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大人になってからV6を取り戻すということ

去年の11月にV6が解散したことはニュースで知っていました。
SMAP、TOKIOと続いて自分が慣れ親しんだ国民的なジャニーズアイドルが解散や脱退などで形を変えていくのはやはり寂しいものがあります。でもV6は突然何かが起こってグループの存続ができなかったというわけではなく、本人たちが納得して活動を終えたことを知って、なんて幸せなゴールなんだろうと……でもそのくらいのものだったのです。

しかしながら、まさかそのV6の沼にはまり込んでしまう羽目になるとは……人生何が起こるかわからないなア…。

私とジャニーズアイドルと

小学校にあがるころにSMAP×SMAPが始まりました。SMAPがいなければジャニーズのアイドルを好きになることはなかったと思います。ちなみに森くんが大好きだったので、辞めた後も番組を見続けたとはいえ、あれは本当にショックだったな…。

森くん脱退でポッカリ空いた心の穴を埋めてくれたのは「LOVE LOVE あいしてる」。そこで出会ったのがKinki Kidsでした。放送開始から母親が見ている横でなんとなく見始めて、それからは夢中で観ていたことを覚えがあります。初めて買ったシングルが「硝子の少年」だったのも懐かしい…。この番組のおかげで吉田拓郎さんを知り、坂崎幸之助さんそしてTHE ALFEEの面白さを知り、それぞれの音楽やラジオは今でも聴いています。特にTHE ALFEEは沼にはまり込む時期が来るんですよねー…。

なによりいろんなアーティストが出るから、本当にいろんな知識が身についた番組でもあります。Kinkiが篠原ともえちゃんと一緒に演奏した「The Night before your Birthday」が今でも大好き。これだけ熱心に見ていたからこそ、光一くんはジャニーズでも随一のエンターテイナーになりましたが、ギターも弾けなかった剛くんがあれだけの一流ミュージシャンになるきっかけを見られたのは、自分の小さな財産と言っておきたいかも。

V6と学校のイメージの結びつき

V6ってデビュー当時、私にとってどんな存在だっただろう…と考えると、やはり「学校へ行こう!」に出ているアイドルという位置づけでしかなかったと思うのです。

私が通っていた中学校で「未成年の主張」に出たいと誰かが依頼したところ、当時の校長先生がそれを断り、それを聞きつけた生徒たちが「なんで断ったんだ!」と校長室に生徒が大勢集まってひどい騒ぎになっていたのを見たことがあって(笑)。それだけ小中高生たちに浸透していた番組だったんだな…とは思うけれど、私は習い事に夢中で学校という場所がそんなに好きじゃなかったし、B-RAPとかは覚えてるけど、そんなキラキラした青春時代じゃなかったものだからあまりいいイメージを持てなかったというのは正直あります。学校へ行こう!でのV6メンバーの出演シーンだと、坂本くんがMUSIAを殺しちゃったって長野くんの夢を再現したコント部分しか覚えてなかった…(笑)。

あとはV6ってやんちゃなイメージがあって、特に剛健の2人は苦手な男子の象徴でした(笑)。ダンスやアクロバットが売りだからこそジャニーズアイドルらしい「素肌にジャケット」な感じが前面に押し出されていて苦手意識もあったし…。剛健のじゃれ合いなんて今見れば可愛いしかないけど、子ども特有の言葉の乱暴さは思春期の自分には受け入れがたいものがあったからだろうし、だからこそKinkiのふたりのゆるさは落ち着いて見れたんだと思います。

渡瀬恒彦さんを通してみた井ノ原快彦という役者

私のTwitterは元々テレ朝刑事ドラマの感想をつぶやくためにやっており、警視庁捜査一課9係は遅ればせながら2016年から見ていました。元々渡瀬恒彦さんが大好きだったのものの、タクシードライバーや十津川警部、おみやさんはみていたのに、9係は何故か食指が動かなかったのですが……見たら最後。個性的な俳優たちを存在感一つでまとめあげちゃう渡瀬さんのカッコよさたるや。その翌年にまさか渡瀬さんがお亡くなりになってしまうとは思わなかったけど、渡瀬さんと井ノ原くんの関係性を知ることができて、1シーズンだけでもリアルタイムで9係を楽しめたのは本当に有意義な時間でした。

9係のアニバーサリーブックは本当にお値段以上の本なのですが、渡瀬さんが「どういう教育をしたらこんないい子に育つのか(井ノ原くんの)ご両親に会ってみたい」って話していたエピソードとか、羽田美智子さんと津田寛治さんの対談で「渡瀬さんは井ノ原くんにだけは見せる表情が違ってて、ちょっと甘えてるようなところがある」と言ったり……最高な内容なので今でもよく読み返します。

V-Land Portalで観れますが、「For the 25th anniversary」の特典映像でも渡瀬さんのエピソードが少し出てきますよね。いままで聞いたことのない優しさと厳しさとがある言葉をもらっていたことを知り、本当にいい関係だったんだと実感しました。

とはいえ、9係は井ノ原くん目当てに見ていたわけではないし、9係から今の特捜9までV6が担当していた曲も「グッディ」と「Beautiful World」しか正直印象になかった上にV6が担当しているんだなー…くらいのもの。「井ノ原快彦出演ドラマなんだからV6だよね」とか。わざわざそこに目線を合わせなくても存在しているだろう、という認識しかありませんでした。

