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美しいと思う


美しいものにであったとき
ひとは言葉を見失う

美しいものに出会ったとき
そのとおりぼくはだまってしまう


美しいものを見たとき
ぼくは涙を流す


美しいものを見たとき
ぼくは少しだけ微笑む


美しいものを見たとき
ぼくはきみに伝えたくなる


美しいものを見たとき
ぼくは自分が汚れていると思う


美味しいものを食べたとき
ぼくは幸せだと思う


美味しい話をきいたとき
ぼくならいらないという


美味しい食卓には言葉が料理されて出てくる


美味しい食卓には言葉がのる


食事中に愛する人と交わす言葉こそ
最高に美味しいものなのだ


グツグツといい匂い
カチャカチャとお皿の歌
食卓には美しい音が一緒にのっている


美しい音をきいたとき
ぼくはしずかに動きを止める


美しい音を汚さないように
ぼくはしずかに動きを止める


美しい音楽を聴いたとき
ぼくは心が動くのを止められない


美しい音楽を聴いたとき
なんて幸せなんだとさけぶ


心が動き出してどこかへ行こうとする
美しい音楽と共にどこまでも行こうとする


美しい音楽を聴いたとき
いつかきみにも聴いてほしいなと思う


美しい歌にはやっぱり
美しい言葉がのる
美しいのは言葉なのだと思う


美しいものに出会ったぼくは
また言葉を見失う


見失う言葉ほど
美しいものはないのだ


ぼくはいつまでも
いつまでもだまっていた





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