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大投票1位に輝いた「FF10」。数多くのユーザーを惹きつけたものの正体は何なのか

お疲れさまです。ゲームライターのミスノです。

NHK BSプレミアムで放送された「発表!全ファイナルファンタジー大投票」で,「FF10」が1位になりましたね。
僕はFF7が1位になると予想していたのですが,外れてしまいました。しかしFF10の1位も納得です。FF10はユーザー評価が極めて高く,自分の周りでも「一番好きなFF」と公言している人がたくさんいるんですよね。もちろん,ネットを見ても同じことが言える。

ちなみに僕が一番好きなFFは「6」なのですが,こちらは3位でした(笑)。「FF7」は2位。

とはいえ,初めてFF10をプレイした時は衝撃的でしたし,FFが次のステージに進んだことを顕著に感じた作品でもあったんです。

今回は,「FF10」がシリーズにおいてどのような立ち位置であり,どのような影響をもたらしたのかを僕なりに考えてみました。

(動画はこの記事のYou Tube版です)

FF10が発売された時代

ナンバリングFFを,リリースされてきたコンソール別に分けてみました。

ファミコン(1,2,3)
スーパーファミコン(4,5,6)
プレイステーション(7,8,9)
プレイステーション2(10,11,12)
プレイステーション3(13,14【新生】)
プレイステーション4(15)

本記事の主役でもある「FF10」は,PS2初のナンバリングです。
今でも覚えているのですが,FF8がリリースされ,FF9の発表に注目が集まっていた当時,「次」のFFがお披露目となるイベントがあったのですが,その時,9,10,11と3タイトル同時に発表されたんですよね。

その時自分はユーザーだったのですが,雑誌でその情報を知った時はなかなかの衝撃を覚えました。「FFほどの大作を一気に3本も発表するんか!」と。

しかも,FF9は2000年,FF10は2001年,FF11は2002年リリースなので,ほぼ一年おきに出ている。今のスパンを考えると驚異的なスピードです。

現在とは開発の規模が違うので一概に比べることはできませんが,それでも凄いと思います。当時ですら,大作RPGは開発に3〜4年とかあたりまえの時代でした。FFはそれぞれ別チームが作っているとは思いますが,それでもやはり凄いと言わざるを得ない。

殻を破った挑戦,ボイス実装


FF10は,PS時代のFF(7,8,9)とは別質のものでした。
常に挑戦を続けてきたFFですが,FF10はプラットフォームが当時の最新機種PS2ということもあり,挑戦の内容もそれまでとは異なっていた。

グラフィックスの進化はいわずもがな。役者を起用したボイス実装も大きなインパクトですね。意外ですが,FFシリーズのボイス実装は他のRPGと比べてもそれほど早いタイミングではなかったんです。
しかしボイスを実装するという殻を1つ破ったことで,新たな表現方法である「声」を手に入れ,ドラマへ深みを与えることに成功。

仮にFF10がボイスなしだったら,それはそれで成立するかもしれませんが,ユーザーの受け取り方は大きく変わっていたのではないでしょうか。
当時はボイス実装に反対する声もありましたが,その後スタンダードになることを考えると,やはりボイス実装は正しい判断だったと言えると思います。

悲哀漂う切ない物語

FF10が特に評価されているポイント。それはストーリーです。今さら語ることではないかもしれませんが,FF10のストーリーはシリーズの中でも屈指のもの。召喚師の女性ユウナと,主人公ティーダを筆頭とするガードたち。倒すべき敵「シン」の存在。「ザナルカンドにて」をバックに描かれるオープニング。

悲壮感を漂わせながらも,強い意志で運命を切り開いていこうとする彼らの物語は,心揺さぶられる,確かなドラマ性を含んでいます。

考えてみると,FF10って発売されてから17年経っているんですよね。
コンテンツが日々「消費」され,人々の思い出が常に更新されていく今の時代ですが,FF10が描いた物語は,どんな時代においても揺るがない普遍の価値を持っている。
そうでなければ,スピンオフも含めると数十ものタイトルがリリースされているFFシリーズの中で,1位を取るなんてできないと思います。

また,これは発売当時に言われていたことですが,良くも悪くも映画的であり,ゲームらしくない。つまり,プレイヤーが関与しないムービーシーンが多いのではという意見。
実を言うと,PS2が現役の頃は映像に比重を置いた,いわゆるムービーゲームが多く登場していた時期でもありました。近いところで言うと,「ゼノサーガ」もそうですね。

とはいえ,今ではFF10のムービーに関してネガティブな意見はほとんど聞きません。それは,ムービー内にユーザーへ伝えたいメッセージをしっかりと盛り込み,それを情熱的とも言える演出と絡め,分かりやすく伝えることに成功しているからなのではないでしょうか。
プレイして,「素敵な物語だった」と心から思える。そんな良質を体験を提供しているのだと思います。

今回,大投票で1位を獲得した記念ということもあり,僕の視点からFF10を語ってきました。FF10は現行機種でもリリースされているので,これを機会にもう一度プレイしてみようかなとさえ思えました。

今日(2020年3月2日)は家に友達が来る予定なので,久しぶりにFF10について語ってみるのもいいかも。

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