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明暗別れた「ソダシ世代」 キーンランドカップ回顧2021

2週連続こんにちは。
ついつい書いてしまいました。
またしてもソダシ絡みで、今回はキーンランドカップの回顧です。

札幌開催もあと2週。秋競馬が近づいてきました。
先週の札幌記念はソダシ勝利に沸きましたが、今週は短距離の重賞キーンランドカップG3です。
9月末のスプリンターズステークスG1への優先出走権を得られる前哨戦でもあります。

注目は今週も3歳牝馬、「ソダシ世代」のうら若き乙女たちが古馬に挑みます。

気性に難ありのメイケイエール、若手とともに成長するレイハリア。

明暗が分かれます。

3歳牝馬とスプリントの常連

注目は「ソダシ世代」3歳牝馬の2頭です。
メイケイエールとレイハリア。

メイケイエール
白毛馬ソダシと共通した祖先シラユキヒメの一族です。ユキチャン→シロインジャーと白毛の一族ながら、父の鹿毛を受け継ぎました。
父ミッキーアイルの(今のところ)唯一の重賞勝利馬です。
2歳時から重賞勝ちし、ソダシと並べて評されることも多く、桜花賞では3番人気の支持を得るほど。しかし、レースでは気持ちを抑えられず大暴走してしまい、しんがり負け。調教再審査となってしまいます。
札幌の地で再審査に合格点をもらい、今度は流れのはやいスプリント路線で試金石となる古馬との一戦です。気性に難しいところがありますが、手綱を握るのは名手武豊騎手。個性的なこの馬は人気があり、成績はともかく一番人気に支持されます。ポテンシャルは十分なほどですから、気持ちを落ち着けて、名手の手綱さばきでオトナぽくレースができるかがカギとなります。

レイハリア
デビューはダート1200m、続いて1勝クラスで重賞葵ステークスに挑み、九州産馬として初の重賞を勝ったヨカヨカをハナ差退けて3連勝で重賞制覇を果たしました。13番人気という低評価を跳ね除けた21歳亀田騎手も初重賞制覇、今回はその勢いそのままに軽ハンデ51キロを活かして同世代のメイケイエールとともに古馬に挑戦します。

1番人気をメイケイエール、3番人気をレイハリアと3歳牝馬が人気を分け合います。 古馬のミッキーブリランテが2番人気に支持されました。

そのミッキーブリランテ、
重賞未勝利ですが、今年は春から阪急杯2着、高松宮記念10着を挟んで京王杯SC4着、そして前走函館スプリントSで差のない3着とG1ではもう一つでしたが、短距離重賞の常連となってきました。ここも安定して上位狙いたいところですが、上りがかかる札幌の芝をどう攻略していくか。

エイティーンガール
前年の覇者です。その後は二桁着順が続き、後方からの競馬が不発に終わることが多かったのですが、一度は勝っている舞台。前走は休み明け札幌1200mでしたが、0秒6差の13着でしたが、上り最速。叩き二走目、得意舞台で巻き返しがあるのか、注目です。

ダイアトニック
11か月の休み明けです。昨年には函館スプリントSを勝利していますが、スプリンターズステークスを境に休養。2020年の春に重賞で2,3着を繰り返していただけに、良い頃の調子を取り戻せれば上位狙えます。

セイウンコウセイ
2017年の高松宮記念の勝ち馬です。18年に函館スプリントSを勝って以来、勝ち星から遠ざかっていますが、思い出したように好走する怖い馬です。平坦のコースで好成績が多いので、怖い存在です。

夏の終わりに、スプリンターズステークスを目指して名乗りをあげるのは新鋭な3歳牝馬か、もひとつ古馬たちか、復活あるのか、とどれが勝ってもドラマがありそうです。

やっぱり先頭走りたかった?

スタートはレイハリアが好ダッシュ。
注目の一頭が良いスタートを切りました。
続くのはカイザーメランジェ。
メイケイエールはスタート後のダッシュがイマイチで馬群中団から後ろからのレースとなりましたが、この位置取りが気に入らないとばかりにメイケイエールのスイッチが入ります。
首をあげたまま、番手を上げて先頭にとりつきます。2番手カイザーメランジェを抜き、そして、先頭を走っていたレイハリアよりも前に出ます。
定位置に収まって、ようやくすっきりしたのか、落ち着きをみせるメイケイエールです。
2番人気ミッキーブリランテは馬群後方で、淡々と先頭のやりとりを見つめます。
前半600mは34秒0とまずまずのペース。
3コーナーから4コーナーにかけて、先頭はメイケイエール。2番手はカイザーメランジェに替わっています。3番手に内ラチぴったりとレイハリア。そんな先頭集団めがけて、ミッキーブリランテが大外に進路をとり、大まくりをかけてきます。さらにその外からエイティーンガール、昨年の勝ち馬もエンジンがかかったようです。

直線に入って、先頭はカイザーメランジェです。

メイケイエールはいっぱいになって、あとは粘るだけのレースとなってしまいました。伸びる脚はなさそうです。一方で、レイハリアがカイザーメランジェの後ろからすっと脚を伸ばしてきます。そのまま交わしてく勢いです。

外からすごい脚で伸びてくるのがエイティーンガール。
セイウンコウセイ、マイネルアルケミーもつれて上がってきます。

カイザーメランジェを交わしたレイハリアが抜け出して、先頭。
追ってくるのがすごい勢いのエイティーンガールです。

ゴール前の攻防、レイハリアの伸び脚は悪くない。軽ハンデおそるべし。
追うのはエイティーンガール。

レイハリアがそのまま1着でゴールイン。
エイティーンガールがアタマ差2着。最後は差し切れませんでした。

3着セイウンコウセイ、4着にカイザーメランジェが粘りました。
こちらは古豪奮闘といったところでしょうか。

注目された3歳牝馬、結果は古馬牝馬とのワンツー

レイハリアと亀田騎手がやってくれました。
メイケイエールがいっぱいになるなか、抜け出したカイザーメランジェを目標として颯爽と伸びていく姿。最後はエイティーンガールの猛追をしのぎ、見事な先行押し切り。
これで5連勝。スプリンターズステークスにはいかないようですが、亀田騎手の引き続きの鞍上で頑張って欲しいところです。

メイケイエールはやはりアツくなってしまいました。最後はばててしまいました、それで0秒3差の7着。冷静に走ることができていたなら、かなりいい勝負ができそうです。とはいえ、それが一番難しいということですが。

クラシックで個性的な性格で強さをみせた人気者(馬だけど)メイケイエールと、若手騎手を背に、着々と実力と実績を積み上げるレイハリア。

今回はレイハリアが勝ちました。まるで古馬はお客さんでした。
エイティーンガールが意地を見せましたが、ちょうどよい引き立て役になってしまいました。(彼女も得意舞台で復活!といいたいところですけどね)

レイハリアとメイケイエール。同じ3歳牝馬で実力伯仲ですから、また対決することもあると思います。年を重ね、次はどんなレースを見せてくれるのか、楽しみです。

ソダシ世代、もしかしたら結構強いかもしれませんよ?

それでは今日はこの辺で。また良いレースでお会いしましょう。

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