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金魚を安楽死させるという選択

三年ほど飼っていた金魚を安楽死させました。

そんな選択をしておいて言えることではないのだけれど、
手に掛けてからあまりにも思考が定まらないので、懺悔の意味も込めて記事を書かせてほしいのです。



20㎝を超える大きなオランダ獅子頭。
うちに来た当初はタイガーのようだったけれど、まだ若魚なこともあって黒色が抜けていきオレンジ一色の綺麗な金魚になった。
来た時から違和感のあった体の一部が腫瘍化してしまい、取れてしまうんではないかとヒヤヒヤしたもの。そんなものなんのそので元気に泳ぎまわっていつも良い顔を見せてくれた。
ごはんはゆっくり食べる派。夜はフィルターの裏で寝る。水流が少なくて寝やすかったんだね。大きな尾ひれにチビ金魚が隠れてきても追い払ったりしない穏やかな性格。

私の水替え方法が悪くて粘膜過多を起こさせ体調を悪くさせてしまいもした。それが分からずに半年も辛い思いをさせてしまった。
それが治せた次は混泳させていた仲が良かった金魚を死なせ、寂しそうな顔をさせた。
その仔がいなくなった途端、同じく混泳していた金魚とのパワーバランスが崩れて追い回されたおはくんは、私が気付いた時には怪我だらけになり、疲れからかひっくり返っていた。
逃げたり暴れたりしたんだろう。腫瘍がえぐれて出血していた。鱗も剥がれ、血が滲んでいる。
すぐにバケツへ隔離した。
その時の私はなんですぐに薬浴をしなかったんだろう。優秀な粘膜保護剤を入れれば治るだろうと、甘い考えを持ってた。あの腫瘍の抉れ方では薬浴は必須だったのに。

数日して松かさになった。
ストレスもあっただろうが、恐らく傷口から菌が入ったのだろう。外傷性治療薬を使っていたらならなかったかもしれない。
それでも傷は治ってくれて、薬餌を与え続けたところ松かさも引いていった。改善が見えてきたところで別の金魚をエラ病で死なせてしまった。薬浴していたのだけれど、それで治る程エラ病は甘くない。たったの三日で逝ってしまった。
おはくんは松かさが再発。薬餌を与えれば一週間ほどで引くものの、また再発した。
三度目の松かさが引いたあたりで転覆病になる。
うまく糞が出ていないので内臓疾患の可能性が高かった。
餌切りをしても改善せず、細かい薬餌を団子状にしたものは食べない。細かい薬餌は沈下性で、沈んだものを与えようとしても頑なに食べない。食べられる位置まで連れて行くのに手に掴まれているのが嫌なよう。
結局、餌切りをしたけれど、改善は見られず、お腹はどんどん張っていくばかり。
そうこうしているうちに、四度目の松かさになった。もう治せないと思った。自分のクズさを認識しながら諦めた。
このまま餌も食べられない、お腹は乾燥で赤くなる、もっと酷くなっていくのなら死なせようと。

金魚の安楽死では有名なクローブオイルを購入する。
魚に対して麻酔効果がある。
少量を水に混ぜて眠らせた後に致死量を加えて死なすというもの。
今日、それを実行した。
お腹を撫でるとおとなしくなるおはくんだったから、ずっとお腹を撫でていた。麻酔が効いて動きがなくなり、少しずつ量を増やしていって致死量を添加。エラの動きがなくなり、十分ほど見ていて死んだのを確認。
新しい水で体からオイルを洗い落としてあげ、プランターに埋葬。

泣き言が言える立場でないことは分かってる。一番苦しかったのは金魚だ。私のような人間の所に来なければもっと長生きできたかもしれないと思う。

安楽死というのは面倒事を失くすという意味なのかもしれない。


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