'21天皇賞(秋)を予想してみる
4月にcygames運営のアプリゲーム「ウマ娘プリティーダービー」を始めて以来、実際に走っているお馬さんもかっこいいので少しレースを見てきた。
あまりレースというもの自体や予想の組み立て方などが分かっていなかったので「競馬」そのものには深く関わってこなかったが、せっかく余暇ができたので予想を組み立てて先駆者達の予想や結果との差分を見てみたくなった。
本稿では個人の思考の整理を目的としてアウトプットする。
過去戦績をあさってみて
基本的には過去の戦績の相対評価や上り、勝ったときの馬場状態が判断のベースで、血統はたどり始めると時間が足りないのでほぼ参考にしていない。
プロの予想屋がどういう用語で予想を説明しているか知らないので独自の言葉を使うが、説明する上で関連が強いと判断した馬の組み合わせを「ライン」と表現する。
# コントレイルは流石に堅い
史上3頭目の無敗三冠馬である。強い。
古馬混合で勝利を収めていない事からやいのやいの言われているが、複勝は一度も外していない。賭けの対象としては流石に堅くて外す筋はないだろう。(利益率を無視すれば)
# [ワールドプレミア/カレンブーケドール] ラインもまぁ堅い
ワールドプレミアとカレンブーケドールは'20末から'20ジャパンC、'20有馬記念、'21日経賞、'21天皇賞(春)とG1戦線を共にしており、太いラインで結ばれている。
カレンブーケドールが牝馬であることから斤量優位ではあるが、勝ち負けを繰り返しており斤量込みで勝負は五分といったところだろう。天皇賞(秋)においてもそれは同じで、一方だけを切るような賭け方をする根拠は薄く見える。
'21日経賞、'21天皇賞では2頭揃って複勝に入っておりこのラインは相当堅い。
# 人気順下位4頭は消し
心苦しいのだけれど、(予想時点のnetkeibaにおける)人気順で下位4頭は消しと判断した。
あくまで戦績ベースで見る限り、G1で掲示板に載ってきた古馬を相手に一発入り得ると判断する材料が私にはない。「これがあったら穴馬に入れてもいい」と検討する手段があったらぜひ知りたい。
# [サンレイポケット/ポタジェ] ライン、サイレントポケットが入着ありならポダジェもあり
サンレイポケットとポタジェは'21で3戦重賞を共にしておりラインとして評価できそうだ。
'21毎日王冠での斤量は双方56.0だが'21新潟大賞典では先着したサンレイポケットが1kg軽い55.0。斤量等価ならポタジェが勝ると捉えられなくもないが、上り自体はサンレイポケットの方が33.5で0.5s早くこの時の出走馬では3番目だ。(1着シュネルマイスターが33.0)
サンレイポケットの'21の重賞、直近4戦は金鯱賞6着、新潟大賞典1着、鳴尾記念6着、毎日王冠6着だが上りは出走馬の中では悪くない(もっとも早いか、離れて0.2s)。これを根拠にサンレイポケットを可能性ありとするなら、ポタジェもありと言えそうだ。
# [サンレイポケット/ポタジェ/トーセンスーリヤ] サブライン、トーセンスーリヤは伸びているか
サンレイポケット、ポタジェが出走した'21新潟大賞典にはトーセンスーリヤが出走し4着に入っているためサブラインとして評価できる。(斤量56..0)
トーセンスーリヤは4着と複勝を逃したが、3着までがクビ差でそこから1/2馬身差につけた。タイムとしては0.5s差と大きく劣るものではない。その後'21函館記念、'21新潟記念とハンデ戦を戦い、1着、2着と好調を示している。
# [サンレイポケット/ポタジェ/カイザーミノル] サブライン、カイザーミノルにG1で戦う地力はあるか
サンレイポケット、ポタジェが出走した'21毎日王冠にはカイザーミノルが出走し5着に入っているためサブラインとして評価できる。
ロードカナロア産駒だが、4歳までを条件戦で過ごしており'21から'21毎日王冠を含むG2、G3を戦って初のG1参戦に辿り着いている。重賞で1着を取ってでもいれば評価しやすいが、G2で2度3着に入っているところまでで素人目には難しい。
'21毎日王冠自体はサンレイポケットに上りが劣るものの先着はしているので、そこを切り取ってありとする考えもないではなさそうだ。
# 他馬とのラインが多いペルシアンナイト
2000mまで戦えるマイラーという印象で'20安田記念と'20マイルCSではグランアレグリアとの対決があった。
ウマ娘の育成モードかなと思うようなローテーションをこなしていて、'20宝塚記念、'20札幌記念への出走もありトーセンスーリヤとも戦っている。
ペルシアンナイトはサンレイポケット、ポダジェと共に'21金鯱賞へ出走し8着、サンレイポケットと共に'21鳴尾記念へ出走し4着につけており(サンレイポケット6着)、サンレイポケット/ポタジェラインから見るとサブラインでもある。
'20有馬記念にも出走があり、カレンブーケドール、ワールドプレミアに続く7着。天皇賞(秋)出走馬との絡みはサンレイポケット/ボダジェライン以外にも多い。
