OpenAI Serviceの利用申請が必要になります。こちらの申請はだれでも申請すればOKという形ではなく、パートナー企業やAI利用に対してのリスクが低い形での申請、リスクの軽減への配慮をした申請が必要になります。

ChatGPTAPIの利用とは違い、よりセキュリティ、そして悪意に対して配慮をされている状況になっています。

OpenAI(ChatGPT)との違い

Azure OpenAI ServiceもOpenAIと共同開発されていますし、実際に利用できるモデルにもGpt4等が含まれています。

ではChatGPTの利用とAzure OpenAI Serviceでは何が違うのでしょうか?

基本的に、モデルの互換性は確保されているのでモデル自身の差異はありません。ただ、最新のモデルが出た場合OpenAIの方が優先的に公開されるので最新のモデルを利用したい場合はOpenAIの方に旗が上がります。

AI学習

そして基本的にOpenAIと違い入力情報がAIに学習されない、Azureのセキュリティ機能を利用できるためOpenAIでの利用よりも安全で機密性があります。

また、Azure OpenAI Serviceはクラウド上での運用になるため、スケーリングがスムーズという点も違います。業務規模や内容によって好きにスケーリングができるので、拡大したい場合も縮小したい場合も容易にサービス上で対応することが可能です。


Azure OpenAI Serviceは実際何が出来そうか?


Azure OpenAI Serviceについて簡単に解説してきましたが、実際に利用することでどんなことが出来そうか?ChatGPTと大きく何が違うか、みたいな点についても解説していければと思います。

ファインチューニングが比較的簡単にできる

ChatGPTを社内で利用する場合、社内情報やデータをモデルに再学習させるファインチューニングが必要になります。

Pythonでも普通に可能ですがAzureの管理画面からGUIでアップロード形式でもトレーニングデータを渡してGUIで設定を行い、ファインチューニングおよびモデルのカスタマイズを行うことができます。

その結果簡単な操作でファインチューニングを行い、自社サービス向けのカスタマイズされたモデルをAzure上に設置して利用することが可能です。

Add your data

上記のファインチューニングよりももっと簡単にカスタマーサポートに利用できるのがAdd your dataと呼ばれる機能です。

出典元 クイック スタート: 独自のデータを使用して Azure OpenAI モデルとチャットする

Azure Cognitive Searchにすでにアップロードしてあるデータの中から検索を行い、それをチャットに組み込んでくれます。

すでに溜まっている自社データを生かす、自社向けのカスタマーサポートを作成する、と言った時にはデータ自体も安全な位置に置いておき、そこから情報を引き出してくれるので簡単なチャットボットなどであればこれだけで実装が可能そうです。

また、データ分析などにも利用できるんじゃないかと思います、そしてレポート化までをAIで行えれば非常に楽ですね。

Azure OpenAI Serviceを実際導入している企業

それでは実際すでに導入をして、活用している企業の事例もいくつかあります。

セガサミーホールディングス株式会社

社内で利用しているMicrosoftのTeamsと連動して、社内規定やFAQなどを今後取り込んで日常業務全般の申請や事務手続きを支援するパーソナルアシスタントAIを目指しているそうです。

また、元々ChatGPTが話題になってから業務に利用し始める社員が出た結果、シャドーITとしてセキュリティリスクを持ったことも、それならいっそセキュアなAI利用を管理できるようにと考えたことも導入の決め手になっています。


三菱UFJ銀行

Azure OpenAI Serviceを活用して、顧客からの問い合わせに自動的に回答するチャットボット「MUFG Chat」を開発しました。MUFG Chatは、OpenAIのChatGPTをベースに開発されたもので、自然言語による問い合わせを理解して、回答することができます。これにより、三菱UFJ銀行は、問い合わせ対応の効率化と顧客満足度の向上を実現しています。

MUFGチャット

楽天生命保険株式会社

Azure OpenAI Serviceを活用して、代理店向け専用端末に組み込み、自然な会話上でのサポートを元々利用していたAIアシスタントとGPTを組み合わせることで24時間365日代理店向けの営業活動時の留意点や話題提供など行い、課題解決や営業活動の促進を促すようにしています。


LINE AiCall

LINE CLOVAの機能の一つとして、Azure OpenAI ServiceでChatGPTを利用し、自然な言語と発音の自動音声対応サービスを提供しています。また、各企業のデータ学習も行え自社専用の自動返答サービスを利用でき、問い合わせ対応の効率化などを行えるようにしています。

出典元 LINE AiCall|LINE CROVA

このような感じで大手になると、よりセキュリティ精度の高いAzure OpenAI Serviceを利用してChatGPTを組み込む形を取っているようです。

最後に

Azure OpenAI Serviceについて色々と見聞きしたことについて書いてみましたが、ChatGPTのAPIを使うか、Azure OpenAIを使うか、というのは扱う内容によって結構変わってくるんじゃないかと思います。

どちらがより良いとかはないと思っているので、目的に合ったものを選んで利用しましょう。

AzureでPaas的なサービスを作りたい、なんて方がいましたら是非ネッコスにご相談ください!





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