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【週末暇?】レトロモダンな港町

初っ端からこんな事書くのはアレだが・・・まぁホントはね、今日門司港を訪れたメインの理由は門司港にある出光美術館で開催されている琳派芸術を見に来たんだ。

もちろん琳派芸術の優雅な美しさは自分が語るまでもないが、ここに限らず総じて美術館というのは撮影禁止なのでね。いくらここにその素晴らしさを書き連ねたとて伝わらんだろうと・・・。

そんな訳で琳派芸術を堪能した後、門司港レトロと称される一帯を散策してみる。

ここ門司港は本州と九州を分ける関門海峡の九州側、言わば本州と九州を結ぶ物流拠点であり九州の玄関口である。それだけではなく古くから大陸との交易拠点でもあった。

そのため文明開化後、近代化の折に門司港には物流会社や貿易会社の社屋、税関などの庁舎、鉄道駅など多くの近代建築が建てられたのであった。

そして明治から昭和初期にかけての近代建築の多くが幸いにも戦火で破壊される事なく今に残り、海峡に面した港町としての開放感となんともレトロな雰囲気の街並みを観光できる地区である。

自分は海峡を挟んだ本州側、山口県下関市在住なんだが、意外とここら辺はあまり散策した事がないのだ。海峡の向こうの別の県といえども、いちばん狭いところでは600m程度しか離れていないのである。

これは夕暮れの関門海峡を下関側から撮影したもの、画像左側が門司、右側が下関である。これだけしか離れていないので「わざわざ訪れる」というほどの距離ではなく、いつでも行ける近場という感覚だったので、意外と知らなかったりするのだ。灯台モトクラシーである。

と、関係ない写真ばかり並べて語っても仕方ないので、そろそろレトロモダンを堪能していこう。

大連友好記念館

これは実は近年に複製建築されたものである。

モデルとなったのはロシア帝国が中国の大連市に1902年に建築した東清鉄道汽船会社の建物である。1907年には大連倶楽部、1926年には日本橋図書館、第二次世界大戦後は集合住宅として使用されていた建物を1996年に大連芸術展覧館として復元された建物・・・を建築当時の装いで複製した建物である。

なので1階はこの雰囲気でまさかの中国料理店である!

2階はコミュニティスペースになっているので建物内は無料で入れる。

まぁ複製建築なので雰囲気はあれど暖炉なども実際に使用された訳ではないので歴史的な重厚さはちょっと薄いかなと・・・

で、そんな窓から見えるのが・・・

旧門司税関庁舎

明治時代、神戸・横浜に並ぶ国際貿易拠点だった門司に税関庁舎として建てられたルネサンス様式の建物で、1994年に修復された。

どうだ、ヒロ・ヤマガタの絵みたいだろう?

内部は大幅に作り変えられている。というのも、昭和2年に税関は門司港湾合同庁舎に移ったため、民間に払い下げられ事務所や倉庫として使用されたのである。

しかしそのレンガはこの街の中に在り続けた歴史を感じさせる。

展望室の窓から見える関門海峡、対岸の高い建物は下関の海峡ゆめタワー

旧大阪商船ビル これが建てられた大正時代、門司港には台湾や中国、遠くはインド、ヨーロッパとを往来する貨客船が1ヶ月に60隻以上も運航していたそうな。

大阪商船もそんな会社のひとつ 当時1階は発着する客船の待合室、2階は事務所だったらしい。レンガのオレンジと石造りの灰色がなんともモダン

建物ではないが・・・門司といえば鉄道の拠点でもあった。

これはワンマン車100型という電車らしい。木造の床がまた何ともいい。

昭和15年製、昭和36年改造、昭和46年改修、昭和60年まで稼動していたそうな。

この簡素ながらもメカメカしい感じはSLとはまた違ったロマンがあって良い・・・

そしてこれが門司港駅

どうだ、ヒロ・ヤマガタの絵みたいだろう?(2回目

何がすごいって・・・大正時代に開業したここ門司港駅は今でも現役で使われている駅なのだ!

切符売り場は自動化されたが、その雰囲気は今も残っている。

なお、みどりの窓口(有人の切符売場)も現役であるよ!

かつての公衆電話「自動電話室」

旧JR九州本社ビル 「なんだ、ただの古いビルじゃん」と思うかも知れないが、なんと昭和11年の建築である。太平洋戦争よりも昔の83年前、アメリカ式オフィスビルとして建築され、九州一の高層ビルだったらしい。

重厚なエントランス 元々は三井物産門司支店として建てられたビルだそうな、その後国鉄が買収し、平成13年までJR九州が北九州本社として使用していた。

旧門司三井倶楽部 大正10年、三井物産の社交倶楽部として建築された。クラブ↑(パリピの社交場)ではなくクラブ↓(大人の社交場)である。

木造の骨組にレンガや漆喰を用いるハーフティンバー様式といわれるヨーロッパの伝統的建築に幾何学的なアールデコ様式の窓枠を合わせるモダンな造りである。

そしてここは物理学者アルベルト・アインシュタイン博士が来日した際に宿泊したところでもあるそうな。

ここ門司港レトロと呼ばれる一帯には数多くの歴史的建造物が残っている。そして飲食店などとして利用されているところも多い。

門司は焼きカレーやチャンラーなどのグルメの発祥の地でもあり、この雰囲気を生かしたカフェなども多い。この明治大正のモダンテイストの中で舌鼓を打つのも一興ではなかろうか。

門司港レトロ近辺には観光用のトロッコ列車も走っているぞ!出光美術館前、ノーフォーク広場と海沿いを通って関門橋のすぐ下、和布刈公園(めかりこうえん)まで行ける。

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