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なんちゃってニューヨーカー。

はじめてNYに行ったのは、20代の時でした。
岐阜の未来博でダンスの舞台を創るにあたり、NYに行くべきだと言われ、連れて行ってもらいました。昨年の秋まで14回訪れています。

はじめて行った頃、厳寒の映画館の外でコートを着て並ぶビジネスマンたちに驚きました。セントラルパークでも一輪車に赤ちゃんを乗せてジョギングしている方にも。

自分を大事にする価値観が生きているし、ダンススタジオに行っても、授業の順番を待ちながらギラギラとしたまなざしでスタジオをのぞきながら、ストレッチをしているダンサーたちが、とにかく眩しかった。

やぶれたタイツや、洗いざらしのシャツで踊る彼ら。

ブロードウェイ沿いにあるダンススタジオには、ブロードウェイの舞台に立つ現役の役者たちもやってきます。「美女と野獣」が封切りしたばかりの時、野獣役の男優もスタジオに来ていました。スキルアップをかかさない感じです。朝から晩まで十を超えるスタジオで、バレエやタップ、シアターダンス、ジャズ等々、湯気を立てています。

振付がかっこよく、指導力のある講師のもとには50名近い生徒が集まります。汗だくの90分。誰でもすぐに参加できますが、まともにエクササイズも出来ないと「後ろに行け」と言われます。

授業の後半、ファースト、セカンド、サードと三つのグループに分けられ、ファーストに選りすぐりのダンサーたちを固め、部屋の照明を落とし、大きな窓ガラスから入る日差しだけで、大音量で曲をかけ、見事なジャンプやターンを駆使したダンスが目の前に繰り広げられます。講師よりうまく踊り、強い個性を出しても、グループとしてのディテールを合わせ、全身全霊で表現する彼らに毎回鳥肌が立ちます。

英語がたいしてできないくせに、ミュージカルも観に行きます。「オペラ座の怪人」も12回(劇団四季も2回観ていますが)観ました。小屋から巨額の資金を使って作り直す舞台。太っていても、はげていても、体系的にも様々な役者を揃えて、見事に踊り歌う懐の深さが生きています。外身も中身も秀逸な舞台にいくつもめぐり逢いました。前回は何と言っても「ONCE ON THIS ISLAND」が最高!でした。

はじめて行った20代から昨年まで、ずっとホームステイで甘えさせてもらっています。途中、接待のようなツアーもあり、シェラトンホテルに2回ほど泊まりましたが、ちっとも楽しくありませんでした。(NYは家賃と共にホテル代も高額です)朝食や昼食を出してもらったり、夕食をごちそうになったりと、いきなりどこかのおぼっちゃまになります。

派手で落ち着かないタイムズスクエアが苦手でも、ミュージアムやセントラルパークにうっとりします。

また、今度はいつ行くかと虎視眈々とチャンスを伺っている『なんちゃってニューヨーカー』です。

#ニューヨーク


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