直近2戦、G2ではサンレイポケットに対する先着を含め複勝、掲示板入りを果たしているものの2000mのG1では掲示板入りがない。
# モズベッロは重馬場ならば
モズベッロの重馬場における強さは’21大阪杯の重戦車っぷりによって鮮烈に残っている。
「阪神の重馬場ならば」と見るか「重馬場でも上りが大きく変わらない」と見るかで評価は分かれるだろうが、戦績ベースでは後者の印象がある。
検討している要素
# グランアレグリアの2000mを信じるか
実力を疑う事はない5冠馬ではあるが(降着の'19NHKマイルCを含めるなら6冠相当)、出走履歴としては概ねマイラーである。
ただし'21大阪杯に出走して重馬場の中4着。重戦車モズベッロを除いたら3着に入るため2000mを戦う地力も十分そうだ。
# 3歳馬エフフォーリアは古馬相手にどこまで戦えるか
クラシック戦線を外して菊花賞ではなく古馬混合の天皇賞(秋)に来た皐月賞馬。当然ながら古馬との対戦がなく第三者には力量の見積が難しい。
敗戦は'21東京優駿のみでシャフリヤールにしか負けていない。陣営は数字を見て出走レースを決めているはずで、信じるとすればそこになる。グランアレグリア、カレンブーケドールの牝馬2頭と同じ斤量56.0を背負うのをやや有利と評価するか。
# トーセンスーリヤは本当に伸びているのか
'21新潟大賞典でサンレイポケットに勝ち星を許したもののその後ハンデ戦を2連続で連対しているのを「伸び」の証左と見るかどうか。
# 休養前、重賞連勝していたヒシイグアスの次戦は好調か
ヒシイグアスは'20~'21の年末年始で'21中山金杯、'21中山記念を含め連勝を果たしているが、競馬のセオリーとして半年以上空いた結果をどの程度参考にできるかが不明。
他馬とのラインもなく評価が難しい。
枠番・得意作戦としてはポタジェ/エフフォーリア/トーセンスーリヤが有利か
東京2000mが内枠先行有利のコースという事で2枠4番ポタジェ、3枠5番エフフォーリア、3枠6番トーセンスーリヤあたりが前に出やすいように見える。
1枠1番コントレイルがやや後方集団の中でいい位置につけ、2枠3番モズベッロ、4枠7番ワールドプレミア、4枠8番サンレイポケット、5枠9番グランアレグリアが続いていく形だろうか。
外枠でも7枠13番ペルシアンナイト、7枠14番カレンブーケドールは外枠ではあるものの中団で戦う馬なので展開次第で最終直線上がり得るかといったところ。一方ヒシイグアスは前目で戦う馬なので外枠の不利が大きそう。
予想として整理する
# 本命はコントレイル/ワールドプレミア/グランアレグリア
実績として堅く枠番としても不利の少ない3頭が本命だが、コントレイルは脚質が差し/追いなので最内から前を空けるための位置取りが必要な事に留意。
外枠にいったカレンブーケドールが少し落ちる。
内枠寄りから先行できる3頭は掲示板に絡みそう。
万馬券狙いならサンレイポケット、カイザーミノルは絡めやすい方。
ペルシアンナイトは実績では同程度に見えるサンレイポケット、カイザーミノルに比べ外枠の不利で少し落ちる。
先行馬にもかかわらず大外のヒシイグアスは難しそうなので消しに加える。
重馬場ならモズベッロを添える。
ここまでの予想で冒頭の印を付けている。
# 利益率を上げるための切りどころ
消しにした5頭の他に切るとしたらのポイントと理由を考えてみる。
仮に実際に馬券を買うなら、利益率の低い馬券や現実味の薄い馬券を切っていくのだろう。ざっくり切りがあり得そうな馬を検討してみよう。
## 古馬と戦うにはまだ早いと見てエフフォーリアを切る
天皇賞(秋)参戦を陣営の勇み足と見るパターンだが、夏~秋に本格化して古馬に肩を並べるのは前例がある。
## 伸びしろを低評価しトーセンスーリヤを切る
純粋にハンデ戦の勝利を評価しない場合。
## 上りをそこまででもないとしてサンレイポケット、合わせてカイザーミノルを切る
サンレイポケットの評価点になりそうなのが直近のレースでの上がりだが、そもそもそれが識者から見て大したことがない場合、上がりは評価できてもそれが通じる位置に辿り着けないとみるなら切りどころ。
ただしその場合、サンレイポケットと勝ち負けしているカイザーミノルを合わせて切るのが妥当に思える。
## 外枠不利のペルシアンナイトを切る
オッズ高めから絞るなら枠番中ほどのサンレイポケット、カイザーミノルの方が勝るか。
## 外枠不利のカレンブーケドールを切る
実力は十分なはずだが、外枠の実績は多少劣るか。
オッズとしては4~5番手になりそうなので、期待値計算としては切りどころになりそう。
本番は明日に迫る
情報を整理するに枠番有利なポタジェ、エフフォーリア、トーセンスーリヤが後方を寄せ付けないか、中団でいい位置につけたコントレイル、ワールドプレミア、グランアレグリアが差し切るか。勝ちを上げる筋はどちらかの割り合いが高く見える。
秋の空、天覧の場を征するのは誰か。優駿の走りが楽しみだ。
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