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また帰りたい場所。

打ち合わせのお相手から「三角さんの本に紹介されているお店に行ってみたいです」とリクエストをいただき、おひさしぶりの訪問。水道町の年月を重ねたマンション1階に、ひっそりと店を構える『啄木鳥』さん。自著『熊本カフェ散歩』32ページでご紹介しています。

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たまたまnoteで見かけた熊本出身のクリエイターさんがこの店について熱く執筆されていたことにも背中を押されました。雑誌『Casa BRUTUS』のカフェ特集で熊本から唯一紹介されていたものの、掲載が1/6Pサイズだったらしく「そのサイズでこの店の良さは伝わらない!」とお店の魅力を力説しておられて、そうだそうだ、と。

どしゃ降りの中、びしょ濡れになって店の扉を開けると、店主の平野さんが「久しぶりだね〜、元気にしてた?」と懐かしそうに迎え入れてくださいました。

手作りのケーキをセットで頼みたかったものの、目的が仕事の打ち合わせとあって、ホットココアのみを注文。他の店だと迷わずブレンドコーヒーなのに、なぜかここでは迷わずココアを頼んでしまいます。パウダーを丁寧に練り、最後に手製の生クリームをのせて。ケーキも設えも一つひとつ丁寧な仕事をされる平野さん。この日も街なかのオアシスを求めて、読書目当てのおひとり様、若いカップル、常連さんらしき白髪の男性と、あらゆる世代の方々が席を埋めておられました。

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カウンター席の片隅には、銀座のクラブさながらに大輪のユリが生けてあり、お客さんに心地よく過ごしてもらいたいとの思いもお変わりなく。

店内の奥には竹林を愛でる秘密の小部屋(?)があるのだけど「隣にホテルが建ってね、日当たりも遮られて竹をだいぶ切っちゃったの」とのこと。変わらずお店を続けておられて尊敬します。と声を掛けると「いやいや、変われないだけ。うちもなかなか大変だよ」とニッコリ。

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回転率を考えれば、喫茶店ほど非効率な商売はないと思う半面、客側の目線としては「ときどきしか帰れなくても、待っていてほしい」。と“実家”同様に都合よく考えてしまいます。

この空間を守るためにも、家にこもっている場合じゃないな。

また逢いに来ますね。

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