見出し画像

正義の味方?お節介??頼もしく熱い隣人マーフ

私のアパートのビルにはドアマンがいません。でもUPSなどの配送業者さんは、受取人不在の場合不在票を置かず、荷物をアパートなどの集合住宅でドアマン不在のビルの場合、集合メールボックスの下にボトっと落として帰ります。一軒家でも不在の場合はドアの前に荷物を落として帰ります。これで沢山の荷物が盗まれ、警察も呼ばれ問題になっていました。宅配物泥棒、アメリカでは”package theft”と言い、問題になっています。私も、ネットショップで買った洋服ラックが何度購入しても盗まれ、何回目かでやっと受け取りました。最終的に監視カメラで犯人が探し当てられ、逮捕されました。

これで一見落着かと思いきや、盗難は続いていたようです。最近私にもこんな事が。郵便局(USPS)は必ず不在票を置くので信用していましたが、昨日の朝、寝起きにある大事なメッセージのやりとりをしていた時にインターホンが鳴り、”this is USPS. I’ve got a package for you”と。私は”I’ll let you in” と入れてあげつつ、メッセージのやりとりの続きをしながら郵便局の人が届けに来るのを待ちましたが一向に来ないので、まさか、と思い下まで行っても荷物はなし😨。郵便局へ問い合わせても”YAMADAに届けられてる” と。なぬー! 寝ぼけて判断が鈍った短い時間に盗まれてしまったということだ!タイムラグは20分ほど。大事な日本からの荷物だった。最近荷物が盗まれたばかりという近所の人と話したり郵便局へ訴えたり、奔走。NY来てから(長いので)、恐喝を1回、家賃詐欺(?)を1回、携帯(とお財布)の盗難を3回経験していますが、それでも、盗まれるのは嫌な気持ちになるものです。どうしてそんな事をするの、と。不注意な自分にも自己嫌悪の1日。

翌日、ある知らない番号から電話が。メッセージを確認すると、「一階のマーフだ。荷物預かってるよ」と。彼は荷物がよく盗まれる事を知っていて、お節介覚悟で、下に置かれっぱなしの荷物をその人のドアの前まで持って行ってくれる親切な人。ていうか昨日ノックしたのに返事なかったじゃないか!笑。やったあ、盗まれたんじゃなかったんだあ、と喜び、後ほど受け取りに行きどんな状況だったのか聞いてみる。案の定、荷物は集合メールボックスの前にボトっと置かれていたよう。しかもマーフは、その私のパッケージを誰かがスッと持ち帰ろうとした現場に居合わせ、その人を引き止めて、これは自分の友達の荷物だというような事を言って、家で預かってくれたとの事。私はYou saved my life! とマーフの正義感と優しさに感謝しました。マーフは恩など着せる事なく、このように語りました。「世の中には悪い人、ズルい人、嘘つく人、酷い人達もいれば、本当に善良な人間も沢山いる。オレはその悪のほうから反面教師で色々学んで来た。黒人として色々差別的な事も経験して嫌な思いもして来た。でもオレはlifeが好きだ」と言い、私の目をじっと見つめました。 彼は1973年からこのビルに住み、改修をしない大家と争って家賃ストライキをしたり、常に戦っている。常に階段の踊り場でトントントンと日曜大工をしながら住人に声かけたり安全確認をしている。住人の様々なライフを見届け、階段で心臓発足を起こした住人に心臓マッサージなどのCPRを施したり、ドラッグをやっているグループを追い払ったり、下に置かれっぱなしの荷物を届けに行ったり。彼こそが、少々お節介だけど、最強のドアマン、兼、守衛さんであった! いつもは「長いなー」と途中から右から左に抜けていた彼のストーリーが今日は心に響き渡りました。ので、備忘録を兼ねてここに書きました。ハーレム人間模様ストーリーの一部でした😜💕

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?