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能登半島地震…地震は起こるべくして起きた?公表データから見える恐ろしさ。地下からの信号をどうして気付かなかったのか【門外漢解説】

 2024年元旦地震は、それ以前に、どう考えられていたのか?
 時期はともかくどれほどの危険性が示されていたのか?
下図はNHKニュースに掲載された国からの『「活断層」のリスク評価』で、能登半島地震後の2024年1月15日に公表されたものです。この中に能登半島地震に関係があるとみられる活断層は含まれていません。

活断層リスク評価

 さらに昨年1月に公表された地震発生確率のランキングを示したもです。

地震発生確率ランキング


 以上の二つの地震発生予測に必要な活断層や地震発生確立リスク評価には、全く能登半島は考慮対象には含まれていません(赤破線は筆者記入)。
 では、これまでの上記のような経過を踏まえて、地震発生に関わる予測やリスク評価をどのように行うのでしょうか?
 これは非常に重要な問題です。なぜなら能登半島に再び住もうという人達にとって、今後長期にわたって地震活動をどのように『予測しリスクを認識』しておく事が無ければ、極端に言えば明日、一月後、半年後・・かも知れずに住居を修繕して前と同じに『復旧』させるからである。
 ここで『復旧』とは、【もとどおりにすること】を意味し、震災前の状態に戻すことである。
 元通りにして、再び震災に会えば、規模にもよるが、今回と同じ被害にあうことも十分に想定されることである。

無限サイクルの見通し無き復旧


 破壊されて修復(復旧)➡破壊されて復旧➡・・・(繰り返し)個人と国の資産を投入して『復旧』することに意味があるのでしょうか?
 個人の資産が破壊され、インフラが壊れ、再度巨額のマネーが投入される無間地獄のような気もします。
 下図は、1923年以降に起きたマグニチュード4.0以上の地震の震央のプロットである。赤枠で囲んだ地震は2007年(16年前)に起き、マグニチュード6.9である。

1923年以降の能登半島M4.0以上の地震震央

 では今回の能登半島地震に至るまでの群発地震を表にまとめると 

2020年以降の震度5弱以上の群発地震

 上の表から、明らかに今回の能登半島地震(2024年元旦)に至るまでに相当規模の大きい地震が連続的に起きていた。

何が足りなかったのか

 今回の能登半島地震はデータを見る限り、十分に警戒シグナルを我々に
事前に送っていた
ともいえる。
 比較的大きな地震を対象として1993年以降を見ても、
  ★1993年にM6.0
  ★2000年にM6.2
  ★2007年にM6.9
そして、今回へと続いた。
  (★2024年にM7.6)
 なぜこれほどのシグナルがありながら、警戒することなく今回の地震に至ったのかを真摯に反省する必要がある。
 筆者は、この能登半島付近の地殻構造や地質、断層、二つの衝突型プレート境界を総合的に評価できずに、メカニズムを掴めなかったからでは無いかと…。

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