永久未来続くものなどあるはずはないのに

私が子どもの頃はまだ少年隊も活動していたし、アイドルが30代・40代を過ぎても存在してくれるというのは当たり前の感覚だったかもしれない……大人になっても、メンバーが仲良く一緒にいてくれること、キラキラしてくれること。それは永遠に続くものだと、どこかで過信していたと思います。やっぱりSMAPがああいう形で解散してしまったとき、中居くんがあんなに泣いてるのを見たのもそうだけど、当たり前に存在していたSMAPがこんな簡単に終わっちゃうということがなによりもショックでした。

誰が悪いとか、誰がえらいとかそういうことを言いたいわけではないです。解散はどういう形であれ寂しいことの違いはないけれど、でも自分がふと Amazon Prime VideoでV6のライブ配信を見る気になれたのは、終わり方がよかったと知っていたからだと思うんです。やっぱりSMAPやTOKIOの曲がふと聴こえてくると、どこか心が締め付けられる感覚があるから。形は違えど、突然続けていたことをやめざる得なかった瞬間があったと知っているから。納得するのと納得させるのは全然違うから。いつか雨降って地固まる時が来るってどこかで信じてるからかもしれないけど。

終わりを迎えたはずのV6の沼がはじまる

個人的にはあまりいい印象のないV6にいまハマる…。これは以前抱いていたV6のイメージを完全に覆す「大人アイドル」だったからだと思います。ユーロビートに合わせてアクロバットやってた時代や誰もが知る大ヒット曲「愛なんだ」や「WAになっておどろう」のイメージで止まっている人は多分みんなびっくりすると思う。

これ、ずる過ぎでしょ…。
昔だとトニセンの声しか聞こえてなかったのに、6人の声がちゃんと調和していてユニゾンもハモリもバランスが絶妙。そしてばらつきのあったダンスも個性はあれど綺麗に揃っていてこれまた見応えがあるし、フォーメーション一つとっても「これがシンメというやつか…いや、このコンビも良い…」など新たな気づきが止めどなくあふれてくる。

これは全部コンプリートするしかない、と過去のライブ映像も順番に見たんですけど、「LIVE TOUR 2017 The ONES」 の長野くんの誕生日祝ってるところを見た瞬間に「あれ…?」となりまして。

レギュラー番組毎週見てれば違ったでしょうが、ふと「V6出てるー」くらいのノリでテレビ見てるくらいでは、こんなに長野くんがほかのメンバーから愛されてること全然伝わってないと思うんですよね。見れば見るほど、長野くんをみんなが放っておかない感じが伝わってくる。これって私の好きな「関係性萌え」じゃんか!!!!となりました。中でも、剛くんと岡田くんは全然イメージが変わったし、私のなかでトニセンとカミセンは分けて考えていたけど、合わさるとすげぇのな…と知りました。マジで長野くんラスボスすぎる…。

あと、長野くんがえげつないくらい美しい人であることも気づきませんでした。

嵐の二宮くんが長野くんのことジャニーズで一番ハンサムだと思ってるって言ったことあるそうですが、いやおっしゃる通り!正統派ジャニーズアイドル!

グループでエースになる人って真ん中になれる求心力と華やかさ、時代を超える異質さが必要だと思うから、V6でいうと圧倒的に剛くんだと思うけど、先輩たちのエッセンスを備えた王道を行くアイドルもグループには必要だと思います。

長野くんと健くんは美しさでねじ伏せることのできる人だと思います。マジで。甘さを湛えながらそれで中身は誰より男らしいのもいい…。

完結しているからこそ深められる

筋金入りのV6ファンであるミッツさんが、アーティストが引退・活動休止するメリットがあるとすれば、完結したからこそいままでの作品を死ぬまでずっと聞き直して深めていくことができるということと言っていて、その通りだなと思います。これから好きになる人は大変だよ…とも言ってますけど、いやほんと果てしない底なし沼でした…(笑)。

でも、こういうケースは私にとって珍しいことじゃなかったりして。なぜなら私は現役時代を一切知らないタカラジェンヌたちの過去映像をみて、幾度も沼にはまってきたからです。なにせいま一番好きな人は私が生まれたころにトップスターだった人ですから(笑)。入口はどこにあるかわからないものです。

生の舞台を見ないと受け取れないなにか、というのは知っていますが、見れないものは仕方がないと割り切るしかないです。それに宝塚は映像が豊富だし、当時の雑誌も取り寄せることが比較的簡単です。あと当時を知るファンの方々が熱心に教えてくださるのも素晴らしいわけで……。何回も映像を繰り返し見るだけでも得るものはあるし、その当時のスターたちが何を考えて演じて踊っていたか、振付や演出家の先生たちがどういう意図で作品をつくったかを知っていくだけでめちゃくちゃ楽しいんです。
あと、卒業後も活躍してくれていれば、その当時の息吹を感じることができることもあります。表舞台に立っていてくれれば、今を感じてさらに好きになれることも経験済みです。

V6だと初回限定でしか手に入らないものもありますが、動画配信はもちろん、V-LAND Portalも3月まであるし、DVDやらCDやら聞くだけで大変。雑誌も集めだしたけど、そんな簡単に終わりは来ないとすでに確信しています。ファンの人たちの言葉を見つけるのも楽しいです。

ただ、同じ名前のアルバムを特典が違うからそろえるというのは初めての経験でした…。しかもファンの人たちは再生用・保存用・頒布用を別に買うと知り驚愕しています…。ジャニーズってすげー(笑)!

私は年末から突如として沼にはまり込んだので、これからが楽しみで仕方がないです。今のトニセンや健ちゃん、岡田くんに会うことは不可能ではないと思うから。26年からまた歩みをすすめた彼らのパフォーマンスをこの目に焼き付けたい。

井ノ原くんの言葉じゃないけど、この先も生きていかなきゃいけないから。剛くんの言う通り、さよならじゃないから。
推しのいる人生って幸せだなア。

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