苦い血
苦いところは誰にでもある。
人生の苦手分野もいろいろある。
自分でいえば、苦手分野は「血縁」。
家庭内ストックホルム症候群に近い状態だった、
ということに気づいたのは、
一人暮らしを始めてからだ。
今なら簡単に思える「一人暮らし」。
”なんでもっと早くにしなかったんだろう??”
正直な自分の自分への感想だ。
それは人生を送ることはくたびれるけど、
それほど重荷じゃない、ということに
気づいたからだ。
それまで、自分が枯渇していたことに
気づいた。
私にとって、すでに母親は、
=私の人生におけるガン、になっている。
これ、ひどいよね。
(自分で思ってる。)
「もし自分が、
もっと優しい人間だったら違ったんじゃないか?」
そんな葛藤もある。
母親が、子供が小さかったころに与えられなかった、
保護や愛情を成長してから与えようとする行為。
母親が、もしかしたら昔のように、
自分のあれやこれやに付き合ってくれるんじゃないか、
と淡い期待が透ける瞬間。
「あのとき与えてくれなかったくせに」とは思わない。
苦い。
ただ、幼少期からひたすらに、
トラブルをまきちらし、
これからもそうであろうというほぼ確定した事実。
そして、彼女が不器用ながらも懸命に生きてきた
一人の女性だという事実。
彼女なりに子供を愛してきたであろう事実。
それがわかる、そんな年に自分はなってしまったのだ。
問題はそこなのだとおもう。
親にとっては子供は一生子供。
ただ、
子供のころにすべきだったことを
今しようとしても、ムリな話なのだ。
それは、ちょっとした、そして実はおおいに、
依存であり甘えだとおもう。
いいんだよ、依存も甘えも。
お互いがハッピーなら。
でも、私にとっては違う。
先日、友人と飲んでいたときに、
「償いは10年かかるよね」
と言われたが、即否定した。
償いなんて必要ないの。
ただ、今まで十分付き合ってきたから、
そろそろ解放してくれてもいいよね。
というだけなのだ。
後悔しても取り戻せないものもある。
逆をいえば、タイミングは、
そうそうざらにあるものではない。
じゃあ…。
今の自分が、人として自立し、成長した人間なのか、
というと、疑問である。
理想の自分なんて特にないんだけど。
つづく(?)
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