白毛馬ソダシの大活躍　2021桜花賞

白毛の馬が無敗で桜花賞をレコードで勝つ。

そんなこと、あるわけないじゃないですか。
フィクションにしても出来すぎで、リアリティに欠けますよ〜、ただでさえ、去年は牡馬牝馬ともに無敗の三冠馬を輩出しているし〜、と、例年ならきっとそう言うでしょう。
しかし、今年はありえないことが起きてしまったのです。

白毛馬ソダシの快進撃

2021年の牝馬クラシックの中心にいるのは、白毛のソダシです。
真っ白な馬体が特徴的なこの馬はあのマダラ模様の白毛馬ブチコの子。シラユキヒメから始まる白毛の馬の一族はダートで走ることが多くありました。しかし、ソダシはデビュー戦から芝で使われ、札幌2歳ステークスを勝ち、白毛馬初の芝重賞制覇を成し遂げました。その後、秋にアルテミスステークスを連勝し、なんとその勢いのまま阪神JFを勝ってしまいました。

白毛の馬がG1を勝ってしまったのです。

桜花賞へはステップレースを使わず、直行すると明言。入念に乗り込まれ、当日を迎えます。
ここに今度は白毛馬初のクラシックレース制覇を狙います。

白毛馬ソダシのライバルたち

サトノレイナス
ソダシのライバルといえばサトノレイナスです。阪神JFではクビの上げ下げで、わずかにハナ差でソダシに及ばず、アンラッキー。
ディープインパクト産駒らしい決め手ある末脚を武器に、同じ舞台でどう巻き返していくか、鞍上のルメール騎手の手綱さばきにも注目です。

メイケイエール
お転婆なこの馬はソダシの近親です。ソダシの母ブチコの姉ユキチャンの子シロインジャーの娘です。白毛の一族ですが、この馬は鹿毛。父ミッキーアイルの血が色濃く出ているのでしょうか。
前走、チューリップ賞ではイヤイヤしながら走って、それでもエリザベスタワーと同着と結果を出します。パートナーの武豊騎手は負傷により今回は横山典騎手に乗り替わりとなって、不安定な気性面がどうでるか心配です。

エリザベスタワー
メイケイエールと勝利をわけあって桜花賞への切符を手にしました。Kingman産駒として数少ない活躍馬のため、期待がかかります。

アカイトリノムスメ
ディープインパクト×アパパネという牡牝の三冠馬の子という、ゴージャスな血統背景で、それだけで期待度も高くなってしまいます。クイーンCにてアールドヴィーヴルとの接戦を制して、ここに駒を進めました。

アールドヴィーヴル
母系は名牝バレークイーンの一族ですから、３歳春からキャリアが少なくても大舞台で大駆けるする魅力があります。ダービー馬フサイチコンコルドがそうであったように。ある意味血統的な期待が高まる一頭です。

白毛馬ソダシの大活躍～レース回顧

スタートから大きく動きがありました。
先頭に立たないと気が済まないじゃじゃ馬娘メイケイエールが出遅れてしまいます。
逆に好スタートを切ったのは白毛馬ソダシとストゥーティ。
すんなりとハナを譲るのはソダシ。すぐにジネストラとアカイトリノムスメが外から迫ってきます。すぐ後ろにはファインルージュ、並んでヨカヨカ、エンスージアズム、アールドヴィーヴル、エリザベスタワー、シゲルピンクルビーが一団となっています。ライバル筆頭であるサトノレイナスは後方集団の一角。その一団を外から一気にまくっていこうというのが、おさえがきかなくなったメイケイエール。勢いそのまま先団まで迫り、そのまま先頭に立ってしまいます。しかし、場内から拍手が響きます。メイケイエールの”らしい”走りがファンの心をとらえます。

レースは後半戦に。
馬群は依然として一団となっており、先頭はメイケイエールのまま３コーナーから４コーナーへ。

メイケイエールは４コーナーで力尽き、直線に入ると失速。二番手のストゥーティが飛び出していき、代わって先頭に立ちます。ソダシは３番手から、まだゴーサインはでません。

残り３００ｍほどで、ストゥーティも失速。
ここでソダシが加速。すぐにストゥーティをかわして先頭に躍り出ます。
後を追うのはアカイトリノムスメ、エリザベスタワー、アールドヴィーヴルなどなど。そして、大外から一気に伸びてくるのがサトノレイナス。

役者はそろいました。
そして、ソダシの勢いは止まりません。
内からファインルージュが伸びてくる、外から次々とライバルを交わして強烈な追い込みをみせるサトノレイナス。
アカイトリノムスメが伸びてくるサトノレイナスと馬体を合わせて根性でもう一伸び、ゴール前の攻防が激しくなりますが、ソダシは止まりません。

サトノレイナスの強烈な追い込みをしのぎ切って、ソダシがゴールイン。

２着にサトノレイナス、３着はファインルージュが入りました。
タイムは１分３１秒１のレコードタイム。

白毛馬ソダシが無敗で桜花賞を制し、レコードをたたき出した瞬間でした。

総括
メイケイエールはともかくとして、先行勢はハイラップを刻み、直線失速していきました。にもかかわらず、ソダシの脚は止まらず、サトノレイナスの追撃を振り切り、破格のレコード記録しました。

これは強いです、そして美しい。

それにしても、
”白毛馬”が”無敗”で”桜花賞”を”レコード”で勝つ、だなんて。
まるでフィクション。
いや、フィクションだったらボツになるような、そんな数え役満的な。もはや反則級のあまりにも出来すぎた結果に逆にびっくりしてしまいます。
実は馬券の売り上げも１３０％だったという話です。ソダシ効果かウマ娘効果かはわかりませんが、興行としても大成功。末恐ろしいとはこのことです。

白毛馬ソダシの大活躍、まだまだ続きそうです・・・！