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Tristan und Isolde (24/9/23 Wiener Staatsoper)


ジョルダン指揮、シャーガーとカンペでトリスタンとイゾルデ。
なんともオケがいただけなかった。Plein de décibel, manque curuel de finesse...時々弦に美しい響きと調べがあったのみで、それ以外は各パートのバランスが悪いし、全体的にとにかく乱暴すぎる。今回は初めての席だったので場所のアコースティックの勘定に入れることもできるかもしれないけれど。次回影のない女も同じ列なので(反対側)実際のところどうなのか判るかなと思う。
バスティーユであの陶酔の極みのようなトリスタンとイゾルデを聴かせてくれたジョルダンの指揮とは信じ難い音楽だったが、もうウィーンを諦めて匙を投げたか自棄になったか…残念だわね。
シャーガーはジークフリート→パルジファル→神々の黄昏と3公演連続して歌うと言う暴挙のツケを払っているのか、コントロールに不安があるのか、終始力で押しがちな歌唱だったし、"Verloren!"で声が裏返ってしまったけれど、後は残り少ないので幸いだった。
カンペは盤石のイゾルデで、ミュンヘンに続いて堪能した。ビエイトの演出がもっと見良いものだったら、もっと作品の世界に入って行けただろうと思うけれど…彼の演出はどれも私の感性には合わなくて、作品の世界から一歩引いて覚めた目で見ることになってしまうので好きになれないんだわ。