広尾追加募集馬考察(その1)
私事ではありますが最近、競馬場やイベントで広尾サラブレッド倶楽部の
会員の方々とお会いする機会が増えてきました。中には競馬場などで声を掛けてくださる方もいたりで、恐縮の限りです(スノージュエリーがなかなか結果を出すことができないのは申し訳ない限りですが、それはまた別の機会に)。
さて、今回は久々にnote更新ということで、広尾サラブレッド倶楽部さんのご了承も得て、今回の追加募集馬について、牧場さんで聞いた生の声や個人的な視点も交えて書き綴っていこうと思います。
あっ、申し遅れましたが私は広尾サラブレッド倶楽部さんの北海道育成馬ならび休養馬の撮影を担当しております。
他にも個人馬主さんのマネジメントをしたり、冬場は牧場さんのお産を手伝ったり、時には馬運車を運転して輸送の手伝いをしたり…ひと言で例えるなら馬産地の何でも屋ですね(笑)
ご存じの方も多いかもしれないですが、今回の追加募集馬ではハニーハント‘18とコスモライセンス‘18の募集にも関わらせていただきました。
とは言えその2頭ばかり推していると「自分の馬ばかり売りたいんだろ」とお叱りを受けてしまいますので(笑)、こちらでは順番に追加募集馬全頭を紹介していきたいと思います。
それでは、本日紹介するのはこの馬…
クエストフォーワンダー‘18(めす・父キズナ)
今年が産駒デビューの父キズナ。11月24日時点ですでに22頭もの産駒がJRAで勝ち上がっており、函館2歳ステークスではビアンフェが父の産駒として重賞初勝利、10月に行われた地方交流重賞の北海道2歳優駿ではキメラヴェリテが優勝。ここまで芝・ダートを問わずに活躍馬を送り出し、ファーストシーズンサイアーランキングでも堂々と1位の座をキープしています。
順風満帆のスタートを切ったかのように見える父キズナですが、2歳戦からここまで活躍するとは正直なところ予想外、というのが率直な感想でした。と言うのもキズナ産駒の成長過程の特徴なのかもしれないのですが、当歳時に良く見せていても1歳時、特にセリ時期に人目を引くような見栄えのする産駒をセールで見かける機会が少なかったのです。セレクション・セレクトセールは選ばれた産駒のみが上場されるセールなので、中には目立つ産駒もいましたが、サマーセールではどちらかというと地味な印象が拭えず、それが落札価格にも反映されていました。(良駒は庭先で多く取引されたのかもしれませんが)
セールで高く売却するにあたって「いかにセリ当日、馬体を良く見せるか」というのは売り手として重要なファクターのひとつですが、キズナ産駒は成長過程がセリの時期とマッチングしないものが多かったのでは?というのが今の率直な感想です。
春に中山競馬場で開催されたブリーズアップセールでキズナ産駒が最高価格で取引されたことで注目を集め、その後、新馬戦がスタートすると産駒は続々と勝ち上がって評価は一変。あとは皆様もご存じの通りの活躍ぶりです。広尾サラブレッド倶楽部でひと足先に募集された「パスラットアマル‘18」も当歳時から撮影を続けていた1頭ですが、こちらも当歳時から1歳にかけて大きく体型が変化しており、当時は「これが吉と出るのか凶と出るのか」と考えたりもしましたが、これだけ産駒の活躍を見ているとまったくの杞憂なのだなと納得させられてしまいます。
さて、話が大きく逸れてしまいましたが、話題をクエストフォーワンダー18に戻しましょう。
本馬を見たのは10月の撮影時が初めてなので、個人的にはまだ2回しかお目にかかっていませんが、初めて見た時に真っ先に思ったのが「キズナ産駒というよりはディープインパクト産駒に近く、芝向きの軽い走りをする馬」という印象でした。母父がマクフィーということで、ブラックタイプだけを見ると筋肉質なイメージが先行しますが、本馬は父でもなく母父でもなく、まさに祖父ディープのイメージがピッタリとハマった感じです。
白井牧場の白井直樹さんも「初仔ということもあってか、現時点ではやや小さめではありますが、育成に入ってから大きく変わって実戦で結果が出ているのがキズナ産駒の特徴だと思うので、これからの成長がとても楽しみです」と話していた通り、私自身もこれからどのような成長過程を歩んでいってくれるのか、非常に楽しみにしています。
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